
こんにちは、李哲です。
中国・河北省石家荘市の有能な女医、張静中医師1の漢方薬治療例、小腿溃烂的问题终于解决(2020年07月07日発表 )を翻訳しました。足の爛れがひどい患者さんたちへ、参考になると幸いです。
初診時の状態:歩けないほどの重症下腿潰瘍
94歳のおばあちゃん、去年から足がただれました。遠く離れた蘇州にいるので、直接治療に来ることができません。
私の1人の友人は、おばあちゃんに私を薦めました。当時、私がいろいろ心配したのは、おばあちゃんが年だし、直接見れないから遠慮が多かったです。私の友人は焦ってました。なぜなら、おばあちゃんの足の傷口はひどくて、歩くことすらできないから。
関連記事:先天性梅毒、足裏の傷口で歩けない子供を一晩で治した例
第1段階:爪を使った驚異の外用漢方薬で片足完治
私は足の漢方薬湿布で試すことにしました。 この貼る漢方薬は、たくさんの爪が要ります。ほかの生薬は探しやすいけど、爪だけはダメです。たくさん集めても測ると大した重さにはならない。
友だちにSOSを出して、たくさんの人が爪を送ってくれました。ここで皆さんに感謝を伝えます。
貼る漢方薬を数ヶ月使ってから、ひどい足のただれは治りました。

94歳の足がドロドロに溶けた…閲覧注意の重症写真と漢方完治の全経過
※治療前の重症写真は掲載していますが、完治後の写真は患者様のプライバシー保護のため公開しておりません。
グロテスクなので、閲覧注意!

第2段階:反対の足が全身爛れ…湿熱+体内問題を煎じ薬で攻略
しかし、数ヶ月後に反対側の足にもただれが始まりした。最初は一部だけだったけど、すぐ全部の足に広がり、毎回送ってきた画像は見ただけで恐怖を感じます。
グロテスクなので閲覧注意

電話で問診したら、住居は湿気っぽくないので、体内の問題だと判断し煎じ薬が必要だと感じました。
問診で分かるのは、心臓病はない。食欲と睡眠と便通は良好、だるさがあるそうです。最初の処方箋は芍薬、甘草、升麻。20日分。
最初の10日は治りが早かったです。たくさんの黄色い滲出液が出たところは縮まり始め、古い角質は落ち始めて、新しい肉が再生されたところは痒くて痛くなりました。そして、食欲不振があるそうです。

使用した主な漢方処方と変遷
2回目の処方箋は、以下の通り。「桂枝去芍薬加蜀漆竜骨牡蛎湯」をアレンジ。桂枝、生姜、なつめ、炙甘草、常山、竜骨、牡蛎、蒼朮、茯苓。
20日間飲んでから、ただれは大範囲で治りました。脱皮もしない。滲出液も出ないで、皮膚が完全に戻りました。しかし、また新しい問題が出たのです。
- 倦怠感が強くて力が出ない
- いつも疲れた感じ
- 歩けない
- コケる
- 頻尿
おばあちゃんは足が治ったと言うけど、私は心配なので処方箋を以下のように変えました。加工した附子(トリカブト)、白朮、人参、連翘(レンキョウ)。30日分。
1ヶ月後、歩いてもコケない。食べる量が増えたけど、夜間頻尿で2時間に1回トイレにこもる。
最後は、気血を補う処方「新加湯」をアレンジして、夜間頻尿にピリオドを打つことにしました。桂枝、芍薬、生姜、人参、炙甘草、なつめ、細辛、烏薬。10日分。

漢方処方のまとめ表
| 段階 | 時期・主症状 | 処方名・主な生薬 | 期間 | 主な効果・変化 |
| 外用薬 (第0段階) | 片足が広範囲に腐敗 歩行不能 | 爪を大量に含む貼り薬 (詳細処方非公開) | 数ヶ月 | 片足が完全に治癒 |
| 第1段階 (初回煎じ薬) | 反対側の足が全身爛れ 黄色滲出液大量 | 芍薬・甘草・升麻 | 20日分 | 10日で滲出液減少・新肉再生開始 →食欲低下出現 |
| 第2段階 | 湿熱+体内問題 | 桂枝去芍薬加蜀漆竜骨牡蛎湯 加減方 桂枝・生姜・大棗・炙甘草・常山・ 竜骨・牡蛎・蒼朮・茯苓 | 20日分 | 皮膚がほぼ完全に再生 滲出液・脱皮消失 →倦怠感・転倒・頻尿が出現 |
| 第3段階 | 気力低下・転倒・頻尿 | 加工附子・白朮・人参・連翹 | 30日分 | 歩行安定・食欲回復 夜間頻尿は残存 |
| 最終段階 | 夜間頻尿の仕上げ | 新加湯加減方 桂枝・芍薬・生姜・人参・炙甘草・ 大棗・細辛・烏薬 | 10日分 | 夜間頻尿完全消失 94歳で完全回復 |
※附子(トリカブト)は毒性が非常に強いため、必ず専門医による高度な加工が必要です。自己判断・市販品の使用は絶対に避けてください。
おわりに
私たちの診療所では、この治療例を討論したことがあります。94歳なのに、皮膚の再生能力がこんなに強いのが、本当にビックリ。
※爪に関する世間話の翻訳は省略
(本文は以上)
【中医師が解説】なぜこの処方で94歳の腐った足が再生したのか
以下からは李哲の解釈と説明になります。
西洋医学なら即・切断レベルだった現実
上記の画像を見て、私も背中がゾッとしました。ここまでひどい足のただれを漢方薬で治せたのはすごい!そして、94歳なのに治るのは、人間の自己治癒力はすごいものだと感服しました。
病院に行ったらどうでしょう…おそらく、足の切断になるでしょう。しかし、患者さんは94歳!手術を受ける体力なんかありません。ひょっとしたら、手術する途中で死んでしまいます。だから、中国語には「手術は成功したけど、患者さんは死んだ」という笑い話があるわけです。
西洋医学で足の切断をすすめるのは、だいたい凍傷、糖尿病性壊疽、ケガでの壊疽…以下は糖尿病患者の症例。足の傷口が治り、切断する必要もなくなりました。

処方した漢方薬の解釈
簡単に上記の処方を分析します。
「新加湯」と「桂枝去芍薬加蜀漆竜骨牡蛎湯」。この2つは「桂枝湯」をもとにした『傷寒雑病論』の処方です。なぜ上記の処方箋を使ったのか、張静先生は意図を説明していません。張静先生は明言していませんが、傷の様子から傷寒論の火傷様病変と考えて桂枝去芍薬加蜀漆牡蛎竜骨湯を選んだと推察されます。
爪に関する貼薬も説明が少なくて、どんな物か分かりません。一点だけ確認できるのは、上記のようなひどい足のただれでも漢方薬で治せる。
漢方薬には皮膚・筋肉を再生させる生薬がたくさんあります。例えば黄耆(おうぎ)、乳香(にゅうこう)、血竭(けっけつ)、紫草(漢方薬の紫雲膏に入っている生薬)…
血竭(けっけつ)の別名は面白いですね。「麒麟血」だとも言いますが、中国の昔は麒麟は伝説の動物で、誰も見たことがないのに、麒麟の血という奇妙な名付け(笑)
乳がん、蜂窩織炎で皮膚が腐敗したのを治した例
冗談話は置いといて、印象に残っている翻訳文を2つ貼りました。参考にしてください。
①抗生物質で治せたところか、どんどんひどくなり、最後は漢方薬だけで治した例。
🔗死にかけた蜂窩織炎(足がただれて痒い)、動悸を漢方薬で治した例
②乳癌の患部が腐ったのが漢方薬で新しい筋肉・皮膚が再生してきた例。西洋医学の治療では絶対に無理です。乳癌で胸が腐った場合、腐った肉を刳って取るだけです。
🔗西洋医学治療後の花咲乳がんの恐怖!皮膚潰瘍から漢方薬で新肉再生の奇跡【画像比較】
皮膚のただれを治した鍼灸症例
私はここまでひどい爛れる患者さんを診たことありません。貨幣状湿疹の治療はしたことあるけど、爛れる範囲は明らかに小さい方でした。手足がただれて痒い貨幣状湿疹の鍼治療例は、以下をご覧ください。
同じような足の爛れで悩んでいる方へ
基本的に皮膚がただれて痒いのは、湿気が主な元凶で、その次は熱毒です。中医学では「湿熱証」だと言います。もちろん、100%の患者は湿熱証だとは限らない。「寒湿証」もあるので、臨床では弁証が必要です。
皮膚がただれて治らない方は、ぜひ信頼できる漢方医・鍼灸医に診てもらってください。
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張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

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