こんにちは、李哲です。
このブログで中医学の話をいっぱいしました。
今は西洋医学の世界で、西洋医学こそ科学的根拠に基づいた医学なのに、なぜうさんくさい中医学(東洋医学)を擁護しているのか?と、気になる方がいるかも知れません。
今日は私の経歴で、なぜ中医学を信じるようになったかを説明します。
中国の病院は西洋医学が優先
10何年前、私は中医学の神秘な力に憧れて中医薬大学に入学しました。そして、古文からはじめ中医学の理論、西洋医学の解剖学.薬理学などを勉強。もちろん、中医学の大学なので中医学がメインです。
5年の勉強と研修で、理論知識はいっぱいつけました。しかし、臨床で気づいたのが、中医学(針灸.生薬)の治療効果が見えなかったです。臨床では漢方を使うところか、ほとんど西洋薬が先に使われている。
西洋薬がダメだったら、漢方を使うパタンが多いです。
特に緊急救命のときは、漢方使うのを見たことがありません。
つまり、優先順位があるのです。
西洋薬がメインで主役。
漢方は補助程度で脇役。
西洋薬もダメで、患者はもう死ぬしかない。でも、漢方でひょっとしたら生きるかも?という考え方で、漢方が使われるわけです。
中国の一般庶民には、こんなうわさまであります。
「漢方は普段の養生には良い。病気を治すなら、西洋薬のほうが速く効く」
言い換えると、薬膳料理.精力剤などは漢方の強いところ。病気の治療には、漢方の効き目が遅い。
ただの足の痺れ、全治に3ヶ月もかかっていた
針灸の効き目がどのくらい遅いか、今も覚えている事例があります。
大学付属病院で一人の男性患者を見ました。彼はバスに乗ったとき、足を組んで座って、太ももの上に彼女を乗せたのです。そして30分後、バスを降りたら彼は歩けなくなりました。
普通の痺れだと思って、1時間くらい休んでも痺れが取れません。そして、病院に来たのです。針灸と推拿(中国では整体とは言わないで、推拿と呼ぶ)を行って、全治まで3ヶ月もかかりました。
研修医のとき、漢方薬で病気を治す先生を見たことがない
私が病院で1年研修している間、漢方をメインにして病気を治す先生を見たことがありません。先生たちが言うのは、「急性.重病の患者は西洋薬を先に使うべき。落ち着いたら、漢方で養うほうが良い」
自分が憧れていた中医学(漢方薬.針灸)って、こんな弱いもの?病気も治せない医学だったのか?
不安と疑いが、どんどん膨らんできました。
中医学に憧れて大学に進学したけど、最後は失望だけ
中医学の神秘な力(生薬、針灸)で難病でも治す。これを見たくて勉強し始めたけど、大学に通っている5年間、見たことがありません。
針灸は大したものではない。
治せる痛みは腰痛、肩こりだけ。
漢方は3~4ヶ月飲まないと効かないもの。
こんなイメージを持っている人。
私だけではなかったです。
中医薬大学の卒業生、こう思う人は多いです。彼らは卒業してから、西洋医学の外科医(給料が高いから、奪い合う職業)になる人もいるし、別の業界に転職する人もいます。
専門知識を勉強した人すら針灸・漢方薬の効き目を認めない。ほかの普通の庶民たちは、どう思うでしょう?
憧れて5年も勉強。
しかし、最後分かったのが、自分が勉強したのは『役に立たない学問』。そのむなしさは、言葉で表現できないくらいでした…
ツボの威力・効果を初めて実感
整体の効き目に気づいたのは、日本に来てからです。当時、アルバイトで学費・家賃を稼がないといけない状況で、たくさん働いて稼ぐしかなかったです。留学生にとって報酬が高いバイトは整体院。ただの料理屋で働くより給料が高い。整体とつぼは大学で勉強したから、バイトは探しやすかったです。
そして、数々の実践で分かったのは、「つぼはとても効く!」
特に足つぼ反射区療法は施術が簡単なのに、驚くほどの効き目がある。
臨床経験をあげると、
胃が痛い人、その場で胃痛がなくなった。
腰椎ヘルニアで歩けない人が、再びスポーツを始めた。
生理が止まった人、生理がまた来た。
… …
目の前の患者が教えてくれなかったら、私も信じてなかったかも知れません。
足ツボ整体症例のカテゴリーは以下をご覧ください。参考になると幸いです。
何だよ!
勉強したのが役に立っているじゃん!
中医学をバカにした自分がいけなかったです。初めて勉強したものが役に立つのを実感して、本当に嬉しくて涙が出そうになりました。
私も役に立つ人間になった!
まあ、こんな感じですね。
そして、思い出したのは前回書いたあの男性。
なぜ整体+針灸までして、3ヶ月もかかったか?
大学での勉強、どこが間違っていたかを考え始めました。
倪海厦(ニハイシャ)先生のHPに出会ってから、中医学に対する考え方が変わった
3年前に縁があって、ニハイシャ先生1のHPと出会い。そして、全部の文章を1年くらいかけて隅々まで何回も読み。今までの疑問、すべて解けるようになりました。
私が大学で勉強したのは、間違った中医学の知識で、本物ではなかった!
だから、漢方で病気を治す先生を見たこともないし、針灸で一発で痛みを治すのを見たこともない。勉強した知識が間違っているから、10年勉強しても30年勉強しても病気を治せません。
以下の記事で患者さんは言ってますが、「あなたがあと100年医師の仕事をしても、分からないのは分からない!」
これは、また新しいショックでした。あんなに高い学費を払って勉強したものが、間違った知識というのは、どういうこと?バカバカしくてしょうがなかったです。
気づいてショックしたけど、逆に安心感もありました。針灸と漢方が効かない原因.緊急救命で漢方が効かない原因が分かったから。5年の大学勉強は無駄になったような気もしたけど、今はそう思いません。気づいてよかったです。今からでも遅くないので、もう1回勉強すれば大丈夫。
漢方薬を飲んでも効かないと思う人は、いわゆる「温病派」先生の処方箋かも知れません。本物の漢方医と「温病派」先生は何が違うのかは、以下の記事で詳しく説明しました。参考になると幸いです。
漢方薬の「すさまじい効き目」を目の当たりにした例
本来の漢方の力はどんなに強いか?
ニハイシャ先生のHPから勉強して私が実践した例を書くので、見れば分かると思います。
「葛根湯」を飲んで30分後、鼻水・高熱・喉の痛みが消えた
横浜の関内で足つぼ整体院をやったとき、スタッフの女性が風邪を引きました。次の日に、たくさんの予約が入っているのに、風邪のままだと仕事できない。彼女も少し焦ってました。
当時、彼女の症状は、すごい鼻水とくしゃみ.高熱.のどの痛み。
お店の近くに漢方薬局があったので、生薬を買ってきて煎じました。
彼女はいやな顔で漢方を飲みました。そして30分後。彼女は不思議な顔で言うのが、「鼻水が止まり、熱も下がった。のどもそんなに痛くない」
寝る前に2杯目を飲み。
そして、次の朝はすっきりして、仕事もできるようになりました。使ったのは1日分で、2杯しか飲んでないです。葛根湯が風邪を治す仕組みは、以下の記事で詳しく説明しているので、どうぞご覧ください。
「大青竜湯」を飲んだ翌朝、インフルエンザは治った
もう一人、男性の従業員も病気になったことがあります。その時は、ちょうどインフルエンザが流行る時期でした。彼の症状は普通の風邪と違う。手元には葛根湯しかなくて煎じてあげたけど、次の朝になってもぜんぜん軽くならない。
最初の診断が間違って、これはインフルエンザだと確信しました。そして、インフルエンザの特効薬:大青竜湯を煎じ。
仕事が忙しくて3日後に彼の症状を思い出して聞いてみたら、「新しい漢方を飲んで、次の朝には治りました」
彼が飲んだのも1日分、2杯だけです。
「大青竜湯」でインフルエンザを治した男性の症例もあるので、これも参考にしてください。
1ヶ月も続く咳、小青竜湯で一晩で治った
一人の知り合い。
咳が1ヶ月も続いているそうです。
「なんかいい漢方がないかな?」と頼まれて、問診をしてから小青竜湯を教えました。その知り合いは、一気で飲んでしまったそうです。そして、次の日にメールがきたのが、「もう治った。昨日の漢方ありがとう!」
彼女が飲んだのも1日分。2杯だけ。
不思議なのは、ほかの人はみんな漢方がまずいというのに、彼女だけはすごく美味しいと言ってました(笑)
基本的に漢方はまずいですが、症状と合う漢方は、患者にとって美味しく感じるときもあるわけです。小青竜湯の症例は以下の記事もあるので、どうぞご参考に。
半年も続く咳、「小青竜湯」を飲んで一晩で治った
一人の知り合い。
中国旅行から戻ってきて、風邪っぽくなって咳がよく出る。
病院の咳きとめ薬を飲んだけど、咳はとまらない。咳は半年以上も続いて、彼女は相当やつれてしまいました。病院の先生も最後の武器:一番強い抗生物質を出す準備をしたのです。
このままだと危ないので、詳しい症状を聞いてから小青竜湯をすすめました。彼女はそっこう近くの漢方薬局で、生薬(1日分.2杯だけ)を買って家に帰りました。
1週間後に彼女に会いましたが、彼女はニコニコ笑いながら話しました。
「あの漢方すごいですね~次の朝、咳が止まりましたよ。今はもう咳はしないです」
小青竜湯の症例は、ほかにもあるので、以下の記事どうぞご参考に。
彼女はもう一つの悩みを言いました。
「喉にいつも何がつまってる感じだけど、これは何が原因ですか?」
これは女性がずっと家にいて、外にあまり行かない。楽しい思いも少ない。悩みを聞いてくれる旦那(友達)もいない。考えること(無意味な心配)が多すぎ。そして、少しうつっぽくなり、のどに気が詰まったのが原因です。
ちょうど勉強したのがあったので、半夏厚朴湯を紙に書いてあげました。1日分。茶碗2杯分です。1週間後に彼女から報告があったけど、「飲んで次の朝には、のどのつまりがなくなりました」
半夏厚朴湯の使用例は、以下の記事でも出現しているので、どうぞご参考に。
漢方薬・鍼灸が効かないのは、先生の問題!
以上で書いた全部の漢方。
一日分だと700円くらいです。
抗生物質は700円で治りますか?
手術は700円で治りますか?
ここまで書くと、
「うそつくな!」
「漢方がそんなに速く効くわけがない!」と疑う方が多いでしょう。
その気持ち、よく分かります。
私も昔、漢方薬と鍼灸を信じてなかったから!
目の前の真実を見なかったら、私も「漢方って効くんだ!」と思ってなかったです。
漢方薬・鍼灸には科学的根拠がない。
だから、標準医療(西洋医学)を信頼するべきだ。
こんな理由で、中医学(生薬.針灸)を反対する人。
愚痴なあなたとは話が通じません。
臨床では効果が全て。
何回も同じ効果を再現できるのが、本当の医学です。
「なぜ、私が飲んでいる漢方は効かないか?」
これは、漢方が悪いのではなくて、漢方を処方した先生の勉強不足です。
先生を変えてください。
漢方というのは、組み合わせと使用量が間違えると、飲んでも効きません。いい先生をどう見つかるかは、皆さんのご縁ですね。縁があれば出会えます。
以下の患者さんはたくさんの治療院でも治らなくて、整体を1回受けただけで良くなりました。本当に縁がある方としか思えません。
ちなみに、こちらは足つぼ.整体のお店で、漢方薬局ではありません。漢方相談などは受付しないので、ご了承ください。
針灸に関しては、以下のビデオを参考にしてください。ハイチ地震救援に行ったアメリカボランティア医師の撮影なので、うそではありません。
おわりに
最初の憧れ.信頼⇒夢の破滅.自信がなくなり⇒再び自信を持ち.信頼。今は最も堅実な擁護者になっている。
これが今までの心境の変化です。
波乱万丈な10年だったけど、気づいた自分は幸運だと思いました。
「今はまだ未熟で、いろんな病気を診るとこができないけど、いつかは!!!」と頑張っています。
(おわり)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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