こんにちは、李哲です。
ニハイシャ先生1の弟子(獣医)が書いた症例: 另外を翻訳しました。腎不全・尿毒症になって、死ぬしかない猫を救ってきた例です。
犬、猫などの動物が腎不全になったとき、漢方が一つ有力な治療方法であることを知ってもらえると嬉しいです。
重度の腎不全、尿毒症で死ぬしかない猫
Aちゃんは3歳の猫。メス。
飼い主が気づいた時は、すでに食欲不振で倦怠感が強く、一日中食べないし飲まなくて動かない。歩くとき、バランスがとれなくて倒れる。嘔吐と下痢で、どんどん痩せてきました。
飼い主は仕事が忙しくてほったらかしたけど、見る見るに衰弱しているから、治療に連れてきました。来たときカルテに書いたのは以上の症状。ほかの症状は、以下の通りです。
- もともと体重は3.2kgあったのに、今は1.8kg。
- 粘膜は蒼白で、血の色が見えません。
- 口臭がきつい
- 膀胱には尿がたまってない
- 精神状態が非常に悪く、歩く力すらない
- しかも発熱
私の初期判断は「少陰症」。
血液検査データが示すのは、
重度の腎不全、尿毒症。
肝臓の数値は6倍、クレアチンキナーゼ(CK)は7倍に上がっている。超音波検査では、腎臓に水がたまって重度の水腎。
入院治療の手配をして、今の状況が危険である事を伝えました。
飼い主は女の看護師で、検査結果は全部理解していました。ここまで来たら、腎臓はもう「死亡」です。
飼い主は、「猫の腎臓移植手術は可能ですか?」と質問したので、私は答えました。「アメリカではあります。国内はまだ聞いたことがない。そして、腎臓移植手術しても成功率は低いです。成功したとしても長生きはできません。」
彼女の同意を得て、漢方薬を試すことになりました。彼女が言うのは、「死ぬしかないなら漢方薬を治療してみる」
猫の腎不全、尿毒症は漢方薬10日で完治した(詳しい治療経過あり)
初診日の処方箋:
柴胡3、黄芩2、人参3、炙甘草3、半夏4、生姜2、黄連2、茯苓3、芍薬3、白朮2、加工したトリカブト(附子)2、当帰1、細辛2、乾姜2。
飲んでからの変化は、以下の通り。
1日目:水が飲めるようになった。
2日目:座ってられる。以前はうつ伏せになるしかなかった。缶詰が食べられるようになった。
3日目:状況は悪くなりました。
ずっと嘔吐が続いて、水を飲まない。
半夏と生姜の量を増やしても、肝臓と心臓の数値は良くならない。
4日目:
まだ嘔吐が続いているので、処方箋を変えました。
茯苓3、芍薬3、生姜10、白朮2、加工したトリカブト(附子)3。
5日目:
著しく良くなりました。
嘔吐はなくなり、餌と水を飲みたがる。
小便の量は変化なし。
面白いのは肝臓の数値は正常になったけど、腎臓と心臓の数値はまだ進歩がない。
6日目:
続けて進歩している。
体重は2.1kgまで増加。
7日目:
血液検査データで、肝臓と心臓の数値は大幅に下がった。
8日目:
体重は2.2kgまで増えた。
9日目:
超音波検査の結果、腎臓にたまっている水が大幅に減った。
10日目:
すべての数値が正常になり、いつもの通りよく食べて大小便が出て、いきいきして甘えたりもします。
今日で退院。
1週間後、再診察に来ました。
血液検査データではすべてが良い。体重は引き続き、増加しているところ。超音波検査結果、腎臓の形は正常に戻り、水がたまってない。
続けて漢方薬を飲んで、腎臓を強化しています。
漢方薬で治療した獣医のまとめ
漢方薬は本当にすごいです。
以前このような病気を診る時、西洋医学の対症治療しかできなかったです。点滴、腹膜透析など。
猫が死ぬか生きるかは、完全に運命に任せる。
病気の原因すら分からない。
中医学を勉強してから、命と健康に対しての認識が徹底的に変わりました。ニハイシャ先生に深く感謝します。
この治療例は成功したけど、私はまだたくさんの疑問があり、アメリカのニハイシャ先生の所に行って研修に参加し、もっとたくさんの猫と犬を救えるように頑張ります。
遊医獣 2010年2月8日 報告
(ニハイシャが学生に対する褒め言葉はあまり関係がないので、申し訳無いですが省略します)
李哲の解釈と感想
漢方薬は人間にも効くし、猫、犬にも同じように効きます。
腎不全(じんふぜん)。
西洋医学にとっては、血液透析しかありません。
一つ理解してほしいのは、血液透析は腎不全を「治す」ものではない。機械が腎臓の代わりに毒素をろ過して、死期を伸ばすだけの一時的な延命措置です。患者さんはあと数年生きるために、透析の苦痛に耐えるしかない。
なぜ漢方薬を試さないですかね?
上記の処方箋を分析します。
最初の3日目までの処方は、小柴胡湯+真武湯の組み合わせ。少ししか効き目がなかったのは、処方箋に要らないのが入っているからです。2回目の処方箋は、ただの真武湯になりました。そして、量を増加し、一発で効いたのです。
真武湯の紹介は以下の記事をご覧ください。
たくさんの生薬を入れれば、効くものではないです。必要なものだけ集めて、邪魔になるものは入れない。
漢方薬の組み合わせは、シンプル・イズ・ベストの代表です。
なぜこんな組み合わせなのか?
なぜこの生薬で、似てるあの生薬は使わないのか?
後世の私たちは、その匠の技に嘆くしかないです。
ちなみに、漢方薬が効かない話をよく聞きますが、漢方医には2つの流派があって、温病派の処方箋だったら効かない事を知っていますか?
腎不全に関して、私はまだ明確に診断された患者さんの治療例がないので発言を控えます。
一人だけ、腎不全になる手前の方が来ましたが、1回で止めました。
彼女が言うのは、「こちらの鍼はとても効きそうだけど、鍼の響きはダメですね。」
困りました。
効きそうだけど響きが嫌だ。
しかし、私が習った鍼は「得気」(ひびき)がないと、効果がないと言います。
どうしたら良いですかね。。。
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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