突然、心臓がドキドキして死にそうになった78歳の女性患者。顔は真っ白、唇は震え、歩くのもやっと——それが炙甘草湯ベースの漢方と鍼治療で劇的に改善しました。
でも、再発の原因は意外なところに……それは「水の飲みすぎ」でした。
心臓がドキドキしすぎて死にそうな女性、炙甘草湯をベースにして治った
患者さんは78歳女性。
ある日、突然心臓がドキドキ・胸が締め付ける感じがして、同時に腹痛で歩けなくなりました。歩くと全身から汗が吹き出て、瀕死になる感じ。当院から近かったので、彼女はすぐ治療に来たのです。
彼女を見たとき、私はびっくりしました。顔が真っ白で血の気がありません。唇は震えて声が小さいだけではなくて、よく聴き取れない。
『傷寒雑病論』でいうのは、「語声喑喑然不彻者、心膈間病」。
だから、彼女を見た瞬間に私は心臓疾患だと診断しました。
私はすぐ内関、曲沢に鍼をしました。10分後、彼女はだいぶ良くなり、病状の詳細を聞くことができました。
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彼女「もう実家の田舎に帰ったほうが良いかも。この大都会で死んだらどうしよう~」
私「ほかの患者さんはみんな積極的に治療するのに、あなたの考え方は新悦ですね…実家の田舎に帰りますか?もしくは私の治療を受けますか?」
彼女「鍼してからだいぶいい感じです。すぐに死ぬとは思わなくなりました。漢方をちょっと飲んでみます」
彼女の結代脈が非常にひどくて、沈・細・弱。だから、私は炙甘草湯をアレンジして処方。7日飲んで、諸症状が消えました。
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水を飲みすぎて心臓がまた辛くなったけど、7日の漢方で治った
5日後、彼女はまた唇を震えながら真っ白な顔で来て、話しました。
「心臓がまたつらいです!今度こそ本当に田舎に帰るしかないかも」
私は心の中で思いました。
「治ったばかりなのに、なんで再発した?」
そして、彼女に質問しました。
「心臓が辛いのは前回と同じですか?」
彼女「そうです。ほかにあるのは、気持ち悪い、足に力が入りません。歩くのもバランス感覚がないです」
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舌診したら腫れて大きい、舌質は淡、水が多い感じ。
私「最近、水を飲むのはどうですか?」
彼女「私の娘が水を飲まないと新陳代謝に悪い、毎日たくさん飲まないとダメだと言ってました。そして毎日たくさん飲んだら吐きそうになり、胃の中はぽちゃぽちゃ音がします。」
私は陰陵泉と然谷穴に鍼をしました。10分後、彼女が言うのは「良くなった気がします。これってプラセボ効果ですか?毎回辛いとき先生の所に来ると、良くなるから!」
処方箋は茯苓、白术、桂枝、炙甘草、半夏 。 7日分。
鍼灸は3日連続ですることをすすめて、注意点も話しました。
「喉が渇いてなければ、たくさん飲まないで下さい。今回の心臓が辛いのは、水の飲み過ぎが原因です。心臓本体は問題ありません。」
そして7日後には治癒。
※中国河南省石家荘市の女医、張静先生1の治療例、心慌(2020-8-27発表)を李哲が完全翻訳しました。
李哲の解釈と説明
「炙甘草湯」の解釈
炙甘草湯は不整脈、心臓のドキドキ(動悸)を治すときに有名な処方です。
炙甘草湯は私が翻訳した漢方薬症例で、たくさん出ました。以下はニハイシャ先生の症例。アスピリンで脳卒中になったおばあちゃんに処方し、体力が増えただけではなくて、排便も毎日5回くらいまで増えました。もちろん、心臓がドキドキするのも治り。
関連記事:癌の腹水が尿からたくさん出て、顔色も良くなった。アスピリンで脳卒中になったお婆ちゃんは、だいぶ改善され、便通が1日5~6回に増えた。
「苓桂朮甘湯」の解釈
上記の2回目の処方。
茯苓、白术、桂枝、炙甘草、半夏は、苓桂朮甘湯+半夏の組み合わせになります。
苓桂朮甘湯は主に胃腸に溜まっている水を処理するときに使います。胃腸に水が溜まりすぎると、ボチャボチャ音がするし、食欲不振・嘔吐・下痢になる可能性もあります。また、めまいなども現れる場合もあります。水が原因なのか、もしくは瘀血・痰が原因なのかは、診断する中医師によります。
関連の症例は以下の記事が参考になりますので、どうぞご覧ください。
「1日2リットルの水を飲むと健康に良い」のは大間違い
間違った健康情報でも、何回も何十回も流すと常識になってしまいます。みんなやっているから、疑う人がどんどん減って、さらに信じる人が増える。まさに悪循環です。
水をたくさん飲んだほうがデトックスになるのは、あなたの思い込みだけ。デトックスは水以外に、ほかの様々な要素が必要です。また、体が水をほしがっているかどうか、あなたは体に聞いたことがありますか?
以下の記事では、水を飲みすぎる害を説明しました。参考にして下さい。
心臓の痛みに対して鍼も効果バツグン
以前は心筋梗塞・心不全など怖い病気が鍼で治るなんて、想像もしてなかったです。しかし、ニハイシャ先生2の講義を受けてから、心臓疾患は鍼・漢方薬だけで治せることが分かりました。
実際に臨床でも心臓疾患に対する鍼の効き目は、数え切れないほど経験しました。
心臓の血管がつまって心臓が痛くなったのか、もしくは胃腸障害で心臓が痛くなったのか、原因はどちらにせよ、鍼は即効性に優れています。以下は2つの症例、参考になると幸いです。
不整脈、狭心症、心弁膜症、心不全などの心臓疾患で困っている方、ぜひ鍼治療を試してください。大げさにカテーテル手術したり、心臓移植手術なんかしないでください。一旦手術したら取り戻せない道になります。
先に漢方薬・鍼灸を試してみて、ダメだったら手術してもいいじゃないですか?
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張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)
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倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

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