ニキビは通脈資生湯で改善し、お腹も暖かくなった。不安障害でずっと独り言を話し男性は、麦味参顆粒を飲んで著しく改善。

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こんにちは、李哲です。

アメリカの中医師、鄭智城先生1の症例、困扰了金发美女十年的暗疮(青春痘)_郑智城(2013-03-16 09:50発表)を翻訳しました。カップルの治療内容ですが、主にニキビと不安障害、落ち着きがないのを改善した話です。中の漢方薬はすべての患者さんに合うとは限らないけど、参考になると幸いです。

ニキビが良くなった美容院の人が患者さんを紹介

先月、金髪碧眼の美人が来ました。

ある美容院の紹介で来たそうです。美容院のスタッフはこちらでニキビ治療しで良くなったので、こちらに紹介したのです。美容院なのに商売もやらないで。

体を冷やす・デトックスの薬で、ニキビは治らない

ニキビは比較的に治しにくいです。

一般的な治療法は、熱の毒だと判断して、処方箋もみんな冷やすもの。しかし、治療すればするほど悪くなります。

今の人たちは、多少は中医学を知っています。顔に出たニキビを見るとすぐ自分で冷たいお茶、もしくは熱を下げて、デトックス作用がある薬を飲みます。もし熱を下げて解毒作用がある薬で解決できたら、なぜまた中医学の診療所に来るのですか?

結論を出すと、中医学の診療所にニキビで来た人は、みんな熱の実証ではない。

ニキビのほとんどは体内の冷え

私も初めて治療した時は、俗の理論の罠にかかりました。熱を下げて解毒作用がある処方箋を出したけど、効かなかったです。

あとで悟りました。
この方法はダメであることが分かり、ほかの道を見つけたのです。

すべての症状は寒熱・虚実、この2つの可能性があります。たとえば、出血(痔もしくは鼻血)。中は寒いかも知れないし、熱い可能性もある。ニキビも同じです。私が臨床で見たのは、ほとんど寒いタイプ。

この金髪美人は典型的な例でした。脈は弱い、手足は冷たい。数ヶ月前は大量に髪が抜け。今はだいぶ戻っている感じですが。

李哲の説明:
鍼治療でも髪の抜け毛が減るので、良かった以下の記事をご覧ください。

排卵痛は治って、髪の毛が抜ける・耳の中が痛いのはだいぶ減った。また、体力が増えて以前みたいに疲れなくなった。

初期治療では功を奏してない

彼女の職業は舞踊家。スタイル抜群で顔もきれい。ただ、このニキビだけ引っかかる。

以前、このようなニキビを治す時、私は冷やす処方箋はダメだと分かったけど、適切な治療法は見つからなかったです。

当帰四逆湯とうきしぎゃくとう温経湯うんけいとう桂枝茯苓丸けいしぶくりょうがんなどなど、みんなダメでした。

ニキビが改善して、お腹も暖かくなって喜んだ

今回、私が処方したのは張锡純先生2「通脈資生湯」。中の玄参と竜眼肉を削除しただけです。私は直感的に、この処方箋は必ず効くと思いました。案の定、次の診察のとき、彼女は非常に喜んでました。飲んで効果があったから。

そして、徐々にほかの症状も良くなりました。お腹が暖かくなり、左の下腹部は短期間の痛みがあったけど、おそらく筋腫か嚢胞などの瘀血を溶かしているからだと思います。

李哲の説明:
瘀血を溶かす時は、黒い血の塊として生理と一緒に出る時が多いです。以下は一つの鍼治療例、参考になると幸いです。

鍼灸のあと、黒い血の塊がたくさん出たのは、古い「瘀血」である

不安障害の彼氏も著しく改善

彼女の彼氏も良くなりました。
前回、彼女が来たとき、彼氏は隣で質問したのは、「不安障害でとても落ち着かないですが、なにか処方箋ないですか?」

私「もちろんありますよ」

脈診もしないで、舌診だけして処方しました。生脈散(麦味参顆粒)。組み合わせは人参、麦門冬、五味子、この3種類だけ。

再診察のとき彼氏が言うのは、「いつも出張が多くて空港で飛行機を待つとき、不安障害で立つのも座るのもダメで、ずっと独り言を話していました。漢方薬を飲んで気づいたら、全然緊張してなくて非常に冷静。Very Chill, Very Cool!

李哲の感想

「通脈資生湯」の内容は白朮、山薬、生の鶏内金、山萸肉(山茱萸)、クコの実、芍薬、桃仁、红花、甘草。

私の見解ですが、
処方の目的は
◯脾胃を強化。(白朮、生の山薬、生の鶏内金、甘草)
◯肝臓と腎臓の陰(血)を強化。(山萸肉、クコの実)
◯瘀血を取る。(芍薬、桃仁、红花)

芍薬の花
薬用植物の芍薬、その綺麗さは半端ない

当帰四逆湯とうきしぎゃくとう温経湯うんけいとうは、みんな陽を強化するもの。「通脈資生湯」は、陰(血)を養う方向が強い。処方を間違えると、もちろん効果がありません。

ニキビは血液中の毒素が多いのが原因です。
血を養い、また瘀血を取ることで効果が出たと思います。

以前、グァーサで背中のニキビを治した事があります。顔のニキビではないですが、背中の毒素を絞り出したのは同じ原理です。どうぞご参考にしてください。

背中のニキビ、足の冷え、首こり肩こりは足つぼと刮痧(カッサー)で治り、体力も増えた例。

鍼治療の場合は、比較的にシンプルです。虚実さえ分別すれば、あとは簡単。主な治療ツボは曲池、合谷、血海、三陰交など。ほかには患者さんの便通・睡眠など聞いて調整します。以前書いた治療例があるので、どうぞご覧ください。

鍼は漢方薬ほど早くないかも知れませんが、方向性を間違えないのがメリットです。

(おわり)

  1. 鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。

    ↩︎
  2. 張錫純(ちょう しゃくじゅん、1860年 - 1933年)は、中国の著名な臨床医であり、中西医の融合を提唱した医師です。字は寿甫、河北省塩山の出身です。

    彼は幼少期から経書を学び、1893年に科挙試験に失敗した後、父の勧めで医学の道に進みました。古典的な中国医学の文献を広く学びつつ、西洋医学にも触れました。1916年には中国初の中医病院「立達中医院」を創設し、1926年には天津に「中西匯通医社」を設立しました。

    張錫純は伝統的な中国医学と西洋医学の理論を融合させた『医学衷中参西録』を著し、陰虚労熱、喘息、肺病などの治療法を詳述しました。彼の治療法は、実際の臨床経験に基づいており、多くの伝統医家に歓迎されました。

    彼の生涯は、医学の発展と中西医の融合に大きく貢献したものとして評価されています。

    ↩︎

コメント

  1. li-hari より:

    id:MT6538
    m(匞囜)さん
    ブコメありがとうございます。
    そうですね、結果的に良い効果が現れて何よりです。
    中医学の先生も最初から診断が100%合うとは限らないです。

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