風湿熱による低熱・関節痛の漢方治療症例 | 麻杏薏甘湯の効果と脈診の注意点

こんにちは、李哲です。
中国河北省石家荘市の女医、張静先生1の症例:这种的发烧值得警惕(2025-3-12発表)を翻訳しました。

発熱には2つのタイプがあり、その中の一つが警戒しないといけないものだと書かれています。参考になると幸いです。

目次

発熱、全身の関節痛、倦怠感がある女性

この患者さんは、春節の時期に地方へ出かけてから、風邪を引かれて発熱がありました。その後、低熱が一向に治らなくて、午後に発熱がひどくなり、全身の関節痛と倦怠感があり、検査では重度の貧血が確認されました。

私「動悸はありますか?」
彼女「少しあります。」

私は少し迷いましたが、麻黄杏仁薏米炙甘草を処方しました。
「まず、おかゆや麺湯などのものを食べてから漢方薬を飲むと、動悸を防ぐことができますよ」と伝えしました。なぜなら、一部の薬は必ず使用しなければならないからです。

李哲の説明:午後には熱が上がる症例は、ほかにもあります。ただし、全く違う漢方薬で治りました。詳細は以下をご覧ください。午後になると熱が上がり、大汗をかく男性は12日分の「桂枝湯」で治った。

治療経過と回復の様子

翌日、彼女から電話がありました。
「全身の関節痛がまだあります。」

私「発熱は治りましたか?」
彼女「熱は治りましたが、全身の各関節が痛くて動かせないほどです」

私「薬を続けなさい。あなたの発熱は風湿熱によるもので、この薬は発熱を退け、風湿関節痛も治療しますから、続けて飲んでください。」

李哲の説明:風湿関節痛は日本語でいう「リウマチ性関節炎」に近い病気です。

翌日には関節痛がかなり良くなり、3日目には基本的に回復しました。

風湿熱の特徴と治療の難しさ

彼女のような発熱は、実は治療があまり良くないものです。正常人で風湿のない方が発熱すると、脈は浮緊か浮緩になり、必ず浮脈ですので、そのような発熱はとても治療しやすいです。

しかし、風湿病の方の発熱は沈細脈で、この脈象は非常に太少二感と誤解されやすいのです。

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誤診のリスクと予防の重要性

そのため、こうした患者さんがその時点で正しい症を診抜けなければ、発熱が長引いて癒えにくくなり、時間が経つと心臓に及んで、心臓弁膜を損ない、リウマチ性心疾患を形成してしまうことがあります。

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李哲の感想

張静先生が処方する前に迷ったのは、患者さんに動悸があるからです。でも、張静先生はやっぱり麻黄杏仁薏米炙甘草を処方しました。この組み合わせは、日本でも売っている麻杏薏甘湯です。厳密にいうと、麻杏薏甘湯の中の甘草を張静先生は炙甘草に変更しました。おそらく、動悸の予防のため。

一般的に動悸、息切れがあるときは、麻黄を避けます。張静先生が避けられないと話したのは、この処方しか治せないからだと判断したからでしょう。万が一動悸がひどくなったら、発熱・関節痛が治ったあとに動悸を治せば良いです。

刻み切られた麻黄の枝が山積みになった様子。漢方薬材として風邪や関節痛の治療に用いられる生薬の準備工程をイメージ。
麻黄の枝を刻んだ状態で大量に積み重ねられた漢方生薬。麻杏薏甘湯などの処方で風湿熱やリウマチ性関節痛の緩和に欠かせない成分です。

張静先生は脈診で分別すべきだと説明しています。しかし、素人の患者さんは脈診がわかるわけがないです。

私のオススメは、なるべく早く漢方医もしくは鍼灸師に治してもらうこと。特に夕方になると熱が高まる、強い関節痛・倦怠感を伴うのは、一般的な風邪の熱と違います。市販の葛根湯ばかり飲んだりしないでください。

最悪なのは市販の鎮痛解熱剤を飲んで誤魔化すこと。鎮痛解熱剤は風邪のウィルス(邪気)を体内に打ち込んで、外に出さないから発熱・関節痛が治ったように見えますが、実際には爆弾を体内に埋め込んだのと同じ。

張静先生がいうリウマチ性心疾患は、このように鎮痛解熱剤を繰り返すことで作られるのです。

以下は低熱が続くのを治した鍼治療例。参考になると幸いです。

  1. 張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

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