こんにちは、李哲です。
中国河北省石家荘市の有能な中医師、張静先生の症例、一种中毒反应(2022-08-17発表)を翻訳しました。食べ物・飲み物で中毒したとき、どんな症状があるのか?中医学の診断、治療方法など勉強になると思います。
発熱、下痢、食欲不振、頭痛、お腹が痛い男性
男性の患者さん、38歳。常連さんです。
ある日彼からメッセージが来ました。
「張先生、お邪魔します。数日前、友達と一緒に山に遊びに行ってきてから、お腹を壊しました。また発熱があります。私は葛根湯と藿香正気散を飲んで、熱は38度から37度分まで下がりました。現在まだ平熱が続いて、下痢もあります。今はベロが白で分厚い、体力がありません。この2日は、ご飯も食べられてないです。どんな漢方薬を飲めばいいか教えてください。あっ、そうだ、他には膝と腰がとてもだるいです。頭が痛くて、お腹は熱いです。」
ビデオチャットをしてから、2日も下痢をしてるけど、彼の津液はまだ大丈夫だと私は判断しました。
処方箋は葛根湯をもとにして、生姜とナツメを大幅増量、尿を出す生薬を追加しました。1日飲んだけど 病状は全く変わりません。
漢方薬を1日飲んだけど効果なし
彼からの報告です。
「張静先生、まだ熱あります。昨日の夜は 37.5でした。現在のベロはさらに分厚くなりました。下痢もあります。昨晩から今日まで、すでに7回も下痢をしました。 膝下は冷たいです。喉の奥から耳の奥まで、たまに痛くなります。目玉を回すと痛くなります。」
彼の報告を聞いて、私はすぐ分かりました。彼の水分が損傷していること。そして、体にはたくさんの斑点ができました。画像を送ってもらって見たけど、少し大きな斑点。彼は自分が蕁麻疹だと思っていました。
私が不思議と思ったのは、ずっと下痢をしてるのに、なんで邪気を外に出す力があるのか?
医師の判断を疑う患者
私は彼に話しました。
「他の薬は全部やめて、すぐ真武湯を飲んでください。緊急事態なので、とりあえず陽気を守ることをします。」
彼は以前真武湯を飲んだことがあるので、家には在庫があるはず。しかし、彼は自分が真武湯の症状ではないと思ってました。
ただの蕁麻疹でしょう?もしくはお腹を壊してるだけだから、真武湯を使うわけがない!あるいは、明日診療所に来て直接診察してから飲んだ方が安心できる 。オンライン診察よりも直接見た方が効果が高いから。
以上、様々な原因で彼は真武湯を飲んでいません。
翌日、彼はPCR検査をしてから診療所に来ました。私が脈診してみたら、とても細くて無力、早いです。 顔は汗だくになって、上着はびしょ濡れ、低熱もありました。
山で遊んだ内容を聞いたら、 冬虫夏草をつけたお酒を飲んだらしいです。
私はすぐ分かりました。
彼の症状は中毒です。
私「真武湯は飲みました?」
彼「まだ飲んでないです。」
診療所の冷凍庫には真武湯の在庫があります。なぜなら、ある患者さんの病状はとても進化が早くて、漢方薬を煎じる時間がないからです。だから、私たちは常に少し貯蔵しています。
彼の斑点を見てから葛根、黄連、黄芩、炙甘草、乾姜、陳皮の処方箋を出しました。鍼をしたのは水分、水道、関元、陰陵泉。下痢を止めるのが一番大事。
針が終わったごろ、彼の上半身は水が絞れるくらいびしょ濡れ、心臓がドキドキするそうです。
私は冷凍庫から真武湯を出して、解凍してからすぐ彼に飲ませました。飲んだ後は少し良くなったので帰宅。
真武湯を飲み続けることで、下痢と大量の汗は止まり、食欲も回復してきた
「何日間も真武湯を飲み続けてください。皮膚の蕁麻疹は、とりあえず治療しません。下痢と大量に汗が出るのを治せないと危ないです!」と彼に伝えました。
私は2回も解釈したし、彼も中医学を少し習ってたので大丈夫だと思いましたが、 全然そうでもなかったです。
彼からまたwechatが来たのです。
「超先生、私は現在顔全体に蕁麻疹が広がっています。他の治療法はないですか? この顔じゃあ、外にも出られません。 最初は体にできて、その後は手足、今は顔にできてます。
私はすぐ音声メッセージを送りました。だいたいの内容は、「もう命が危ないんだから、蕁麻疹なんかどうでもいい。 先に命を救ってから考えましょう!」
今度彼は聞き取れたみたいです。ちゃんと真武湯を何日間飲みました。下痢が止まって、食欲が回復し、熱も出なくなりました。その後、他の漢方薬で蕁麻疹も治りました 。
朝方に目が覚めるのは肝臓がやられたから
そろそろ飲み切るとき、彼から連絡がありました。
「張静先生、漢方薬はもうすぐなくなります。最近いつも朝3時40分から3時50分の間に目が覚めて、その後は眠れません。タイマーみたいにとても正確です。」
オンライン診察をして、いろんな症状を聞きました。蕁麻疹が治って精神状態もいいです。ただし、朝方目が覚めるのが困る。
彼に不眠症があるのは、前回の中毒が肝臓に対するダメージが強くて、肝臓と肺のバランス崩れているからです。これはわりと簡単。私は何日分の漢方薬を送り、残りの症状を治すことにしました。
人体の不思議な自己治癒能力
診療所で先生たちと症例討論をやる時、この患者さんの症例を出しました。危機一髪の症例です。蕁麻疹が出なかったら、彼の発熱はすぐ治らないでしょう。運が良かったら病状が長引く、運が悪かったら他の重い病気になります。
人間の自己治癒力に関して、私はとても驚きました。
理論的に言うと、ずっと下痢してる人は、皮膚から邪気を追い出すことはできません。でも彼は皮膚から出しました。もし、体か言葉を話せるんだったら、きっとこう言うでしょう。「私は全部の力を絞り出して、病気を外に追い出した!」
(おわり)
コメント