腫瘍マーカ3千なのに、がん細胞が見つからない西洋医学
こんにちは、李哲です。膵臓がん末期の患者さんの鍼治療、後編であり最終編でもあります。前回の治療内容は以下をご覧ください。

施術後、彼は来月詳しい検査をするらしいです。
彼が言うのは、去年の手術前は腫瘍マーカーが700(正常は30以下)だった。手術後は腫瘍マーカーが一気に7まで下り。その後、徐々に上がって今年の1月は1500。今はだいたい3000~5000だそうです。
腫瘍マーカー検査で1500になった時、PET検査などいろいろ検査したのに、癌が見つからない。彼は西洋医学に対して、不信感が強かったです。
彼が言うのは、「去年の手術前は腫瘍マーカー検査が700。腫瘍がここにあると言われ、画像も見せられました。まあ、これは納得します。しかし、今は腫瘍マーカーが3000~5000なのに、がん細胞が見つからないってどういうこと?!」
便通と食欲は、良い状態をキープしている
206年10月11日。
8回目。
彼の報告:
膀胱が少し腫れている感じがする。
左下腹部(ステント治療で金属棒を入れた場所)が、チクチク痛む時がある。昨日はちゃんと食べられなかったので、今日は胃が少しつらい。
2016年10月21日。
9回目。
彼の報告:左腎臓の付近で腸閉塞を起こし、ステントを入れた場所がチクチク痛む。両方の鼠径部が張っている感じがする。便通は良い。食欲も良好。

腫瘍マーカー5800でも冗談を言う楽観的な気持ちはとても有利
彼は自分は癌ではないと思っていました。彼が今通っている病院の先生も、彼は癌ではないと判断しているそうです。でも、この前の腫瘍マーカーは5800。(正常値は30以下)
癌ではないと判断してるその先生も頭を抱えて、彼に話したそうです。
「うん……腫瘍マーカーがこんなに高いんだから、どこかに癌があるかもね…でも、急いで抗がん剤をやる必要がないし、様子を見てダメだったら抗がん剤を始めても良い」
彼は先生に聞いてみたそうです。
「一番高くて腫瘍マーカー値はいくら?」
病院の先生「腫瘍マーカーが1万の人は見たことがある。」
彼「じゃ~私も1万までやってみようかな?」
楽観的は気持ちは、病気治療でとても大事です。悲観的な考え方は一直線で悪化するけど、大丈夫大丈夫だと思うと良くなる可能性があります。患者さんの気持ちと病状の関連性は、他の記事で詳しく説明したので、どうぞご参考に。

「顔色は前より良くなった」と周りの人に言われた
2016年10月21日。
10回目。
彼の報告:
「最近は仕事が忙しくて、かなり体力を使う。
いまは病院にいるときより元気なので、つい頑張ってしまう」
私「まだ体重が戻ってないし、以前の食べる量(1.5人前)に戻ってないので、無理はしない方がいいです」
彼は周りの人に、「顔色が前より良くなっているじゃん!」と言われてるそうです。鍼治療で顔色が明るくなり、白くなる報告は良く聞きます。以下は一つの症例、参考にしてください。

食べられない、食べると吐いてしまう危篤な状態に陥った
2016年11月29日。
11回目。
1ヶ月ぶりに施術に来ました。
彼の報告:
最近は朝たちもない。
食べると吐いて戻してしまう。
病院の検査で言われたのは、胃と腸の間に荒れているからだそうです。
彼は体重は落ちてないと言うけど、私が見た限り痩せてました。
彼が言うのは、「この3日位は食べられないです。食べると戻すので、食べるのが嫌になりました。腫瘍マーカーは先月の検査で1万6千。2ヶ月前は5千です。」
今日刺したツボは、公孫。太白。内関。天枢。関元。中脘。石関。幽門。足三里。上巨虚。下巨虚。
私は彼に話しました。
「1ヶ月も放置するのはダメです。なるべくつめて来て下さい!」

食べられない状況が続いているので、頻繁の鍼治療をすすめた
2016年12月6日。
12回目。
彼「ヤバい!全然食べられない。食べると吐いて戻す!昨日、胃カメラで検査をしたら、少し荒れているだけで特に問題ないと言われた。仕方なく昨日は病院で栄養点滴を受けてきました」
今日刺したツボは、足三里。上巨虚。下巨虚。関元。公孫。内関。復溜。四満。石関。梁門。不容。途中で針を回した時に、お腹はゴロゴロ鳴っていました。帰りに彼は1週間後に予約を入れたけど、私は彼に話しました。「もし、明日食べるのがダメだったら、2日後にまた来て下さい。頻繁に治療しないといけないからです」

2016年12月13日。
13回目。
彼の報告:前回の施術後、帰って食べれたけど、その夜に戻してしまった。3日後には落ち着いて良くなる感じがした。今朝食べたのはバナナ、ヨーグルト、ケーキ。これは今週食べた最大の量だそうです。今は体重が60kg切っている。
痩せて顴骨が特に出っ張って見えています。状況はとても楽観ではないので、「鍼治療の回数を増やしたほうが良い」と彼に勧めました。
彼は少し考えてから予約を入れましたが、次の予約は10日後。
鍼治療後に1~2日は良いけど、それ以上は持たない
2016年12月23日。
14回目の鍼治療。
彼「病院の検査で、腹膜に癌転移が見つかりました。腫瘍マーカーは1万6千から1万2千まで下がったけど、まだまだ喜べる数値ではないです。」
彼はまた話しました。
「前回の施術後、1~2日は良かったけど、その後はまた食べられなくなった。1日で食べる全部の量は、おにぎり半分くらい。1日で500g単位で体重が落ちている。今食べられるのはヨーグルトとバナナ半分くらいなど」
体重は前回診たときより、更に痩せた感じ。状況は本当に楽観ではない。今日刺したツボは、石関。不容。承満。下脘。気海。石門。四満。関元。足三里。三陰交。公孫。太白。
私が知っている、最強の食欲増進と吐き気止めのツボです。
中脘.上脘など、とても良いツボがありますが、彼には使えません。何故かと言うと、上腹部の真ん中にデカイ手術の傷口があり、ちょうど中脘.上脘と被っている。傷口は分厚い結合組織になっているところで、鍼が入ってもうまく作動しない。仕方なくて周りのツボを代用しているのです。
帰りに、1週間に2回の施術を求めても来れないと思って、お灸する場所を教えて、「必ずやって下さい」と話しました。

石関。不容。承満あたりに大きな丸で左右2つずつ書いてあげて。関元に大きな丸で一つ。合計5箇所。
一箇所に9回連続でやり続ける。5箇所なので、1回お灸するのには、45個のせんねん灸が必要。鍼に来れなくても、お灸をすればなんとかなると思いました。
最後:入院して音信不通
中医学では食べられるかどうかで、この人が生きるか死ぬかを判断します。食べられない日が続いたら、結果は恐ろしくて考えられない!
私がこれを危惧してお灸を教えましたが、次に来るときまで、お灸で持ちこたえるかどうかが心配です。
(おわり)

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