こんにちは、李哲です。
アメリカの中医師:鄭智城先生1の漢方薬症例、吃水果吃出来的祸:麻黄附子细辛汤应用几例(三)_郑智城(2012-06-03 発表)を翻訳しました。
果物の食べ過ぎが原因で、全身のむくみ・めまい・気持ち悪いなどの症状がおきますので、皆さん気をつけてください。記事中の処方箋は参考になると幸いです。
果物を食べすぎてめまい・気持ち悪い・全身のむくむ症状が出た
この前、中国の仲いい友人が病気になりました。電話でお願いされたけど、麻黄附子細辛湯で解決しました。以下はその物語。
この友人は退職した人で、体は痩せ型。前回、私が帰ったとき脈診をしたけど、非常に脈が弱くて便通も悪かったです。
今の中国人は金持ちが多いです。彼女も金持ち。退職後はずっと旅行に出かけて、今度はスペインに行ったそうです。 スペインに行ったら、ご当地の果物がとても安いし美味しくて、たくさん食べました。1日で何個も食べる、最高レベルは1日で5個。
結果的に帰国後は体調不良が起きました。
症状はめまい、気持ち悪い、全身のむくみ。
彼女は電話で私のお父さんに詳しい症状を話しました。私のお父さんは、また私と相談したのです。私は彼女の体質など考えて、麻黄附子細辛湯をすすめました。2日分。
2日の麻黄附子細辛湯まおうぶしさいしんとうで全身のむくみが消えた
漢方薬を2日飲んで、彼女から報告がありました。
効果はとても良い。
全身のむくみはだいぶ消えて、少しだけ残っている。
ほかに、風邪みたいな症状が現れた。寒がり、鼻水とくしゃみが出る。これは熱い生薬で体内の寒気が追い出された症状。続けて麻黄附子細辛湯を飲む必要があります。そして、もう2日分を追加。
首こりは1日の桂枝加葛根湯で治った
2日後、もともとあった風邪の症状と全身のむくみは治ったけど、一つ問題が生じました。首がしめつけられる感じで辛い。
私のお父さんは、桂枝加葛根湯を処方しました。中の桂枝は量がとても多かったです。首が辛い症状も、1日飲んだだけで治りました。
汗だく、寝違いを1日の漢方薬で治した
しかし、彼女は2日分を買って、残りがもったいないから全部飲みきって、その後から寝違いしたみたいな症状が現れました。同時にある症状は、少し動くと汗だくになる。
これは葛根を食べ過ぎたのが原因です。
漢方薬がもったいないと思って、飲み過ぎるのはダメです。1日で治るなら、2日目は飲んではいけない。
私のお父さんの処方は、黄耆、竜骨、牡蛎(かきのから)、浮小麦など。中の黄耆は量が多かったです。たくさんの漢方医の処方は、全部10gで量が少ないですね。なぜ10gだけなのか、私は分かりません。
汗だくになる症状も、1日で治りました。
寒がり、陽気が少ない人は、果物を少なめに食べたほうが良い
治療している間、彼女は毎日電話で報告したのですが、この処方箋のあとなんの連絡もなかったです。心配でわざと電話して確認してみたけど、彼女は最後の処方を飲んでからすべて良い。
彼女のお母さんは以前の記事に書いた人。山芋の朝ご飯を食べて急性病気になり、橘皮湯で解決した人です。詳細は以下の記事をご覧ください。
親子の経歴から見ると分かりますが、体質的に陽気が少ない人は、冷える食べ物を食べすぎてはいけません。たとえば野菜・果物。 たくさん食べると、かならず問題が起きます。
李哲の感想
果物は酵素があるからと言って、たくさん取るやり方もあるみたいです。中医学では、果物をたくさん食べるのは、オススメしません。鄭先生が話したように、陽気が少ない人はたくさん食べると体内が冷えるからです。
米、小麦などの穀類。
年寄りが食べても消化しやすいのがオススメです。
野菜は生だと消化するために、体のエネルギーを余分に使う(気を使う)ので、陽気が少ない・寒がりの人は多くのエネルギー消耗します。体に良いとは言えません。過去記事で詳しく討論しているので、読んだことがない方どうぞご覧ください。
漢方薬は「薬」なので、食べ物と違います。
病気がある時は、漢方薬で治療。
普段は一般的な料理で良い。
漢方薬が効くから、残りがもったいなくて全部飲み切ると、ほかのトラブルが起きます。
中医学はバランスをとる医学なので、正常範囲に戻すためには、性質が極端の物が多いです。正常に戻ったのに、また極端のものを飲むと、体調不良になるのは当たり前。幸いにも、ほかの処方箋でもとに戻せる。
ここまで見れば分かりますが、漢方薬は西洋薬と違います。漢方薬は行き過ぎた場合、また漢方薬で戻せるけど、西洋薬はできない。
鎮痛剤飲みすぎて鎮痛剤依存症になった。
抗がん剤で激しい嘔吐、気持ち悪くなった。
この時、西洋医学は解決策がありますか?
中医学と西洋医学は、たくさんの違いがあります。以下の記事で詳しく説明しているので、良かったらご覧ください。
(おわり)
鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。
コメント