背中の粉瘤(できもの)を刺絡療法4回で治した例

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こんにちは、李哲です。
鍼治療を行いながら、様々な皮膚病を治してきました。今日紹介するのは、背中の粉瘤(できもの)を刺絡療法(瀉血療法ともいう)で治した例。西洋医学の手術以外に、鍼も治せる事を知ってください。

2023-3-10
患者さんは40代の男性、常連さん。以下の記事で書いた男性です。

今回も花粉症(鼻炎?)の鼻づまり・鼻水・目の痒みなどで治療にきました。治療すら途中でいろんな変数があり、治療方向を転換するときもあったけど、全体的に前向きになってる。

ある日、彼から相談がありました。
背中に痛くも痒くもない粉瘤ができてる。

粉瘤を見せてもらったら、ちょうど脊柱にありました。ツボで言うと霊台穴。以下の画像を見れば分かると思います。一般画像と拡大表示の画像があります。

鍼は「報刺」を行い、その後吸い玉(カッピング)で瘀血を取るようにしてみました。予想外に瘀血は少なかったです。私が思ったのは、中に溜まっているのは瘀血ではなくて、ほかのもの。一体何かは後ほどまた説明します。以下は刺絡療法の時の画像。

2023-3-21
背中の粉瘤はあまり変化ないので、今日は報刺を行ったあと、両手で絞り出しました。乾いたゼリー状の超~臭い老廃物がグニャグニャして出ます。以下は絞り出したもの。

脊柱に鍼を刺しているのは身柱穴です。
督脈に老廃物が溜まって粉瘤になったから、督脈のツボを一つ選びました。

上記では、粉瘤から出たものは瘀血ではないと書きました。それでは、中身の正体を説明したいと思います。

黄色くて臭い乾いたゼリ状の老廃物は、長年の湿気と痰が溜まって出来あがったもの。年数が経っているから、体内で発酵して臭くなっています。彼の場合は、背中の督脈に集まって粉瘤になっているのです。

ネットを見ると粉瘤が赤く腫れて痛い人もいますが、痛いときは化膿しているからです。中医学でいう「火」。瀉血療法は化膿したとき、さらにうってつけの治療法になります。

▼2023-3-29
背中の粉瘤はだいぶ小さくなり、盛り上がったのはぺったんこになりました。私の指が指すところを見てください。

今日は報刺を行ったあと、両手で絞り出したけど、前回ほど出なかったです。老廃物が減っているこに違いがありません。

2023-4-12
以下の画像をご覧ください。背中の粉瘤はだいぶ小さくなって、触っても凸凹が分からないくらいです。説明がなかったら、皆さんは多分イボだと思うでしょう。

粉瘤はだいぶ小さいけど、念のために報刺をして両手で絞り出しました。やはり、まだ残りがありましたね。ゼリ状の粘液と血が一緒に出ました。以下の画像をご覧ください。

ほとんど消えたので、その後粉瘤に対する鍼治療はしていません。

2023-3-10から4-12まで、4回の鍼治療を行いました。つまり、4回で治り。

西洋医学は切開手術ほど早く終わらないけど、鍼は麻酔剤を使わないし、皮膚を切らないので、体に対するダメージは少ないです。しかも、粉瘤はほかの症状を治すついでに治したもの。無料です。

上記でも説明しましたが、粉瘤は長年の痰・湿気の集まり。五臓六腑は一蓮托生の関係なので、長年経ったとき、体には必ず粉瘤以外にほかの不調もあります。病院に行くと〇〇科、▲▲科にたらい回しされがちですが、鍼灸院では一人の先生が同時に様々な不調を治します。時間の無駄にもならないし、確実に治療効果が体験できる。


これは鍼灸が西洋医学より優れているところ。

(おわり)

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