当帰芍薬散+菟絲子を飲んで妊娠中のプロゲステロン・hCGの値があがり、胎児発育不全もなく無事出産した例

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こんにちは、李哲です。

アメリカの中医師、鄭智城先生1の漢方薬症例、中药如何快速提高孕酮(Progesterone)和hCG_郑智城 を翻訳しました。妊娠中にプロゲステロンなどが低いとき、漢方薬はどうやって解決するのかが書かれています。病院の薬を使いたくない方、ぜひ参考にしてください。

妊娠中、プロゲステロンの値で心配している女性

中医学は西洋医学の検査値を当てにしません。しかし、最近の人は西洋医学に洗脳されたのが多くて、西洋医学の言葉を使わないと交流が難しくなりました。西洋医学の奇妙な名称を使うのも必要ですね。

去年、当院の漢方薬を飲んで妊娠した女性が、再診察に来て話しました。「妊娠中で血液検査データが良くない。プロゲステロンの増加は遅くてhCG値も低いです

胎児発育不全は肝臓と腎臓の気血が足りないのが原因

彼女は最初妊娠した時も胎児発育不全で流産したから、顔には不安がいっぱい映っていました。彼女は私の診察を受けてから、午後にまた西洋医学の検査を受けるそうです。

漢方薬にはプロゲステロンとhCGをあげる生薬があるのか?私は分かりません。でも、中医学の理論から分析すると、対策があるかも知れません。

胎児発育不全は中医学の言葉で言うと、肝臓と腎臓の気血が足りないのが原因。

李哲の説明:
胎児発育不全は難しい病気ではありません。ほかの漢方医の症例もあります。以下を参考にしてください。

長年の不妊症が治り、胎児発育不全・妊娠糖尿病なども漢方薬で治って、無事出産した女性

お腹が締め付ける感じがあるので、当帰芍薬散+菟絲子

一つひとつ問診してたら、彼女が言うのは「お腹がギュッと締め付ける時があります」

これって、当帰芍薬散とうきしゃくやくさんじゃない?

李哲の説明:
当帰芍薬散とうきしゃくやくさんの使用範囲は非常に広いです。上記のお腹が痛い時も使うし、不正出血の時も使えるのです。もちろん、不正出血だから当帰芍薬散とうきしゃくやくさんを処方するのではなくて、諸症状を分析してから判断するもの。以下の記事が参考になると思います。

妊娠中の不正出血が続くのを「当帰芍薬散」で治した例

彼女が言う締め付ける感じは、実は腹痛の軽いバージョン。当帰芍薬散とうきしゃくやくさんはちょうど血を補う事もできるので、処方箋はすぐこれにしました。

午後、彼女がすぐ西洋医学の検査を受けるので、私はすぐ当帰芍薬散とうきしゃくやくさん+莵絲子(としし)1杯分を煎じてあげました。彼女が飲んでから病院に行くように。

莵絲子を入れた理由は、西洋医学のこのような検査値はだいたいホルモン。ホルモンは中医学で言わせると、腎臓の働きに属しています。

李哲の説明:
腎臓の働きは様々な症状から判断できます。例えば腰痛があるかないか。中医学理論で、五臓六腑が司る働きは決まっているので、外側の症状を見れば内臓が見えるのです。腎臓に関して以下の記事を参考にしてください。

「腎虚」の具体的な症状、『黄帝内経』をもとに詳しく説明。西洋薬が腎臓を殺している証拠も話す

煎じ薬は作るのが早いです。漬ける時間を除けば、強火で40分くらいあれば出来上がる。だから、すぐ彼女に飲ませました。

1回飲んだだけでプロゲステロンとhCG値が上昇し、無事出産した

しばらく経ってから、彼女はまた再診察に来ました。前回の検査結果を聞いたら、彼女が言うのは全部の数値が上がった。婦人科の先生も許可範囲だと言ったそうです。

具体的な数値は、プロゲステロンが12から17に上がり、絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は7万から9万になった。年初、彼女は息子さんを産みました。親子とも無事。

李哲の説明:
漢方薬が妊娠中の不調をどれだけ治せるのかは、以下の症例を見ればもっと分かると思います。たくさんのトラブルがあったけど、全部漢方薬で治しました。

つわり・妊娠高血圧症候群・妊娠糖尿病・貧血などを漢方薬で治し、45歳で順調に赤ちゃんを生んだ女性

胎児の腎臓に水が溜まるのも当帰芍薬散で解決できる

一人の知り合いが、以前質問したことがあります。
「お兄さんの嫁が妊娠して、胎児の腎臓に水が溜まっているのが見つかりました。漢方薬はなにか方法がないですか?」

漢方薬の解決策?
漢方薬は病名に対する解決策がありません。
「胎児の腎臓に水が溜まるけど、処方箋はなに?」と聞かれても分からない。

李哲の説明:
腎臓に水が溜まるのは、おそらく水腎の事でしょうか?これは簡単なほうです。もっと難しいのは肺に水がたまる肺水腫、お腹に水が溜まる腹水。ちゃんと治療しないと患者さんは死にます。以下はニハイシャ先生2の症例、中医学治療のハイレベルがわかると思います。

肺水腫(肺に水がたまる)、心不全を治した漢方薬治療例

私は彼女に聞きました。
「お兄さんの嫁は、どんな症状がありますか?」

彼女「特にないみたいです。たまにお腹の激痛がある。お兄さんの嫁は子供を諦めたそうです。この状況は治せないと言われたから」

私は聞いてすぐ分かりました。
お腹の激痛?これは当帰芍薬散とうきしゃくやくさんの症状だよな。この処方箋で瘀血と水が流れれば、腎臓に溜まっている水もなくなるでしょう。

その知り合いが、私の話をちゃんと伝えたかどうか知りません。

李哲の説明:
激しい腹痛には、当帰芍薬散が効くときがあれば、効かないときもあります。例えば以下の症例、当帰芍薬散では絶対に治らない。一か八かの劇薬を使わないと治せません。

子宮内膜症の腰痛は漢方の劇薬1回で治り、激しい下腹部痛が消えて夜はグッスリ寝られた

李哲の感想

当帰芍薬散とうきしゃくやくさんは『傷寒雑病論しょうかんざつびょうろん』に載っている処方。

簡単な組み合わせですが、妊娠中の腹痛にはとても有効。 以下は私が聞いた最強の治療話。

妊婦のお腹が張って、お腹が痛い。
こんな時、西洋医学はなにか解決策があるのか?
残念ながら安静する以外に、なにもありません!

当帰芍薬散とうきしゃくやくさんは日本に既成品もあるので、非常にありがたい商品です。外出先で気軽に飲めるから。中国にもこんな既成品があればな…と羨ましい限りです。

鍼は解決策があるのか?

妊娠中、プロゲステロンとヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)をあげたいなら、腎臓のツボを刺せば良いです。たとえば腎兪、太谿、復溜。妊娠中の腹痛は胃経のツボで解決できます。たとえば内廷・陥谷・足三里など。

自覚症状がある方は、近くの信頼できる治療院にたずねて見てください。

  1. 鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。

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  2. 倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

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コメント

  1. ijiri_kurumi より:

    li-hari 李哲さんへ
    始めまして。クローン病のものです。
    李哲さんのブログを読んで中医学に興味を持ったので、地元の鍼灸院に行ってみました。今、針のおかげか気持ちが晴れやかです。ありがとうございます!

  2. li-hari より:

    id:ijiri_kurumi
    コメントありがとうございます。
    中医学に興味を持っていただいて、大変嬉しいです。クローン病は時間かかるかも知れませんが、鍼で良くなると思います。ぜひ続けてみて下さい。

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