はじめに
こんにちは、李哲です。
この記事は、おばさん一家の鍼灸治療シリーズの2回目です。鍼灸は、体内の気血の流れを整え、自然治癒力を高める伝統的な治療法です。前回の治療内容は以下をご覧ください。

好転反応:眠気とフラフラ感
2016年9月25日(2回目)
おじさんの感想
「首や肩のこりはまだよくわからないけど、1回目の鍼灸治療後、急に眠くなったり、フラフラすることがある。」

私はおじさんにこう説明しました。
「これは好転反応です。脾臓に溜まった邪気(体内の不調を引き起こす要因)が排出される過程で、脾臓が弱っているときに現れる一時的な症状です。脾臓は消化やエネルギー代謝を司る重要な臓器で、鍼灸治療によってその機能が活性化されると、眠気やふらつきが現れることがあります。あと1~2回の治療で、これらの症状は改善するでしょう。」
好転反応は、鍼灸治療後に体がバランスを取り戻す過程でよく見られる現象です。症状の種類や原因については、過去の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

おばさんはこの日、料理や片付けで忙しく、感想を聞けませんでしたが、施術はスムーズに行いました。忙しい日常の中でも、鍼灸は短時間で体の調子を整えるのに効果的です。
首肩こりの軽減と便通の改善
2016年10月2日(3回目)
おじさんの感想
「効果はまだはっきりしないけど、首や肩のこりが前より楽になった気がします。」
私がおじさんの首や肩を触診したところ、以前よりも筋肉の緊張が軽減し、こりがほぐれているのがわかりました。この日の治療では、前回と同じツボ(三陰交、地機、陰陵泉)に加え、中極を追加しました。
特に関元と中極は尿道に響く強い刺激があり、おじさんは「飛び上がるほど驚いた」と話していました。この強い響きは、ツボが正しく刺激され、気血の流れが改善されている証拠です。

おばさんの変化
おじさんから話を聞いたおばさんは、「下痢が改善し、便が硬くなった」と報告しました。特に腹部の鍼が効果的だったようです。下痢は、脾臓や胃腸の機能が弱っている場合に起こりやすく、鍼灸で比較的早く改善が見られる症状です。以下の症例も参考にしてください。
腹部のツボは、消化器系の機能を整えるだけでなく、全身のエネルギー循環を促進します。おばさんの便通改善は、鍼灸が内臓の働きを正常化していることを示しています。このような変化は、継続的な治療でさらに安定します。
体が温まる効果:冷え症の改善
おばさんの感想
「肩こりがだいぶ楽になりました。鍼を刺した直後、両足や胃、胸が温かくなった。今までこんな感覚はなかった。」
おばさんはさらに、2つの質問をしました。
1. 「深呼吸すると心臓か肺が痛くて、深呼吸ができないのはなぜ?」
2. 「親指の指節間関節(IP関節)が痛い。どうにかならないか?」
私は以下のように説明しました。
・深呼吸時の痛みや尿の出にくさは、腎臓・膀胱の機能低下が原因です。腎臓は呼吸や水分代謝に関与し、機能が低下すると息苦しさや尿トラブルが起こります。
・親指の関節痛は、リウマチ性関節痛に似ており、寒気や湿気が関節に溜まっている可能性があります。このような痛みは、鍼灸で血流を改善することで緩和可能です。
リウマチ性関節痛の症例はこちら(関節痛と腱鞘炎の鍼灸治療)を参照ください。
この日の治療では、以下のツボを使用しました:
- 下三皇、足三里、中脘、関元、天枢、中極、公孫、内関(腹部・下肢の血流改善、消化器系の強化)
- 太陽、陽白透魚腰、承漿、風池、肩井、太杼、大腸兪、腎兪、京門、陰谷、委中、委陽、後渓、申脈(全身の気血調整、肩こりや冷えの改善)
- 董氏奇穴:五虎一穴(関節痛の緩和)
おばさんは治療中、「今まで体が温まった感覚がなかった。お腹はずっと冷たかったけど、両足や胃、胸が温かくなってきた。足の指に汗をかくほど!」と驚いていました。臍下はまだ冷たいものの、冷え症の改善を実感していました。
冷え症は不妊症の原因になることがありますが、必ずしも不妊に直結するわけではありません。この点については、以下の記事で詳しく解説しています。

おばさんの冷え症はかなり深刻でしたが、鍼灸治療によって血流が改善し、体が温まる感覚を得られたのは大きな進歩です。継続的な治療で、臍下の冷えも解消され、全身の健康状態がさらに向上するでしょう。
水泡と痒み:「水毒」のサイン
興味深いことに、おばさんの鍼灸治療後、刺した箇所に水泡ができ、痒みが発生しました。これは1回目の治療時と同じ反応です。通常、鍼を刺した周辺は気血が集まりピンク色になりますが、おばさんの場合は水が集まる状態に。
これは「水毒」(体内に過剰な水分や湿気が溜まった状態)が原因です。水毒は、腎臓や膀胱の機能が弱っているときに起こりやすく、むくみやだるさ、関節痛などの症状を引き起こします。


こんなに顕著な水泡は私にとって初めての症例でした。水毒の解消には、腎臓や膀胱の機能を高めるツボを中心に、継続的な鍼灸治療が必要です。食事や生活習慣の改善も合わせて行うと、効果がさらに高まります。
血尿と排尿痛:病院の検査に不満
おばさんは最近の出来事をこう話しました。
「鍼灸治療の数日後、夜中に排尿痛があり、尿に血が混じっていた。慌てて中国から持ってきた抗生物質を飲み、翌日病院で検査したが『異常なし』と言われた。1万円も払ったのに、痛みを訴えているのに問題ないってどういうこと?」と憤慨していました。
私はこう答えました。
「今日の鍼灸治療で尿の出が良くなるはずです。病院の検査結果に頼りすぎず、鍼灸で体を整えましょう。鍼灸は、病院では見つからない微妙な体の不調を整えるのに有効です。」
この日の治療では、排尿痛、むくみ、冷え、老眼の改善を目指し、腎臓・膀胱系のツボ(陰谷、委中など)や足三里、三陰交、太陽、陽白などを選びました。過去の症例では、末期乳がんの患者でも鍼灸治療後に視力が改善した例があります。おばさんの場合は、さらに早い回復が期待できます。

美容鍼への期待
治療の最後、おばさんは笑いながらこう言いました。
「内臓の調子も整えたいけど、美容鍼もやってみたい。欲張りでごめんね!」
内臓の不調が改善する前に美容を考える姿勢に、私は思わず笑いました。以前通っていた漢方鍼灸院では、週2~3回の美容鍼を受けていたそうです。美容鍼は、顔の血流を改善し、肌のハリやツヤを高める効果が期待できますが、土台となる内臓の健康が重要です。
美容鍼は、胃腸の調子を整え、顔のツボ(例えば、太陽や陽白)を刺激することで効果を発揮します。ただし、まずは内臓の状態を整えることが優先です。今後、美容鍼の効果や他の変化について、記事で報告します。

まとめ
鍼灸治療は、好転反応(眠気やフラフラ感)を経て、肩こり、冷え症、下痢、排尿痛などの改善に効果的です。おばさんのように、体が温まる感覚や便通の正常化を実感するケースも多く、継続治療でさらなる効果が期待できます。鍼灸は、体の内側からバランスを整え、健康をサポートする自然な方法です。
次回の治療報告は以下をご覧下さい。


コメント