上半身は健康そのもの。
なのに下半身だけが異常に腫れ上がり、腹部は立つと地面に届きそうなほど垂れ下がる──。
西洋医学でも原因不明とされた「腎著病」の患者を、ニハイシャ先生がどのように診断し、どの経方で改善へ導いたのか。
※中医学の第一人者、アメリカの著名な中医師、倪海厦(ニハイシャ)先生1の症例:腎著病(12/04/2005)を李哲が完全翻訳しました。
私が診た中で1番ひどい腎著病
11/25/2005に来た患者、12/01に再診に来ました。私はこの患者を、フロリダ州で開業した私の生徒さんに引き継いで治療してもらうつもりです。
だからこそこの生徒さんに、私が心の中で何を考えているか、もっと知ってもらう必要がある。これで彼女は私の仕事を続けることができます。
この患者は、私が生涯で見た中で一番ひどい腎著病です。
腎著病の記載と症状
腎著病とは|下半身だけ異常に腫れる原因不明の難病
この病は『金匱・五臟風寒積聚病脈症篇』に記載されてあり、病名は「腎著病」といいます。主な症状は、上半身はすべて正常で食欲正常、話す力もあり、手にも力があり、すべてが健康な人の状態。脈もまた胃気が非常に充実して、腎脈がやや虚大であるだけです。
しかし下半身は非常に人を驚かせるもの。患者が車椅子に座っているとき、座ったままウエストを量れば140インチ以上。立ち上がって量ると、彼女のお腹は臌脹して地面に近づくほど垂れ下がり、一般的なウエストを量るメジャーでは半分くらいしか量れない。
両足は非常にむくんで、足の皮膚はすでに青黒色を呈し、たくさんの脱皮した皮膚組織があり、爪はすでに腐爛している。
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西洋医学では原因不明、利尿剤を出しても効果無し
彼女は聡敏な人ではないため、両眼に力がないのは病気が重い状態ではなく、比較的愚かな類の人の眼力です。
初診時、彼女自身も身体の症状をはっきり言えなくて、ただ大小便は正常であると言いました。そして西洋医学が彼女に話した言葉、すなわち現在まで彼女が一体何の病を得ているのかは原因不明である。でも癌ではないことは確定して、ただ利尿剤を処方するしかない。
しかし、利尿剤でも彼女のお腹の腫れと足のむくみを治せてない。
この病はすでに発生して約2年、毎日お腹がどんどん大きくなるだけで、今日までいろんな医師に診てもらったけど治ってない。
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最初の漢方治療で10ポンド減ったが、本人は変化を説明できない
彼女は友人から私のことを聞いて来ました。この病はもし腎著湯だけで治そうとすれば、絶対に卵で石に投げると同じで、全く効果がありません。
今日の再診時、彼女はようやく無意識のうちに便秘が時にひどいと言いました。私が処方した一週間の薬を飲み終えた後、彼女は自分で一切何も変わっていないと言いました。しかし彼女は10ポンド減っていたのです。
彼女言うのは「身体のどこが変わったのか、先生にどう言えばいいのか分かりません。でも、必ずどこかが効いています。なぜならこの一週は、この2年以来初めて体重が下がったからです。」
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症状を説明できない理由と、師姐への注意
問診が難しい患者の特徴と、治療の障害
彼女は依然と同じで、自分の症状を完全に述べることができません。私は思うのは以下の原因があります。
- この人は本来あまり聡明ではない。
- 病歴が長すぎて、身体の症状はすでに彼女の関心事ではなくなっている。
彼女は自分が進歩したことは分かっているけど、その理由が言えない。先週私は大黄甘遂湯を1回分だけ処方し、彼女に服用後の感覚を尋ねましたが、このような劇薬を服用した後でも彼女は何も言えず、下痢もなく嘔吐もなかったそうです。
私は彼女にまるで「木を見て森を見ず」のようにさせられ、必死に考えることになりました。

過剰な同情心は臨床で禁忌|治療者が陥りやすい落とし穴
現在彼女の治療をしている生徒さんは、頭から足までただ四つの字で形容できる本性は、「慈悲すぎる」です。彼女は仏様をするのはいいけど、医師をするのは心が慈悲すぎてはいけない。
慈悲は対象を見て行うべきです。
慈悲を乱用すると、患者と先生の関係においてしばしば過度の善良が逆效果を生みます。
彼女は病人を車に送る時、車のドアがボロボロであるのを見て、すぐに涙を落としそうになり、「この人は病気以外にまた貧しい」と言ってきました。
彼女はもちろん間違ってはいないです。しかし彼女は中国古来のことわざを理解していない。
「可憐之人、必有可恨之處」。
(李哲の直訳:かわいそうに見える人は、必ず憎たらしい弱点・原因がある)
義援金の扱いと、患者心理の難しさ
私は患者の状況を確定したもとでのみ、義援金を使います。そうでなければ、この金はかわいそうでありながら憎たらしい人まで使い尽くされ、再び本当にかわいそうな人に出会って助けたい時に金が無くなったらどうしますか?
さらに使用が不適切であれば、助けを受けた患者が恩恵を知らないばかりか、あなたが廉価な薬で彼を追い払ったと疑い、医師に誤った情報を告げ、医師の判断を誤導する。
これらは過去に何度も発生したことであり、私はすでに教訓を学んでいます。だから現在外部にはこの義援金の存在を誰も知らない。

この金は「備急」使用です。私は彼女が患者のために金を払うのではないかと非常に心配しています。なぜなら真逆の效果を得る可能性があり、結果として患者はあなたに感謝しないばかりか、あなたがもう金を出さないことを責め、最終的には患者が命を失うことにもなりかねない。
これは最も処理が難しい部分である。病気治療は難しくない、ただ方法を見つければ治せます。
だから私はここで先に生徒さんの彼女に注意を促すのです。慈悲によって禍を生まぬように。
腎著病に必要な薬物|硫黄・附子・芒硝・大黄の重要性
この人は硫黄を二両以上使用する必要があるかもしれないし、生附子も芒硝も大黄も同様です。
私がこれらの薬を言う理由は、温病派の先生は一生涯これらを使用しないからです。しかし腎著病は、上記の生薬なしでは治せない。

これらの薬はすべて劇薬であり、絶対の把握がなければ誰もあえて使いません。これこそが私が経方を提唱する理由であります。
もし温病派の医師が着手して治療したいのであれば、私は非常に歓迎し、すぐに紹介します。
しかし、もしあなたたちがまた「この病気は西洋医学を主とし、中医額はただ補助であるべきだ」と言うなら、この患者はすでに西洋医学により「無治」と宣告されています。彼女をどこに行ったら良いですか?
中国伝統文化と経方を世界に広めたい願い
私は早年アメリカに移民した時、ただ一つの想いがありました。
それは中国伝統文化を世界に光耀し、世界各国が中国人と友たちになることを誇りに思うようにすることです。
経方で骨癌患者を治した医師の話
ニュージーランドに移民した中国大陸出身の中医師がいます。彼は非常に智慧があり、私のウェブページを読み終えただけで、私が秘密を隠してないで、ずっと経方の使用方法を伝授していることを理解しました。
彼は最近、経方を利用して2週間のうちに、一人の全身関節痛と腫れを治したと言ってました。そして事後に、その患者が骨癌であったことを告げられました。
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彼は今、中医額の辨症論治の法則を理解し、温病派からすでに経方派へと転じました。彼はさらに周囲の中医師たちに経方を使用するよう説得し続けています。
もし皆がそうであれば、中医額がどうして強くならないことがあろうか、どうして人に信服されないことがあろうか。
温病派と経方派の争いは終わらせるべき
温病派と経方派の争いは、すでに1千年を禍害してきました。
温病派の中医よ、目覚めてください。
皆は友であって敵ではない。
私の目的はただ一つ、危難の中から人を救うこと。
なぜなら経方だけが本当に疾病と一決生死できるのであり、温病派の処方では重病に対抗できないからです。
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経方を学ぶ医師へのメッセージ
私は本当にすべての良い症例を彼にFAXで送りたいと思っていましたけど、なかなか送ることができない。この良医がこれほど心を込めて経方家を志しているのに、私はどうして秘して伝えないことがあるでしょうか。
温病派の処方を放棄して経方を使用する中医師であれば、私はできる限り私の知識をあなたたちに伝授します。そうすれば我々中医師は世界に知られる良医となり、世の中の人もまたこれによって救われるででしょう。(続く)
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倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

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