虫垂結石の漢方薬治療:5日の大黄牡丹皮湯で治した例

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こんにちは、李哲です。
中国河南省石家荘市の女医、張静中医師1の症例、阑尾粪石(2024年11月15日  発表)を翻訳しました。虫垂炎、もしくは虫垂結石症に対して西洋医学は手術のみですが、漢方薬の大黄牡丹皮湯だいおうぼたんぴとうも効果抜群であることを知ってください。


一人の女性患者さん、右側のお腹の痛みで病院の検査をしたら虫垂結石症。彼女は手術したくないので 漢方薬治療に来ました。彼女の痛みはすでに半年以上続いてます。

人間の体は本当に人それぞれです。ある人たちは虫垂の痛みで死にそうになるのに、彼女は最初感覚がなくて、自分が便秘気味だからお腹が痛くなったと思ったそうです。

細かい検査をしたら、腹部は発熱はありません。時間が半年も経ってるけど、大黄牡丹皮湯だいおうぼたんぴとうの適応症であるのが確認できます。

李哲の説明:
腹部の発熱があるときは、腹膜炎だと判断できます。その時の漢方薬は違う。大黄牡丹皮湯だいおうぼたんぴとうの適応症は虫垂炎、もしくは虫垂結石症。張先生の症例には何度も登場している漢方薬です。以下は一つの症例、参考になると幸いです。

鍼一回で急性の腹痛が治り、大黄牡丹皮湯を飲んでから虫垂炎は完治

私「漢方薬を飲んだ後は下痢になりますけど大丈夫ですか?」
彼女「 大丈夫です。私は小さい時から便秘で、便を出すためによく冷たいものを食べているけど、下痢になりません。」

1日目は何の反応もなかったです、彼女はwechatで「なぜ下痢になってないでしょうか ?」と質問しました。2日目は「漢方薬を間違えてないですか?ずっと期待した下痢にはなってません」

李哲の説明:
大黄牡丹皮湯だいおうぼたんぴとうの中には大黄が入っているので、一般的には下痢になります。最初の2日飲んでも下痢になってないのは、つまりがひどい(虫垂の結石症が頑固)ことを示します。ただし、飲み続ければ必ず下痢になる。以下はほかの中医師の症例、参考にしてください。

急性虫垂炎で話もできない女性:1回の鍼で激しい痛みが減り、3日の漢方薬でほぼ治った

5日目になって彼女が来て話したのは、「まだ何袋か残ってるいるけど怖くて飲めないです。1日最大5回も下痢になって外出も怖くてできないです。」

私「黒い泥みたいな便は出てないですか?
彼女「見ていません、出た後はすぐ流しました。本当に臭かったです。

李哲の説明:
この質問で分かりますが、大黄牡丹皮湯だいおうぼたんぴとうを飲んだあとは黒い便が出ます。黒い便は宿便を示すときが多いです。臭かった記述から見ると、そうとう時間が経った宿便です。

ところで、最初から黒い便が出るときはどんな状況なのか?宿便というより、胃腸の出血で排出されたときは黒い便になるのが多い。このときは胃腸の陽気を強化して、止血しないといけない。もちろん、出血し続ける場合は鍼1回で治せません。数回か数十回でやっと治る。以下は一つの鍼治療例、参考にしてください。

黒い便(下痢)、手足の冷え性は鍼1回で改善されたけど、2日後にはまたもとに戻る

マックバーニー点(McBurney点)をチェックしたけど反応がありません。だから彼女に話しました。「病院に行って検査していいですよ。今は治ってるはずです。」
そして彼女は検査に行きました。やっぱり治っていたのです。

その後、彼女の友達が虫垂炎になったら、彼女はみんなに漢方薬を勧めました。そして飲んだ後は必ず下痢になるなどなど、私が伝えるよりも詳しいです。

李哲の説明:
虫垂炎には慢性と急性があります。急性は簡単にいうと、患者さんが痛くて死にそうになる。慢性はそこまで痛くない。ただし、長期間痛みに苦しみます。以下のニハイシャ先生2の症例に出た患者さんは15年も痛みに耐えた人がいました。ブラックユーモアですが、西洋医学は原因不明だと診断。中医学治療がなかったら、あと何年痛みを我慢すれば良いでしょうか?

3回の鍼で関節痛がだいぶ良くなった患者と、モルヒネ投与で2年後に死亡した患者。長年の頭痛が鍼1回で治った女性。慢性虫垂炎は中医学で簡単に治せる。

虫垂炎だと言われたら、何でもかんでも大黄牡丹皮湯だいおうぼたんぴとうだと思わないでください。必ず急性か慢性かを確認してから、関連の漢方薬を飲んでやっと効果が出ます。

鍼の場合は急性であろうと慢性であろうと、治すツボは同じです。以下は一つの鍼治療例、参考になると幸いです。

虫垂炎と胆嚢炎が原因の腹痛・口の中が苦い・視力低下で見づらい・粘液便は鍼4回で治り、ついでに朝たち回数も増えた例。

(おわり)

  1. 張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

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  2. 倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

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