いびきの原因と治し方|鍼治療で改善した50代女性の症例と中医学の理論


こんにちは、李哲です。
この記事では、いびきの原因を中医学の視点で詳しく解説し、鍼治療でいびきを改善した50代女性の症例をご紹介します。いびきの治し方や予防法もお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

目次

鍼治療でいびきが改善した50代女性の体験談

2020年3月、当院の常連である50代女性が来院されました。彼女は花粉症治療のために通院していましたが、鍼治療中にいつもぐっすり眠るタイプでした。この日は特別な感想を話してくれました。

「いつも鍼治療中に寝ると、自分のいびきでハッと目が覚めるけど、今回はいびきがなくてずっとぐっすり眠れました!」

なぜ彼女のいびきがなくなったのか?中医学では、鼻や喉の気道に溜まった痰・湿気が減少し、気道の流れがスムーズになったためだと考えます。この患者さんは、鍼治療を継続することで体内のバランスが整い、予期せぬ効果を得たのです。

いびきの原因:西洋医学と中医学の違い

西洋医学の説明:なぜ曖昧なのか?

西洋医学では、いびきの原因を「鼻や喉の気道が狭くなり、空気の流れで音が出る」と説明します。しかし、なぜ気道が狭くなるのかについては明確な答えがありません。以下のような要因が挙げられますが、根本原因には触れていません。

  • 肥満症
  • 飲酒
  • 睡眠薬の副作用

日本呼吸器学会のHPでは、「日本人は顎が小さいためいびきが出やすい」と記載されていますが、これは科学的根拠が薄弱です。人種や遺伝のせいにする説明は、原因を特定できていない証拠です。たとえば、顎を整形すればいびきが治るという理論は現実的ではありません。

もともと日本人は、顎が小さい人が多く、肥満や飲酒や睡眠薬によっていびきが出現しやすくなります。
2017/07/11

日本呼吸器学会のHPより

ポイント:原因を「ストレス」「遺伝」「人種」に帰する医学は、根本的な治療法を提供できません。いびきを治すには、原因を正しく理解する必要があります。

中医学の理論:いびきの2つの原因

中医学では、いびきの原因を以下2つに分類します。

  1. 気道が寒気(冷え)で縮まり、狭くなる
    例:気道周辺の腫瘍など。このケースはまれです。
  2. 痰と湿気が気道に溜まり、狭くなる
    最も一般的な原因で、多くの患者さんに当てはまります。

痰と湿気はどこから来る?

中医学の格言に「脾為生痰之源、肺為貯痰之器」があります。これは、「脾(胃腸)が痰を生み出し、肺がそれを貯蔵する」という意味です。外部の寒気や体調不良がきっかけで、痰が動き出し、いびき、咳、睡眠時無呼吸症候群を引き起こします。たとえば、冷たい飲み物や過労が脾胃を弱らせ、痰の生成を促進します。

詳細はこちらの記事で解説しています:鼻水・咳の原因

いびきの治し方:鍼治療と生活習慣の改善

鍼治療で痰・湿気を減らす

鍼灸では、脾胃と肺の機能を強化し、痰・湿気を減らす治療を行います。代表的なツボは以下の通りです。

  • 天突:喉の詰まりを解消
  • 豊隆:痰を排出
  • 中脘:胃腸の機能を整える
  • 尺沢:肺の機能を強化
  • 列缺・太淵:気道の流れを改善

これらのツボは、患者さんの体質や症状に応じて鍼灸師が選びます。たとえば、尺沢を使った治療で痰が減った症例はこちら:風邪による痰の症例。この患者さんも、いびき以外の症状が改善しました。

いびきを悪化させる食べ物・習慣

痰・湿気を増やす要因は、脾胃と肺に負担をかける生活習慣です。以下のものを避けることで、いびきの予防・改善が期待できます。

  • お酒:飲酒後はいびきが悪化しやすい。アルコールは脾胃を弱らせ、湿気を増やします。
  • タバコ:痰を増やす(タバコと肺がんの誤解)。
  • 牛乳・乳製品:喘息や気管支炎を悪化。痰の原因となることが多い。
  • 過労:疲れすぎると脾胃が弱り、痰が溜まりやすい。
  • 肉・魚の過剰摂取:野菜不足で熱がこもり、痰が増える。
  • 運動不足:筋力低下で代謝が落ち、湿気が溜まる。
  • 考えすぎ・悩みすぎ:脾臓のエネルギーを消耗し、痰を増やす。

これらを意識するだけで、いびきの症状が軽減する場合があります。

いびき改善の鍵は体質改善

この50代女性は、元々花粉症の治療で来院しましたが、鍼治療でいびきも改善しました(花粉症の症例)。中医学はトータルケアの医学であり、一つの治療で複数の症状が改善することが特徴です。彼女の場合、花粉症による鼻詰まりといびきが同時に軽減し、生活の質が向上しました。

西洋医学の限界

西洋医学では、気道を広げる手術やCPAP(持続陽圧呼吸療法)が主流ですが、これらは一時的な対症療法です。痰・湿気の蓄積という根本原因を解決しないため、再発リスクが残ります。また、手術にはリスクが伴い、薬の副作用も無視できません。

鍼灸・漢方薬のメリット

いびきや睡眠時無呼吸症候群の改善には、鍼灸や漢方薬が効果的です。体内の痰・湿気を減らし、気道を自然に広げることで、根本的な改善を目指します。ただし、体質改善には時間がかかります。1~2回の治療で完治することは少なく、週1回の治療を数ヶ月継続することで効果が現れます。根気よく続けることが重要です。

関連症例:いびきの漢方薬症例

まとめ:いびきを改善したいなら中医学を

いびきの主な原因は、痰・湿気の蓄積による気道の狭窄です。鍼治療でこれらを減らし、生活習慣を見直すことで、根本的な改善が可能です。

西洋医学の対症療法に頼るのではなく、中医学の体質改善を取り入れてみませんか?いびきだけでなく、睡眠時無呼吸症候群や鼻詰まりなど、関連する症状も一緒に改善できる可能性があります。

ご質問やご相談があれば、ぜひお問い合わせください。あなたの健康をサポートします!

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