原因不明のめまい・嘔吐が3日の苓桂朮甘湯で治った例

病院で何度検査しても、嘔吐とめまいの原因が分からない。

そんな症例に対し、中医学では何を考え、どのような漢方薬を使ったのでしょうか?

今回は、苓桂朮甘湯を処方し、3日後に症状が改善したという鄭智城先生の症例を紹介します。

※アメリカの中医師:鄭智城先生1の記事、老郑医生回国记_郑智城(2011-12-14 発表)を李哲が完全翻訳しました。

目次

病院で原因不明だと言われた嘔吐、めまいの症例

先月、私のお父さんが帰国して今月戻ってきました。

お父さんは非常に喜んでいました。
10年も帰ってないし、たくさんの友だちと親族に会って食べて飲んで、その喜びは当然でしょう。

大勢の人が中華料理を囲み、箸を伸ばして食事を楽しむ俯瞰の光景
親族の集まりで賑わう中華料理の食卓

香港に滞在した時、香港の熱心な親族はお父さんの帰国ニュースを拡散して、あちこちから親族が集まりマカオからも親戚が来ました。みんな治療のため。これでお父さんは何日も忙しかったです。

広州に戻った時も同じ。
親族と友人たちがニュースを聞いて、みんなあいさつと治療を兼ねて来ました。

今日話すのは、アメリカに戻ってからの事。

お父さんがアメリカに戻ってから、国内の親戚から緊急電話がありました。「ご主人がまた嘔吐、めまいがして処方箋を教えてください」と。

メガネをかけた紺色の半袖を着た高齢男性が、めまいで右手で頭を抑えている様子
原因不明のめまいに苦しむ高齢男性

鄭先生によると、この男性は嘔吐やめまいを繰り返し、病院で検査を受けても原因は特定されませんでした。血管が少し狭くなっていると指摘されたものの、原因は分からなかったそうです。

このご主人は、数ヶ月前にも同じ症状がありました。当時は数日入院して、徹底的に検査をして無数のお金を払ったけど、結果はなにもない。最後はうつ状態のまま退院。

自称「科学的」である西洋医学も、まあ、こんなレベル。

たとえ、糖尿病の研究でも西洋医学は小学生レベル。詳細は以下をご覧ください。

🔗糖尿病を中医学ではどう考える?腎を補う治療と症例

ご主人は、1ヶ月くらい経ってまた再発したのです。最初発作した時は、お父さんを思い出せなかったです。しかし、お父さんが帰国してから親族たちはまだ覚えていて、今回は自然にお父さんを思い出したのです。

電話の中でいろいろ聞いたら、また入院して検査をしたけど原因不明。唯一の発見は血管が少し狭くなっている。「脳卒中に気をつけてください」と言われただけです。

病院というのは、こんなものです。
調べてほしいのは分からない、原因不明だと言う。
必要がないものは、たくさん調べてくれます。

🔎合わせて読みたい:病院の検査で病気の原因が分からないときに考えたいこと

苓桂朮甘湯を3日間服用し、嘔吐・めまいが改善

このご主人の症状、原因は簡単です。
胃が冷えて水が溜まり、水が氾濫しているだけ。
苓桂朮甘湯りょうけいじゅつかんとう
をアレンジ、3日分だけ処方しました。

土色の紙袋に盛られた白い四角い生薬の茯苓(ブクリョウ)
利水・鎮静作用を持つ代表的な生薬「茯苓(ブクリョウ)」

茯苓は、苓桂朮甘湯を構成する生薬の一つです。中医学では、体内の水分代謝を整える目的などで用いられます。今回の症例では、鄭先生が苓桂朮甘湯をアレンジして処方し、3日後に症状が改善したと報告しています。

飲んだ翌日に電話が来て、「効果がある感じです!」と言って、3日後は完治。

偶然ですかね。
胃が冷えて水が氾濫する症状は、見た目は怖いです。西洋医学は検査して何も分からないのに、中医学にとっては1~2日の漢方薬だけの事。

李哲の中医学的考察:水の停滞と嘔吐・めまい

中医学では水の停滞をどう考えるのか

めまいがする、嘔吐、気持ち悪い。
これは胃が冷えて、胃袋の下に冷たい水が溜まって起きる症状です。

病院に行っても原因不明だと言われるのは当たり前。なぜなら、西洋医学と中医学の生理学は完全に違う系統で、水に対する認識が違うからです。

西洋医学にとって水は大したことない、だから健康診断には胃袋に水が溜まっているなどの検査がありません。中医学にとって水は大事。水がどこに溜まってどんな症状が起きるのか?2千年前の中医学では、すでに答えがわかり関連の処方箋まで書かれています。

以下は臨床の笑い話。
水が下半身にたくさん溜まっているのに、西洋医学は正常だと判断しているのです。

🔗足のむくみがひどいのに「正常」だと診断された症例

めまい・吐き気に対する鍼灸治療の症例

胃袋の溜まっている水は漢方薬も解決できるし、鍼灸でも治せます。

鍼の場合は中脘、上脘、公孫、内関などを刺す。
私の施術経験から見ると、気持ち悪い・めまいがするのは、ほとんどその場ですぐ改善できます。以下は一つの鍼治療例、参考にしてください。

🔗ひどいめまい・吐き気は鍼刺して3分後に改善した症例

お灸の場合は、中脘にお灸するのがオススメ。以下の関連記事、参考になると幸いです。

🔗中脘のツボの位置と効果|胃腸の不調に使うお灸

※突然の激しいめまいや、歩行困難、ろれつが回らない、手足の麻痺などがある場合は、脳卒中などの可能性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。

めまいを改善した鍼灸・漢方の症例集

👉️68歳女性のめまい・不眠症が鍼灸と漢方で改善した症例

👉️80歳女性のめまいと嘔吐を漢方薬・鍼治療で劇的改善した症例

👉️めまいと歩行困難、頸動脈の狭窄があった患者の漢方治療例

👉️原因不明のめまい・頭痛が、1回の鍼と漢方薬で著しく改善した漢方症例

👉️不正出血1ヶ月でめまい、便秘・喉が乾いて口の中が苦いのを改善した漢方症例

👉️知覚過敏、歯がしみる、低血圧を改善した真武湯の症例

  1. 鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。

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