こんにちは、李哲です。
アメリカの著名な中医師、ニハイシャ先生1の弟子、漢唐經方中医診所の王湘雲先生が書いた症例、洗腎都是中藥的錯!?(2014年2月28日発表 )を翻訳しました。
妊娠中絶薬と堕胎が腎不全を引き起こした症例。警鐘を鳴らす内容、参考になると幸いです。
私が腎臓内科で研修したとき、ある日20代の女性が入院して来ました。彼女が入院した目的は一つのみ。腹膜透析の管を付けるためでした。こんなに若いのに、死ぬまで透析が必要なケースは非常に稀。だから、主治医は私たちに見学させたのです。
病室で患者さんを見たとき、私は非常に驚きました。なぜかと言うと、ぱっと見た限り、彼女は一般人と違いがないからです。人工透析が必要な患者さんとは想像できなかったです。
病歴を詳しく聞いてわかったのは、大学生になってから健康診断で異常が見つかり、追跡観察したら大変な事に気付きました。片方の腎臓が萎縮して、もう片方の腎機能も危ないところまで来ました。1年くらいの繰り返す診断・治療で最後は残酷な現状を受け入れるしかなかったです。
西洋医学の問診内容(慢性病歴、遺伝疾患、薬物中毒…などなど)から見ても腎不全の可能性がない。中医学の四診から見ても腎不全になるキッカケはない。患者さんが言うのは、大学生になる前、夜の仕事を数年前からやったそうです。
このとき、私の頭の中では一つの可能性が見えました。ただし…まあ良い。患者さんとも初対面だし、西洋医学の病院にいるのに、こんな直接に質問するのもあれです。そして、私は疑問を心の中に閉じ込めました。
その後、彼女のカルテは教学用になり、私たちが台に登って報告したあと、主治医から一つの啞然とする事実を教えてもらいました。「患者さんの母は私に話したことがあります。腎不全になる数ヶ月前(まだ大学生の時)、何ヶ月かごっそり「RU-486」2を飲んで堕胎した。」
RU-486が病気の元凶か?
主治医は軽く言いましたが、「現在このような例はまだ報告されてないし、因果関係があるとの証拠もない。」
「あ~なるほど!」
以前、私の聞きづらかった予想が全部当たりました。
西洋医学にとって、堕胎はどうでもいいことで、診断には全く役に立たない。しかし、中医学から言うと、これが腎不全になった大きなキッカケになります。
中医学理論で腎臓が生殖機能を管理します。堕胎に関して、西洋医学ではRU-486を飲めば良いこと。しかし、中医学から見ると、腎臓(西洋医学でいう副腎も含める)への損害は測りきれない。しかも、堕胎は1回目なのか、複数回目なのか、私たちには分かりません。
無知、肉欲におぼれた結果、とても痛ましい代償を払いました。
この症例から学んだのは、物事にはすべて原因があります。病気は絶対に理由なしで空から降る事がありません。
西洋医学は検査しても原因不明。だから、こんなときに中医学は最適なスケープ・ゴートになりました。漢方薬のせいで腎不全になる!と宣伝しているのです。
事実上、たくさんの漢方薬を飲んだことがない患者さんも腎不全になっています。上記の女性がその一つの証!
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
↩︎- 「RU-486」は、日本語でいうミフェプリストン。ミフェプリストン (Mifepristone) は、1980年代からEUや米国、中国で承認、販売されている経口妊娠中絶薬。開発名「RU-486」。日本ではすでにミフェプリストンの厳重な副作用が報告され、禁止されています。 ↩︎
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