こんにちは。李哲です。
今まで海外から来る方、何人か診ました。みんな海外で中国人先生の鍼治療を受けた事がある方です。
「中国人先生の鍼の経験者だったら大丈夫だろう」と思って、普通にまわして響かせたら思いの外の事が起きました。彼(彼女)たちが言うのは、「すごい響く!ビックリしました!」(たくさんの方が表現するのは、痛い!)
中で私が一番ビックリしたのは、途中でギブアップし、「もう鍼は刺さないでくれ!」という人がいました。
施術後の話しで分かりましたが、向こうの鍼はけっこう優しくて、響きがほぼないそうです。痛くないのは良いけど、効果もさほどなく、何回受けても諸症状が治っていません。
私が習ったのは倪海厦(ニハイシャ)先生の鍼灸理論。最近は、台湾の董氏针灸(奇穴の系統的な流派)を加えて研究しています。この2つは、どちらでも響きを求めます。
伝統的な鍼灸理論では、響きを「得気(とっき)」と定義しています。「得気」とは、ツボに気が集まった時の特有な現象。患者さんの自覚症状としては、鍼を刺した所がズンと重くなったり、熱くなったりします。
響きがないときは、ただ金具に刺されただけで、鍼灸本来の治療効果が出ません。
なぜ同じ鍼で同じツボを刺しているのに、効果が全然違うのか?皆さんは理由が分かったでしょうか?もっとも大きな原因は、「得気」があるかないかです。
以下は鍼の得気したあとの面白い現象、いろんな患者さんから聞いたのをまとめました。
何千年も経っている間に、鍼の流派もいろいろできたでしょう…
響かない。
痛くならないように刺す針など、そのうちできたかも知れません。
特に日本では、痛くない鍼だとアピールする鍼灸院がありました。おそらく、患者さんが響き、痛いのを嫌っているからでしょう。
問題は、鍼灸の効果があるかないか?です。
流派はどうでも良いので、私の考え方は臨床効果があるのは本物。効果がないのは、ニセモノ!
『傷寒雑病論』研究で有名な劉渡舟先生は、学生さんに教える時に処方箋で怒ったことがありました。
学生さんが劉渡舟先生の処方箋を見て、「これは相当まずそう!患者さんは飲めるのか?」と囁いたら、劉渡舟先生が言うのは、「あなたは病気を治したいのか?もしくは保母さんになって、患者さんに美味しい”料理”を提供したいのか?」
鍼灸は治すのが目的で、リラックスではありません。
響く・痛いけど効果が著しい。様々な病気が治るのが、大昔から伝わった伝統的な鍼灸です。特に痛みを止める時は、ほぼ刺した瞬間に痛みが消え、様々な症状も緩和できます。以下は私の鍼灸症例、参考になると幸いです。
先に説明しますが、
- 正しいツボを刺す。
- 鍼の響きがある。
この2つさえ揃えば、誰でも病気が治せます。私の腕が良くて治せるのではなくて、鍼灸自体がもともとこんな効果がある。
▼乳がん患者の24時間止まらない汗、鍼を刺した瞬間に止まり始めました。もちろん、ほかの諸症状も改善されました。
▼頑固な冷え性、肩こり、むくみ、膝の痛み、花粉症…山ほどの症状を持っている女性の治療例。全部の症状を治すのに、かなり時間がかかったけど、1回だけでも改善できる症状がありました。
▼風邪ぎみで喉に痰が絡んで辛い症状、鍼を刺した瞬間に消えました。
▼お腹のむくみは、鍼を刺した瞬間に減り始めます。
▼目の奥が痛い・重いのは鍼を刺した瞬間に治る。生理痛は鍼を刺した瞬間に消え始めます。
伝統的な鍼は、このくらいの効果があります。
1回で全部治るとは言えないけど、鍼灸は即効性に優れているので、患者さんは体調の変化に気づきます。
ところで、現代の鍼は変質しました。
患者さんのためにと言って、「うちの鍼は痛くない!」とアピールしているけど、前提条件は治療効果があることです。上記の私の鍼治療例、あなたは痛くない鍼で同じ治療効果が出せますか?
痛くないけど、効果もない鍼は、本来の鍼灸ではありません!これこそ本物のプラセボ効果で、人騙しです。
響かない・痛くないのに、効果が著しい。もしこんな鍼灸があったら、まさに夢のような治療法です。私もぜひ習いたいです!
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