こんにちは、李哲です。
中国河北省石家荘市の中医師、張静先生1の症例、吃药就开始头痛是怎么回事?を翻訳しました。ある患者さんの様々な症状を治しながら、いわゆる「瞑眩反応」を解釈した内容。参考になると幸いです。
ひどい湿疹は1日で治ったけど、強烈な頭痛で漢方薬を止めた
40歳の男性患者。
1回目は湿疹を治すために来ました。見た目は湿疹がひどかったです。処方したのは10日分、20袋の漢方薬です。しかし、2袋飲んでから頭痛で仕事できなくなり、漢方薬を止めました。
10日くらい経ってから奥さんを同伴して来ました。
私「湿疹はどうですか?」
彼「治りましたよ。2袋しか飲んでないけど、頭痛がひどくて続けられなかったです。」
なぜ頭痛が出たのか、私はサッパリ分かりません。
痔の出血、脱腸は漢方薬で治った
1ヶ月後、彼は痔になり脱腸。腸が自力で戻らない、パンツにはいつも血がついてました。私が処方したのは伏竜肝をアレンジしたもの。
彼は漢方薬で頭痛が起きたと確信しているので、怖くて10日分ではなく5日分だけ買いました。5日後、電話が来て宅配便でもう一度送ることになりました。これでほぼ治り。ただし、まだジュクジュクする感じがあるので、私は赤小豆15gを追加しました。
漢方薬を飲んだあとの頭痛は、鍼してその場で治った
翌日、子供が治療に来た時、彼は話しました。
「今朝も漢方薬を飲んでから頭痛がひどいです」
私「何が原因だと思いますか?」
彼「漢方薬を飲んでからです。」
今回の漢方薬は前回とさほど変わりません。少しアレンジしただけです。これで頭痛が出るとは想像できません。
偏頭痛なので私は針をしました。鍼を刺したあと、偏頭痛は消えました。
漢方薬を飲んだあとに頭痛が起きた原因
彼「前回湿疹を治す漢方薬を飲んだ後、頭が痛くて動けなくて、会社に行くことすらできませんでした」
前回の漢方薬をチェックしたら、当帰四逆湯をアレンジしたものでした。これでは頭痛が起きないはずです。
今回の黄土湯+赤小豆を飲んでからひどい頭痛が出たのは、一つの事を証明しています。漢方薬の力で気が回るとき、胆経で渋滞が起きて偏頭痛が出たのです。ちょうど彼の偏頭痛が発作した時だったので、鍼ですぐ治せました。
案の定、その後から漢方薬を飲んでも頭痛が再発してなかったです。
ある人たちは本当に体が敏感ですね。
私は他にも不思議な人たちを見ました。漢方薬を飲むとめまいがして、気持ち悪くなります。もしその時に鍼灸をすれば、漢方薬を飲んだときのつらい症状がなくなるのではないか?
好転反応、瞑眩反応は鍼で治せる
中医学にある有名な話。
薬不瞑眩,厥疾不瘳。2
孟子释曰:若药之攻人,人服之不以瞑眩愦乱则其疾以不愈也
「瞑眩反応」というのは、好転反応の一つです。体が良くなるとともに老廃物が外に出て、その時には様々な症状が出ます。症状は人それぞれの体質によって変わります。軽い時があれば重い時もあります。
私はこの話に違和感を感じました。もし漢方薬を飲んで強烈な反応が出たら、どこかの経絡が詰まったのではないか?
十年前、私はある患者さんを治療したことがあります。彼女は漢方薬を飲んだあと、眠すぎてずっと寝込んでました。食事中にも目を開けられなくて、ご主人が強制的に起こして食べさせました。一日寝る時間は20時間ぐらい。最終的に彼女の病気は治ったんだけど、丸ごと1週間寝て彼女の家族はびっくりしたのです。
今もし治療するなら、私は必ず心経に鍼をします。体が頑張って自分で治すのを待つのではなくて、必ず助けます。
(おわり)
張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)
↩︎- 【瞑眩】に関しては、コトバンクの解釈をご覧ください。
めん‐けん【瞑眩】 ↩︎
コメント