
こんにちは、李哲です。
中国河北省石家荘市の女医、張静先生の症例:月经45天不止(2025-3-20発表)を翻訳しました。
生理が終わらないのをどんな漢方薬で治したのか、参考になると幸いです。また、無理やり止血してはいけないことも覚えてください。
患者の背景と初診時の状況
患者は1979年生まれの女性で、生理が45日間続いて止まる気配がない。彼女の妹が石家庄でよく当院に通っています。妹の勧めで患者は北京から石家庄まで新幹線で来ました。
初診時、患者の顔色はやや青白く、眼瞼を診察したところ明らかな貧血。軽度の倦怠感とめまいがありましたが、本人はまだ耐えられると感じていました。しかし、生理が止まらないことに強い不安を抱いていました。

生理が終わらないのは瘀血が原因
脈は弱く、脈と症状が一致していました。私は彼女に、体内の瘀血が原因で出血が止まらないと説明。治療として、さらに攻める(積極的な治療を行う)必要があることを伝えました。
その場合、出血量が一時的に増える可能性が高いものの、2~3日で済み、その後病状が改善するだろうと伝えました。一方、出血量が増えない場合は、病気が治らず、次の生理が来るまで漢方薬を飲み続ける必要があるとも説明しました。
患者は私の説明を聞いたようでしたが、完全に理解できていない様子で、「何日で止血できますか?」と質問しました。私は「それは瘀血が排出される時間次第です」と答えました。

初回処方と経過
以下の処方を7日分出しました:
- 黄酒(適量)
- 当帰
- 川芎
- 白芍
- 熟地
- 炙甘草
- 干姜
- 阿膠
- 紅花
- 丹皮

数日後、経血量が増え、黒い血塊が排出されました。しかし、その後すぐには止血せず、さらに7日分の同じ処方を続けました。
治療期間中、彼女は他人が「XX薬」を飲んで止血したという話を聞きつけ、それを試したいと私に相談してきました。私は「そのような止血薬は絶対に飲まないでください。止血がいつ起こるかは保証できませんが、その薬を飲めば出血が止まらなくなることは確実です」と強く警告しました。これを聞いて、彼女は止血薬を飲む考えを捨てたのです。

出血は止まり、正常な生理になった
出血期間が長すぎたため、止血後も後期の調整が必要でした。そこで、前回の処方から活血化瘀(血流を活性化し瘀血を除去する)の薬を取り除き、10日間服用を続けました。
その後数日して彼女から「また出血した」と連絡がありましたが、私は「これは本当の生理です」と説明しました。それまでの出血は異常なもので、正常な生理ではなかったのです。
今回の治療で調整がうまくいき、生理周期が元の正常な状態に戻ったのです。今回の生理は通常の周期で終了し、彼女は「体外受精」を考えていると私に話しました。私は「まず内臓を整えましょう。自然にできれば一番良いですが。体外受精をする場合も、漢方薬のおかげで成功率が上がりますよ」とアドバイスしました。

李哲の説明
生理が終わらない原因が瘀血。その場合、無理やり止血すると、体内に瘀血が残ったまま。さらなる問題を引き起こす可能性があります。だから、張静先生は強く反対したのです。もちろん、出血しすぎて意識不明になったら、緊急止血するかも知れませんが、一般的に中医学は止血作用が強い生薬を使わない。
緊急止血の症例は、以下の翻訳文が参考になります。

張静先生の処方箋を分析してみます。
- 補血作用がメインの四物湯をベースに、瘀血除去(紅花・丹皮)+止血(阿膠)+温陽(干姜)+調和(炙甘草)を加えたもの。
- 婦人科の「血虚+瘀血+寒証」に対して、攻めと補いを両立した処方。
最初は攻め+補いの戦略で、途中で瘀血除去の生薬を削除しました。最終的には治療が成功。
体外受精に関して少し話します。
五臓六腑を強化しないと、卵子と精子の質が悪くて、体外受精が成功しても育ちません。詳細は以下の翻訳文をご覧ください。
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