コロナが治ったのに、匂いだけ戻らない…。
そんな40代女性が、鍼治療と漢方で4ヶ月かけて嗅覚を取り戻し、むしろ以前より敏感になった実例です。
「いつ治るの?」「治し方はあるの?」と不安になる方が多い症状ですが、実際に改善した経過を、時系列で分かりやすくまとめました。
コロナ後の嗅覚障害の症状と経過(40代女性の例)
2024年9月5日。
患者さんは40代の女性、常連さん。
彼女が言うのは、「数日前にコロナになって、カロナールなどの薬を飲んでだいぶ落ち着いたけど、嗅覚が鈍い。匂いがわからないです。昨日まではすごいだるかったけど、今日はだいぶいいです。」
私「鼻声ですけど、鼻づまりはありますか?」
彼女「鼻詰まりもあるし鼻水も出ます。咳も少し出ます。」

鍼治療で鼻詰まり・胸の痛みが改善した理由
状況が分かったので、早速鍼治療を行いました。
合谷、迎香穴は重点中の重点。ほかには公孫、内関などの八会穴、中脘、関元なども刺しました。鼻の周囲の血行を改善しながら、全体的に気の流れを強化する方針。
深呼吸ができないのは、公孫を刺したらすぐ改善。たまに深呼吸する時、胸骨の少し左側が痛いというので、公孫で瀉法を行ったらすぐ消えました。
鍼の即効性が現れた例はたくさんあります。以下はもう一つの症例、参考になると幸いです。
帰る時、彼女は言うのは「さっきの深呼吸したときの痛みは消えて、筋肉痛みたいな痛みが残っています。鍼をしているうちは、鼻がスースー通っていたけど、鍼を抜いたらまた詰まりました。コロナになった最初は咳がすごかったです。」
嗅覚が一瞬戻る現象の意味と改善のサイン
2024年9月10日
彼女の報告:
昨日、一瞬だけ匂いがわかる時があった。他の時は鼻づまりと鼻水でダメ。でも先週よりは鼻水がだいぶ減っている。漢方薬は小青竜湯と麻杏甘石湯を続けて飲んでいる。
小青竜湯と麻杏甘石湯がコロナ治療に応用した例は、ほかにもあります。詳細は以下をご覧ください。
2024年9月19日
彼女の報告:
匂いは日によって徐々にわかるようになってきた。朝になると首の後ろが凝って頭痛が出る。朝が一番ピークで、夕方になると消える。
彼女「これって、コロナの影響ですか?」
私「そうです。まだ残りのコロナがあります。」
今日はうつ伏せで首肩にも鍼をしました。
嗅覚障害が4割改善した時期と併発症状(肋骨痛)
10月4日
彼女の報告:
嗅覚障害は4割治った感じ。
頭痛はもう大丈夫。
左の肋骨下が痛い。特にきっかけはわからない。
痛い場所を指でさしてもらったら、左の章門穴あたりでした。
鍼治療は、章門と公孫で対応。
左肋骨下の痛みは、東洋医学では「章門(しょうもん)」というツボと深く関係します。 コロナ後の不調でよく見られる“脇腹の重だるさ・鈍痛”とも関連があり、今回の患者さんも章門を使った鍼で改善しました。
章門と期門の位置を分かりやすく示した図がこちらです。

章門は「脾・肝・胆」と関係が深く、コロナ後の疲労・肋骨下の痛み・胃腸の弱りに使われる代表的なツボ。コロナ後の嗅覚障害だけでなく、肋骨下の痛みや脇腹の重さが続く方にも有効な治療ポイントです。
10月17
彼女の報告:
嗅覚障害は前より進歩している。
左肋骨下の重い痛みは半分ぐらい消えた。
11月15日
彼女の報告:
嗅覚は1週間単位でよくなってる気がする。進歩は緩いけど、1ヶ月前と比べたらだいぶいい左肋骨下の重い痛みは、もうほぼ消えている。
🔎合わせて読みたい:転倒で左肋骨が痛い50代女性が、鍼2回で違和感まで解消した実例
12月6日
彼女の報告:
嗅覚はまだダメ。
生臭い匂い、臭い匂いが分からない。
私はあと1か月毎週鍼をすることを勧めました。
4ヶ月で嗅覚が完全回復したプロセス
2025年1月28日
彼女の報告:
嗅覚障害が治り、以前よりも匂いが鮮明にわかるようになった。例えば冷蔵庫の匂いとか。主人に確認してもらったら、主人は冷蔵庫の匂いがわからないそうです。
私は笑うしかなかったです。嗅覚障害が治ったのはいいけど、あまりにも敏感になると困りますね。
本日で嗅覚障害の治療が終了。
コロナ後の嗅覚障害は、自然に治るまで時間がかかることが多く、「治し方」を探して来院される方も少なくありません。
去年の9月から今年の1月末まで、だいたい4ヶ月かかりました。毎週1回の鍼治療、だいたい15回ぐらいです。もし週2回のペースだったら、2か月で足りる。
本治療で面白いのは、1週間単位で嗅覚が徐々に戻ってきたこと。一般の鼻炎、鼻詰まりは1回で治るときもあるけど、コロナ後の鼻詰まり・嗅覚障害はだいぶ時間がかかりました。
改善に時間がかかった理由(脈が弱い=エネルギー不足)
彼女の嗅覚障害に時間がかかったのは、彼女の脈が弱いからです。だから私は有酸素運動、例えば水泳、走るなどの運動をすすめしました。彼女も有酸素運動をしてから脈が変わってきたのです。
脈が弱い人を治すとき、本当に大変です。なぜなら「脈が弱い=内臓のエネルギーが足りない」からです。エネルギーがないと修復する力も足りません。
だから皆さん、普段から歩いたり走ったり運動してください。ある日、治療が必要な時、普段からの貯蓄がないと治すのにはめちゃめちゃ時間かかります。
まとめ:コロナ後の嗅覚障害は時間をかければ改善する
- コロナ後の嗅覚障害は、回復まで数ヶ月かかることがある
- 鍼治療と漢方の併用で、1週間単位で少しずつ改善
- 肋骨下の痛みなど、同時に出る不調も一緒に治療できる
- 脈が弱い人は回復に時間がかかるため、日頃の運動が重要
今回の40代女性のように、 「匂いが戻らない…」という不安な状態からでも、確実に改善していきます。
よくある質問(FAQ)
Q. コロナ後の嗅覚障害はどれくらいで治りますか?
A. 個人差がありますが、今回の症例のように数ヶ月かけて徐々に改善するケースが多いです。
Q. 嗅覚が一瞬だけ戻るのは治るサインですか?
A. はい。嗅覚神経が回復し始めているサインとしてよく見られます。
Q. 鍼治療は嗅覚障害にも効果がありますか?
A. 鼻詰まり・頭部の血流改善により、嗅覚の回復を助けるケースがあります。

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