こんにちは、李哲です。
中国河北省石家荘市の有能な女医(中医師)、張静先生のコロナ治療シリーズ2を翻訳しました。前回のコロナ治療シリーズ1は、コロナの発熱、咳、ひどい咳などの症状、数日で治した漢方薬症例3つをご覧ください。本文の中国語リンク先は以下。
(2022-11-19発表)
同じコロナだと診断されても、人それぞれ体質・症状が違うので、治す漢方薬も違うことを知って下さい。西洋医学みたいに万人受けの漢方薬なんかありません。
まえがき
昨日コロナ治療例を公開してから、たくさんの処方箋をほしがる問い合わせがありました。でも、私は拒否しました。教えたくないのではなくて、人それぞれなので教えても最適な処方箋だと限らないからです。
今日は治療例の処方箋(葛根湯と小青竜湯、麻黄湯)も書きました。皆さん参考にして下さい。
症例4:高熱、頭痛、咳がひどいのは小青竜湯を2日飲んで著しく改善
男の子、中学校3年生、14歳。
症状は高熱(39度)、頭痛、喉が乾くけど痛みはない。咳はひどくない、痰が黄色。温かい水で喉をうるおすくらい飲みたがる。倦怠感があって、筋肉が痛い。

男の子はたくさんの薬を飲みました。お父さんが非常に心配して、どんな薬でも飲ませていたのです。西洋薬でも漢方薬でも、学校で配った漢方薬エキスも。しかし、熱は下がりません。
私は話しました。
「薬を飲みすぎています。慌ててアレコレ飲ませるやり方はダメです。体の回復には時間がかかるので、少し様子見の時間が必要」
普通の風邪だったら、親たちもそこまで心配しません。しかし、コロナだと言われたら、みんな慌てて何でも試します。
私は漢方薬を煎じたあと届けに行きました。
処方箋は桂枝、白芍、麻黄、乾姜、細辛、法半夏、五味子、炙甘草。
男の子は漢方薬を飲んだ10分後に吐いてしまい、お父さんからすぐ問い合わせの電話かかってきました。
私は説明しました。
「ほかの薬を飲みすぎているからです。私が処方したもの以外、ほかの薬は一切飲ませないでください。吐いてしまえば、胃が少し楽になり、熱も下がりやすいです。病気が治るルートは何種類かあります。1つ目は汗、2つ目は吐く、3つ目は大小便から出る。吐いた後、胃が楽になれば問題ありません」
数時間後、男の子はもう1回漢方薬を飲みました。一晩中、39度の高熱は下がらないけど、男の子は体が軽くなった感じだそうです。お父さんは非常に心配して、ずっと電話かかってきました。私は毎回男の子の自覚症状を聞いたけど、もっと神経を使ったのはお父さんが恐怖におちないように慰めること。
翌日の午前中、漢方薬を飲んでまた吐いて、39度の高熱も変わらない。お昼ごろになった時、私は特別に忠告しました。「脂っこいものは絶対駄目です。お腹が空いてなかったら食べないで。食べても腹5分目!」
夜9時頃、お父さんから電話が来ました。ちょうど留守番中だったので後で折り返し電話したら、お父さんは非常に喜んでました。体温が下がり、すべての症状が著しく改善。
コロナ検査キットでは、まだ少し陽性だそうです。
私は話しました。
「引き続きお腹を空かせる状態をキープすれば、もうすぐ陰性になります」
男の子のお父さんは、たくさんの感想がありました。
「子供がこんなに早く回復するとは思ってもなかったです。ほかの同級生は5日でやっと熱が下ってました」
比較があるからこそ、深い感想があったのです。
症例5:高熱・倦怠感が強い2人の子供は、麻黄湯を飲んだ翌日には治った
上記のお父さんが推薦して、オンライン診察・治療した人です。
2人の子供。宿舎に泊まっていて、症状も似ている。
2人とも高熱が下がらなくて、倦怠感が強い。でも、上記の男の子みたいに、咳もないし、喉が渇く症状もありません。
処方箋は以下の通り。
麻黄、桂枝、杏仁、炙甘草
念のために、葛根湯も作っておきました。
子供は高熱なので、お母さんはアルコル綿で体を何度も拭きました。しかし、熱は下がらない。私達が漢方薬を煎じて届けに行った時は、熱が下がらず逆に39.7度まで上がり。
私も常に子供の体調を観察してました。
たとえ熱が下がらなくても、子供の自覚症状が良ければよし。
翌日、コロナ検査でひっかかったので、隔離専用のホテルに閉じ込められました。
患者さんたちがホテルに着いて、夜10時半ごろから熱が下がり始め、私も安心して寝られました。翌朝に連絡が来たけど、熱はもう下がって正常。
お母さんの発熱は1回で治り、筋肉痛は葛根湯を飲んだ瞬間に治った
不幸にもお母さんが熱を出し始めました。私が聞いたら葛根湯の症状だったので同じ漢方薬を処方しました。お母さんは1回飲んだだけで、熱が下がりました。ただし、少々筋肉痛があるので、私が書いた説明書を見たら筋肉痛も治せる項目があり、お母さんはビンのフタに入れて少し飲みました。だいたい10mlくらい。飲んだ瞬間に筋肉が痛いのは治り、喜んで私にお知らせしました。神様の薬だと言っています。
私はいつも葛根湯で首肩のこり、痛みを治していました。葛根湯で太ももの筋肉痛を治したことはないですね。もしかして、葛根湯を完全に理解してないかも。とにかく、教えてくれた彼女には感謝です。
子供2人の症状は似たようなものが多いけど、処方箋はまるっきり違います。だから、皆さんが処方箋がほしいと言っても、私は渡さないのです。
コロナはただの風邪!怖がる必要がない!
上記の治療例の共通点を言うと以下の通り。
一人目の子供が治った数日後、弟・お母さんも似たような症状が出て、同じ漢方薬で治りました。子供が治った翌朝、お母さんが病気になったけど、子供の症状と同じです。
なぜすべての人が同じ処方箋を飲まないのか?
これは何を証明しているのか?
簡単にいうと、コロナはただの風邪です!
だから、私は石家荘市の中医師たちに呼びかけます。コロナだからと言って慌てないでください。患者の諸症状をよく聞いて分析し、最適な治療方法を見い出せばいいです。オンライン診察ばかりなので、10倍の細心を払う必要があります。
皆さん、まだ自分勝手に処方箋を真似して飲まないでください。今後、私はいろんなコロナ症例を整理整頓して公表します。その時に自分の症状と合わせて、もっとも相応しい漢方薬を選んでください。
患者とのチャット履歴
以下は二人の患者さんとのチャット履歴。
中国語が分かる方はぜひご覧ください。


(おわり)
コメント