お腹と脇腹が張って仰向けで寝られない女性、「小柴胡湯」で快便になり、張る痛みも著しく改善した

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こんにちは、李哲です。

張静先生は中国・河南省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論しょうかんざつびょうろん』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

这种的便秘要这么治
小柴胡汤的妙用

(2021.10.12 発表)

様々な漢方薬でも治せなかった便秘、なぜごく普通の処方箋で治せたのかを説明しています。便秘を治す処方箋は簡単だけど、どんな処方箋を使えば良いのか見極めるのは、中医学先生のレベルによります。この翻訳文を通して、小柴胡湯も便秘を治せることを知って下さい。

お腹と脇腹が張って仰向けで寝られない女性、3日で快便になり脇腹の痛みも著しく改善した

患者さんは72歳の女性。
診察に来た理由は、以下のとおり。

  • お腹が張る。
  • 両側の脇腹まで張って、仰向けで寝ることができません。
  • 常に便を出したい。
  • 便が硬く感じるけど、出すとそうでもない。

彼女は何回も強調しました。
もし便通が治れば、私のお腹が張るのも治るでしょう

お腹、脇腹が張って痛いのは小柴胡湯で簡単に改善

お腹、脇腹が張って痛いのは小柴胡湯で簡単に改善

ほかの症状は、以下のとおりです。

  • 口の中が苦い。朝が特に顕著。
  • 口が乾く。
  • ベロは白。

彼女が言うのは、「もう漢方薬は飲みたくないです。この便秘を治すために、たくさん飲んできたから。」

私は彼女を慰めました。
「苦い煎じ薬を飲まなくて良いですよ。ちょうど既製品があるので、これを飲んでください。」

そして処方したのは、2箱の小柴胡湯。

3日後、彼女が来て話しました。
大分楽になりましたよ。快便で食べ物の味もしっかり分かるようになって、脇腹の張る痛みも楽になりました。この漢方薬はすごい良いですね!

漢方薬がすごく良いとか、そういう問題ではなくて、処方が合っているかどうかが肝。

阳明病,胁下硬满,不大便而呕,舌上白苔者,可与小柴胡汤,上焦得通,津液得下,胃气因和,身濈然汗出而解

引用先:『傷寒雑病論』第230条

彼女の病気の原因を簡単に説明すると、気のつまりです。最初、彼女の舌診をする前、私は大柴胡湯などの処方箋を考えました。しかし、あとでベロの色を見たとき、絶対に大柴胡湯を使ってはいけない事が分かりました。実証ではなくて、虚証からくる便秘だからです。

気のつまりを治せば、食欲も便通も汗が出るのと同時に解消。

当帰の画像

彼女はたくさんの便秘を治す漢方薬を飲んだそうです。大黄、麻子仁、芒硝など攻撃する漢方薬でもダメ。当帰、牡丹皮など瘀血を出す漢方薬でもダメ。黄耆、白朮など脾胃を強化する漢方薬もダメ。

上記の強い漢方薬と比べたら、小柴胡湯は本当にすぐれものです。強く押し出すのではなく、軽くタッチしただけで一つのドアを開け、体が自然に治りました。

李哲の解釈と説明

便秘であれば、大黄・芒硝など使うのはダメ

上記の72歳の女性患者さん。
無数の漢方薬を飲んだけど、便秘とお腹が張るのは治ってないです。その原因は、適切な処方箋を飲んでないから。

一般的に便秘には大黄・芒硝などが処方されます。しかし、便秘を治す漢方は、ほかにもいろいろあります。たとえば温病派が高齢者に使う処方箋、「済川煎さいせんせん」。関連の紹介は以下の記事をご覧ください。

日本では大甘丸だいかんがんという漢方があります。たくさんの方から飲んだことがあると話を聞きました。これは大黄・甘草の組み合わせ。大黄があるので、便秘には有効です。ただし、大甘丸だいかんがんは便を出すだけで、体内の環境改善はしないから、自力で便を出すことができません。

大甘丸だいかんがんは一時的に便秘を治せるけど、体質改善・便秘根治はできない。
以前、足つぼ整体の仕事をしたとき、便秘が治らなくてセンナ茶を常用する女性がいました。大甘丸と同じで、センナ茶も一時的に便秘を改善するだけで、根本的な治療にはなりません。というか、常用すると逆に害があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
 

症状A=薬Bの考え方は間違い

今は西洋医学の考え方が浸透しすぎて、中医学治療にも悪影響を及ぼしています。たとえ話をすると、新型インフルエンザだと診断されたけど、なんの漢方が良いですか?椎間板ヘルニアだと診断されたけど、どんな漢方薬が良いですか?などの質問があります。

症状Aには薬B。
症状Cには薬D。
このような考え方は簡単すぎです。

緊急救命のときに、専門家でなくても服薬指導に役に立つかも知れませんが、慢性的な病気を治すときは氷山の一角しか治せない。というか、薬の副作用で更に一つの氷山(病気)を作り出して、治せない病気にさせます。

一つの症状を引き起こす原因は様々です
西洋医学の言葉でいうと「マルチパス」
スタンフォード大の博士、李宗恩先生は以下の記事で詳しく説明しました。どうぞ参考にして下さい。

中医学は西洋医学と違って、異病同治と同病異治の概念があります。根本的な原因は、病気に対する理解度が違うからです。どちらが科学的で正しいのか?簡単です。患者さんの不調が治れば科学的で正しい。

同病異治に関して、ニハイシャ先生1の症例が参考になるので、どうぞご覧ください。

便秘を治すのは漢方薬以外に足つぼ整体・鍼灸もできる

簡単にいうと、体質改善ができる療法は皆便秘を治せます。過去の症例で見ても、たくさんの証明ができます。

▼足つぼ整体で便秘・生理痛など様々な症状を治した症例。1つの施術法で諸症状が治るのは、同時に五臓六腑の強化ができて、体力・免疫力とも増強するから、様々な不調が自然に良くなるのです。

▼鍼灸で便秘改善したついでに肌の調子も良くなった例。余談話ですが、肌の調子を良くしたいなら、先に便秘を治すべきです

最後、上記の女性の症状に似ている患者さんの症例を貼ります。お腹と脇腹が張って辛いのは同じだけど、病気になった原因は違う。鍼灸は患者さんの主訴を聞いて、病気の原因を分析してから、関連のツボを選んで治療します。

  1. 倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方薬・鍼灸・風水・占いに精通した天才。もっと詳しい説明は、倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますをご覧んください。

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