
こんにちは、李哲です。
スタンフォード大学の博士、李宗恩先生1の症例、四年聞不到味道(01/17/2021 発表)を翻訳しました。臭いが分からない(嗅覚障害)女性が、わずか1週間の漢方薬で臭いが分かるようになった内容です。
コロナ、もしくは副鼻腔炎で臭いが分からなくなった方、漢方薬と鍼は一つの有力候補であることを知って下さい。
4年前から嗅覚がなくなって、原因不明だと言われた女性
週末なので簡単な症例を書きます。もちろん、どんな症状であろうと、患者さんにとっては大変ですが。
患者さんは30代の女性。4年前のある朝に目が覚めたら、嗅覚がないことに気づきました。彼女は非常に悩んで耳鼻科医に診てもらったけど、何が原因なのかわかりません。
手術のリスク詳細を教えてくれる耳鼻科医
耳鼻科の先生は副鼻腔手術をすすめたけど、ほかのリスクも説明しました。「手術すると嗅覚が戻るかもしれない。でも副鼻腔のつまりが原因なのかは、まだ完全に分かっていません。手術した場合は傷口が残る、手術しても効果がない場合など、十分なリスクを把握した上に決めてほしいです。」
患者さんはハイリスクの話を聞いてから、もちろん手術してなくて、ダラダラと今に至りました。嗅覚は相変わらず戻っていません。
中医学の診断と処方
患者さんの予約した時、診療所のスタッフたちは新型コロナとの関連性を危惧して、ほかの患者さんの健康を守るためにオンライン診察だけ受け付けました。
初診のとき、患者さんを見て私が下した診断は、ただの寒気と湿気の集まり。西洋医学の手術を受けて改善するかもしれませんが、中医学は手術しなくても同じ効果が出ます。また、患者さんは新型コロナではないので、次回は直接診療所に来てもらうことになりました。
では、どうやって治療するのか?
葛根、白芷でほかの生薬を頭まで導く。同時に良い水を汲んできて、悪い水を下に排出。茯苓、白朮、蒼朮で水の流れを良くして、辛夷、石菖蒲で鼻を開ける。また、患者さんの上記によって少しの加工したトリカブトを入れて中下焦の寒湿を取り除く。便通を良くする生薬も入れました。
わずか1週間で、においが分かるようになった
1週間後、患者さんは再診察に来ました。マスクをかけたので一瞬誰かが分からなかったです。患者さんが言うのは、「においが分かるようになりました。まだ完全に正常ではないけど、4年間嗅覚がなかったから大進歩です」
漢方薬以外に針を併用すると効果が高いので、患者さんは鍼治療を受けることにしました。針をしたのは合谷穴、迎香穴透内迎香穴。嗅覚は近いうち回復すると思います。顔にメスを入れる苦痛とハイリスクを避ける事もできます。
責任感がある先生で患者さんが助かる
中医学と西洋医学の理論は違うけど、患者さんに対する責任感は同じです。患者さんにアドバイスしてくれた病院の先生は良心的な人でした。患者さんには副鼻腔手術が必要だと判断しているけど、リスクも細かく説明しています。
たくさんの西洋医学の先生は、現代医学の力不足を認めていて、ほかの治療方法への寛容と開明な態度を示しています。
最近治療した患者さんは血色素が5gm/dl(女性の正常値は11.0~16.0gm/dl)。彼女の主治医はビックリして、大量の補血する栄養剤を出して、緊急輸血の手も考えました。しかし、患者さんは漢方薬を1~2週間飲んだあと、血色素が正常値に戻りました。
患者さんが漢方薬を飲んでいる話をしたら主治医は驚いた結果、当院の連絡先を要求して、今後は似ている患者さんを紹介すると言っています。
責任感がない先生たちもいる
上記の先生と違って、「俺たちはすべて把握している」という頑固な西洋医学の先生もいます。数日前、スタンフォード大学医学部の教授が私に電子メールをくれました。内容を簡単にいうと、ほかの医学部教授が、新型コロナワクチンの危険性を否定するニュースをbullshitだと言っています。
その教授は自分の高齢者親に打たせただけではなくて、ほかの高齢者にも強力にすすめていたのです。ところで、昨日スウェーデン政府が公開したのは、23人の高齢者がコロナワクチン接種後に死亡。まだ調査中だというけど、関連性があるのは必然。
上記の教授は非常に自負して責任感がない人です。現在、どの医学専門家でも新型コロナワクチンが100%安全だと保証できません。
責任感がある先生は、患者さんにワクチン接種のメリット・デメリットと潜在的なリスクを話すべきです。自分が習った知識が限られれているのに、自己主張だけが強くて、「俺は医師だ。健康に関してはもっと詳しく知っている。だから、あなたは俺の話を聞くべき!」と患者さんを強制的に誘導してはいけません。
李哲の感想
李宗恩博士の処方箋は、副鼻腔炎・花粉症を治すものが基盤になっています。鼻奥、気道、気管支の老廃物を除去することで、肺の機能が深部から表までちゃんと届いて、嗅覚が戻ってきたのです。
私も今まで嗅覚障害の患者さんを何人も治療しました。副鼻腔炎・花粉症を治すツボとほぼ同じです。合谷穴、迎香透内迎香は基本。ほかには痰を減らす豊隆、中脘、足三里なども補助として刺します。
1番早い人は1回で治ったけど、一年以上かかった人もいます。なぜこんな差が出るのか?簡単に言うと、あなたが手術さえしてなければ、鼻詰まり・嗅覚障害は短期間で治せます。一旦手術した場合は、1年くらいかかるかも知れません。以下は2つの症例、参考になると幸いです。
コロナになってから嗅覚障害で苦しむ話は何度も見ました。
私個人の見解ですが、コロナになっても治療してなければ嗅覚障害にはならない。一旦市販薬もしくは病院の薬・点滴治療など受けたあとは、嗅覚障害になる可能性が高くなります。言い換えると、自然条件では嗅覚障害にならないけど、西洋薬の副作用で肺が傷つき、嗅覚障害になる。つまり、嗅覚障害は人為的に作られた病気。
また、現在女性に溢れる甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症も人為的に作られた病気。西洋薬の普及がなかったら、こんな病気で苦しむ女性もいないはずです。詳細はニハイシャ先生2の小論文をご覧ください。
人為的に作られた病気ですら漢方薬・鍼で治せるから、自然発生の病気はなおさら問題ない。
あなたがコロナであろうとコロナ後遺症であろうと、臭いが分からない・味覚が分からない場合は漢方薬と鍼を先に試すべきです。ダメだったら、西洋医学の手術を受けるのも良いのではないでしょうか?
順番を逆にして、先に手術を受ける。その後に漢方薬、鍼治療を受けた場合は、思ったほどの効果が出ません。ひょっとしたら、10倍以上の治療期間がかかるかもしれません。だから順番を逆にしないでください。
ダメな理由は以下の記事で説明しました。参考になると幸いです。
(おわり)
李宗恩博士はアメリカ・カリフォルニアの著名な中医師。数々の難病・がん治療で高い臨床効果を出して、中医学の普及のために記事を書か続けて、研修医たちも育てている素晴らしい先生です。李宗恩博士の診療所情報は、以下の記事で説明しているので、どうぞご参考にして下さい。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)
↩︎倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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