高血圧と胃酸逆流が治り、喉に異物感がある感じは減った漢方薬症例

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こんにちは、李哲です。
スタンフォード大学の博士、李宗恩博士1の治療例を翻訳しました。高血圧、脂肪肝、胆石症、長年の胃酸逆流、喉に異物感があるなど様々な症状を同時に改善した例。参考になると幸いです。

賁門損壞,胃酸逆流多年 – 當張仲景遇上史丹佛

(09/18/2013発表)

胃酸逆流、喉に異物感、脂肪肝、肝臓嚢腫、胆石などの症状を抱えている患者

初診は04/05/2013。

56歳の中国人男性、彼の主訴:
胃酸逆流は数年前からあった。
西洋医学の診断は噴門の障害(李哲の説明:日本語ではおそらく「食道裂孔ヘルニア」だというでしょう)、脂肪肝、肝嚢胞かんのうほう、胆石。

喉には異物感があり、緊張するときは空咳が出る。
顔色は黄色、よく口内炎になる。
肛門周辺には裂口があり、以前は痔だった。
高血圧の薬を飲んで、現在は110/80mmHg。薬を飲む前は、130以上/90以上。

唇は少し紫色で黒い。
手掌は6~7年前から赤黒くて黄色い、爪はよく割れて、表側がザラザラしている。

中医学の問診内容と処方箋

以下は問診内容です。

寒熱:お腹が空いたときは手足が冷たくなるけど、体は正常。

汗:汗をかきにくい、運動すると少し汗をかく。

睡眠:夜12時に布団に入って、10分くらいで寝られる。3~4時に尿意で起きて、起床は7時。起床後は倦怠感なし。

食欲:たまにはたくさん食べる。海鮮が好きで、鶏肉が苦手。

便通:朝2回、お昼ごはん後に1回。便は形がある。油っぽいものを食べると下痢する。

尿:2時間に1回。尿が出きってない感じがする。尿には泡がある。

口渇:よく水を飲むことを忘れる。

性機能:正常、朝たちもある。

脉診:尺脈が長い、脈は緩・弱い。
舌診:舌苔は薄い白。
眼診:肝臓の反射区は大きい、穴が見える。脾臓の反射区は小さい。

触診:胆石の圧痛点がある。

処方箋:旋覆花 代赭石 柴胡 郁金 茜草 龍胆草 生半夏 生姜 厚朴 茯苓 紫蘇葉 炒酸棗仁 川芎 知母 炙甘草。

胃酸逆流は8割治って、血圧も安定している

04/22/2013
患者さんの報告:

胃酸が逆流するのは80%治り、痰が喉にある感じ(喉の異物感)は減ったけどまだある。10日も高血圧症の薬を飲んでないけど、血圧は正常値。

脈診:緩、少し遅くて有力。
舌診:少し紫色、舌苔は薄い白。

処方:前回同様

胃酸逆流はだいぶ良くなった、少し便秘気味

2013-5-21
患者さんの報告:

胃酸の逆流はだいぶ良い。食べすぎてちょっと怪しくなる時があるくらい。疲れたときは、右フトモモの外側が張る。便通は1日2回、比較的に硬い便が出る。食欲は落ちている。

脈診:緩、弱、浅い。
舌診:乾いて、舌苔は白。

処方箋:柴胡 郁金 茜草 枳實 五倍子 海金沙 百果 旋覆花 代赭石 川芎 當歸 熟地黃 白芍 酸棗仁 大黃 厚朴 生姜 なつめ。

李哲の感想と解釈

処方箋の解釈

李宗恩博士の処方箋を分析してみます。

1回目と2回目の処方箋は、おおむね旋覆花代赭石湯せんぷくかたいしゃせきとう小柴胡湯しょうさいことう酸棗仁湯さんそうにんとう
3回目の処方箋は、四逆散しぎゃくさん旋覆花代赭石湯せんぷくかたいしゃせきとう四物湯しもつとう酸棗仁湯さんそうにんとう小承気湯しょうじょうきとうの影が見れます。もちろん、各処方箋には重複する生薬があるので、全部の生薬の数はそれほど多くないのです。

李宗恩博士の処方から見ると、胃酸逆流を治す旋覆花代赭石湯せんぷくかたいしゃせきとうと睡眠の質を改善する酸棗仁湯さんそうにんとうが主力になっている感じです。実際の治療効果からみても、効果が現れています。残念ながら次の診察情報がないので、後々の内容が気になるところ。

李宗恩博士の逆流性食道炎の症例は非常に多いです。以下はもう一人の例、参考になると幸いです。

胃酸逆流と高血圧症を治した足つぼ整体・鍼灸の症例

上記の男性患者は、噴門部位の障害だと診断されました。
胃酸逆流がひどくて、噴門が焼かれて穴が空いた場合、西洋医学では制酸剤を飲ませて症状をごまかしているけど、空いた穴はどうすれば治りますか?

胃酸逆流は10数年前から、足つぼ整体でたくさん治しました。
私の経験から見ると、胃酸逆流の患者は食べ物が原因が多いです。たとえばコーヒー、甘いお菓子。みんな胃腸を冷やし、胃酸を増加させるので、逆流性食道炎になるのです。

ダメな食べ物を止めさせてもらって、あとは施術すれば数回で改善もしくは治ります。以下は足つぼ整体の症例、参考になると幸いです。

足つぼ整体は効果的ですが、鍼の場合は同等以上の効果が見えました。以下は2つの症例、参考にしてください。

漢方薬・鍼灸は高血圧・胃腸障害に対して効果バツグンです。
薬を死ぬまで飲みたくない方は、ぜひ試してください。

(おわり)

  1. 李宗恩博士はアメリカ・カリフォルニアの著名な中医師。数々の難病・がん治療で高い臨床効果を出して、中医学の普及のために記事を書か続けて、研修医たちも育てている素晴らしい先生です。李宗恩博士の診療所情報は、以下の記事で説明しているので、どうぞご参考にして下さい。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

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