こんにちは、李哲です。
男性に多い前立腺肥大や前立腺炎による「足のつけねの痛み」や「頻尿」「残尿感」を、鍼と漢方薬で改善した症例をご紹介します。
初診:足のつけねの痛みと複数の不調
2024年8月28日、患者さんは30代の男性。
以前の記事(こちら)でも触れたことがあります。
主な症状は、左側の足のつけねに近い下腹部の違和感と痛み。病院で検査を受けたところ、前立腺の問題と診断されました。忙しくて鍼治療を受けられず、病院の薬を服用していたものの、お酒を1杯飲んだだけで足のつけねの違和感が再発。さらに、歯の痛みや肩の痛み(美容師としての職業病)も訴えていました。
この日、鍼治療では二間(瀉法)、後渓(瀉法)、外関(瀉法)、中極、帰来などのツボを使用しました。
歯の痛み解消も足のつけねの違和感は残る
2024年9月5日、患者さんの報告:
– 歯の痛みは完治。
– 左の足のつけねの違和感と痛みは残り、左腰にも重い痛みが。
– 右肩の痛みも継続。
歯のトラブル(痛み、かゆみ、しみる感覚、出血など)はよく耳にしますが、鍼でついでに改善した例も多いです。参考症例はこちら。
鍼3回で足のつけねの違和感と残尿感が改善
9月13日、患者さんの報告:
– 鍼を3回受けただけで、足のつけねの違和感や残尿感が解消。「鍼ってこんなに早いの?」と笑っていました。
– 皮膚の乾燥は軽減したものの、まだ残る。
一時的な再発と肌の乾燥の持続
9月25日、患者さんの報告:
前回、お腹のツボを1つ刺し忘れた影響か、足のつけねの痛みが少し再発。肌の乾燥も継続。乾燥肌の症露骨に言ってました症例はこちらを参考にしてください。
ふくらはぎのかゆみへの対応
10月2日、患者さんの報告:
右ふくらはぎに大きな斑点とかゆみが出現。私が見たところ結節性紅斑の可能性を感じましたが、病院での診断はないため推測です。この日は刺絡療法を行い、黒い血を少し排出。結節性紅斑の症例はこちら(血の画像あり、苦手な方はご注意ください)。
足のつけねの痛みがほぼ消失、頭皮のかゆみも改善
11月6日、患者さんの報告:
– 左の足のつけねの違和感と痛みがほぼ消失。
– 八味地黄丸を4箱目服用中。
– 右肩の痛みは姿勢や角度で強いまま。
– 右アキレス腱の乾癬(?)のかゆみが軽減。当帰飲子を飲み始めてから、頭皮のかゆみが不思議と治ったとのこと。
頭皮のかゆみ改善の症例はこちらをご覧ください。
頻尿・残尿感が完治、肩の痛みは残る
11月21日、患者さんの報告:
– 足のつけねの違和感、痛み、頻尿、残尿感が完治。以前は酒1杯で悪化した症状が、4杯飲んでも問題なし。ただし、辛い物を食べると違和感が強まるため控えている。
– 右肩の痛みは良くなったり悪くなったり。
この日で回数券が終了し、治療を終了しました。
患者さんの声
治療終了時、彼はこう話しました。
「病院では『この薬をずっと飲む必要がある』と言われました。ふざけるなよ!死ぬまで飲むつもりかよ!鍼に変えて正解でした。最初の3回で劇的に良くなり、その後も鍼を続けて足のつけねの痛みや違和感がほぼ消えました。」
唯一、右肩の痛みが完治しなかったのは残念です。職業病も影響していますが、私の技術不足も否めません。肩の痛み改善の症例はこちらで紹介しています。
治療の振り返りと効果の理由
足のつけねの痛みや違和感で病院を受診し、前立腺の問題と診断。薬を飲んでも再発し、鍼治療と八味地黄丸を選択。八味地黄丸が前立腺に効く理由はこちら。
鍼3回で症状が落ち着き、継続治療で安定。お酒を飲んでも再発せず、約3ヶ月で卒業しました。
鍼と漢方薬の効果メカニズム
なぜ鍼が足のつけねの痛みや頻尿に効くのか?鍼はツボを刺激することで血流を改善し、炎症を抑え、前立腺周辺の緊張を緩和します。特に中極や帰来は下腹部の気血の流れを整える効果が期待できます。一方、八味地黄丸は腎機能を高め、尿トラブルを根本から改善。
生活改善の影響
治療中、彼はお酒や辛い物を控えるようになり、生活習慣の見直しも症状改善に寄与したようです。鍼と漢方薬は薬に頼らず自然治癒力を引き出すため、副作用の心配が少ないのも魅力です。
病院の薬を一生飲み続けるか、鍼と漢方薬で改善するか。判断は皆さんにお任せします。
(おわり)
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