漢方で手足の麻痺・痛みが消えた糖尿病、乾癬の皮膚再生、SLEの蝶形紅斑も改善

こんにちは、李哲です。
本記事では、漢方医学の第一人者である倪海厦(ニハイシャ)先生1の治療例を翻訳し、全身性エリテマトーデス(SLE)、乳腺症、糖尿病、液状乾癬などの症例を紹介します。

これらの症例は、中医学が西洋医学では解決困難な慢性疾患に対して、根本的な体質改善を通じて驚くべき効果を発揮することを示しています。元の中国語リンクは、2010年08月05日跟診之診療日誌です。中医学の独自のアプローチとその効果を、具体的な症例を通じて詳しく解説します。

目次

全身性エリテマトーデス(SLE):生理を整えることが治療の鍵

1978年生まれのアメリカ人女性が、ニューヨークから来院。2年前に全身性エリテマトーデス(SLE)と診断されました。彼女の主な症状は以下の通りです:

  • 過度な肥満
  • 睡眠障害(不眠や浅い睡眠)
  • 両足の極端な冷え(氷のように冷たい)
  • 上半身の強い熱感
  • 顔に特徴的な蝶形紅斑

彼女は生理前症候群(PMS)のつらさから、昨年6月より生理を止める薬を服用していました。脈診では少陰脈が確認され、喉の渇きや冷たい飲み物を欲する陽明経の熱証が見られました。この「上熱下寒」の状態は、中医学でよく見られる体質の不均衡です。

中医学では、SLEの治療において、まず生理の正常化を優先します。なぜなら、生理は体のバランスを反映し、女性の健康の基盤とみなされるからです。詳細はこちらの記事で解説しています。

一方、西洋医学は生理を止める薬を使用し、ホルモンバランスを操作しますが、この患者の場合、2年間の治療で症状は悪化していました。中医学では、体の自然なリズムを回復させることで、免疫系の異常を改善し、SLEの症状を緩和します。現在、漢方治療を開始し、経過を観察中です。

他のSLE症例については、こちらも参考にしてください。この症例では、蝶形紅斑や関節痛が改善し、不眠症も解消した例が紹介されています。

乳腺症の女性:3週間で生理不順や寝汗が改善

若い中国人女性が乳房のしこりを訴えて来院。3週間の漢方治療後、以下のような劇的な変化が見られました:

  • 生理周期が28日に正常化
  • 睡眠の質が向上し、寝汗が消失
  • 手足の冷えが改善し、温かさを取り戻す
  • 乳房の痛みが軽減(強く押さない限り痛みなし)
  • 乳房の熱感が消失

このしこりは乳がんではなく乳腺症であり、深刻な問題ではないと診断しました。乳腺症は、ホルモンバランスの乱れやストレスが原因で起こることが多く、中医学では体内の「気」の流れを整えることで改善可能です。

しかし、西洋医学のマンモグラフィ検査は、乳房を強く圧迫するため、乳腺症を悪化させ、将来的に乳がんのリスクを高める可能性があります。そのため、患者には不要な検査を避けるよう指導しました。

健康診断のリスクについては、こちらの記事で詳しく解説しています。中医学では、患者の自覚症状を重視し、過剰な検査を避けることで、体の自然な治癒力を引き出します。

糖尿病:両足の麻痺と手の痛みが消失、血糖値も低下

アメリカ人男性の糖尿病患者が、3週間で4回の漢方治療を受けました。治療後の変化は以下の通りです:

  • 血糖値が165まで低下
  • 両足の麻痺と両手の痛みが完全消失
  • 体力の向上と全身の活力回復

彼は過去3年間、痛みでドアを開けたり物に触れることができない状態でした。特に、末梢神経障害による手の痛みと感覚異常は、日常生活に大きな支障をきたしていました。しかし、漢方治療により、わずか3週間でこれらの症状が解消し、感覚も正常に戻りました。

漢方治療で改善した糖尿病患者の手元と木彫のバック
漢方治療3週間で手の痛みと麻痺が改善した糖尿病患者。木彫のバックは彼の喜びを象徴。

彼は大喜びで、中医学の効果を友人や親戚に積極的に伝えています。西洋医学の3年間の治療では改善が見られなかったのに対し、中医学の短期間での効果は顕著です。

糖尿病の原因と根本治療については、こちらの記事で詳しく解説しています。中医学では、糖尿病を単なる血糖値の問題ではなく、脾臓や腎臓の機能低下として捉え、全身のバランスを整えることで治療します。このアプローチにより、再発リスクも低減します。

液状乾癬:新しい皮膚が再生し、症状が劇的改善

長年、液状乾癬に悩む看護師の女性が再診。過去の治療については、こちらをご覧ください。粉薬から煎じ薬に変更後、以下のような改善が見られました:

  • 液状の乾癬が乾燥し、新しい皮膚が再生
  • かゆみや炎症が大幅に軽減
  • 患者自身が症状の改善を実感

この治療では、汗を促す発表薬を避け、皮膚下の湿気を取り除く漢方薬を工夫して使用しました。

液状乾癬は、体内に溜まった湿気や熱が原因で発生することが多く、中医学ではこれを「湿熱」と診断します。適切な漢方薬で湿熱を除去することで、皮膚の自然な再生を促します。

彼女は10年間、西洋医学の治療(ステロイドなど)で効果がなく苦しんできました。しかし、中医学の治療で希望が見えています。

私自身も過去に結節性紅斑を鍼灸で治した経験があり、その詳細はこちらで紹介しています。西洋医学では対症療法に終始することが多い皮膚疾患に対し、中医学は根本的な体質改善を目指します。

中医学と西洋医学の違い:どちらを選ぶべきか

これらの症例から、中医学が西洋医学では改善しなかった慢性疾患に対して顕著な効果を発揮することがわかります。SLE、糖尿病、乾癬、乳腺症など、異なる疾患に対して、中医学は体のバランスを整えることで根本治療を目指します。

西洋医学が症状の抑制に重点を置くのに対し、中医学は「気・血・津液」のバランスを整え、自己治癒力を高めるアプローチを取ります。この違いが、短期間での劇的な改善や再発防止につながっています。以下の関連記事もぜひご覧ください:

中医学の漢方治療は、個々の体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療を提供します。西洋医学で解決できない健康問題を抱える方にとって、中医学は新たな希望となるでしょう。あなたやご家族の健康を、自然な方法で取り戻すために、ぜひ中医学を検討してみてください。

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