こんにちは、李哲です。
アメリカの中医師、鄭智城先生1の症例、白人男子的膀胱肿瘤是如何用中药消融的_郑智城(2012-1-14発表)を翻訳しました。
尿道癌の男性、漢方薬だけで3ヶ月間治療して、尿道から大きな癌組織が出てから排尿痛が治り、尿の勢いも良くなった内容です。参考になると幸いです。
テニスラケットをくれた患者
最近、一人の患者さんからラケットをもらい、とても嬉しかったです。この男性患者さんと話している時、偶然にテニスの話で盛り上がって、先週の土曜日再診察に来た時ラケットをくれました。
よく見たら、普通に売っているものではなくて、プロたちが使うやつでした。ロジャー・フェデラーが使う系列で、ラケットには彼のサインまで入れてました。ちょうど私がほしかったラケット!
私が大学生の時、大学ではテニスが流行りました。当時、私の大学には珍しくテニスコートがあって、テニスが非常に流行ったのです。私も学校のチームに入って練習したことがありました。

アメリカに来る前まで、10年くらいは趣味でやりました。まあ、ちょっとしたプロです。アメリカに来てからは、10年くらいテニスをやってない。
最近私が住んでいる近くの公園に、急に無料のテニスコートができて、私も突然情熱が高ぶって毎日テニスに行っています。
笑っちゃうのは何年もやってないから、適当に古い木質のラケット(Yard Saleで1ドルで買ったやつ)を使っても勝つ時が多い。そして、すぐ有名になりました。近所のラケット同士の間では、「木ラケット怪手」、「70怪手」(木質のラケットは70年代に流行ったからだと言われています)。
しばらく経ってから、もうちょっと良いやつを買おうとした時、ちょうどこんな素晴らしいプレゼントがあって、本当に良かったです。
ラケットをくれた男性は、「フェデラーは史上最強の選手だ」と言ってました。私は10年もやってないので、思考はまだ昔のピート・サンプラス、アガシの時代に止まっています。最近、フェデラーの試合を見たら、やっぱりこの人はすごいですね。
西洋医学の先生も手術を迷う尿道がん
白人男性が治療に来た原因は、尿道癌で時々排尿痛、血尿が出る。
彼の主治医が言うのは、「膀胱の画像検査で示すのは、尿道近くに癌がある」。でも、西洋医学の先生は本当に手術が必要なのか迷ったそうです。
当時、彼が思ったのは、「先生が迷うなら私も焦る必要がないだろう」。尿道にメスを入れるなんて危ないから。そして、彼は漢方薬治療に来たのです。
補う、攻める処方箋の繰り返しで諸症状が良くなった
男性の顔は赤くて、脈は弦虚脈。だいたい桃核承気湯の証で、実証と虚証が混ざっています。
初めの時は、2回攻める処方箋で効きました。癌組織が尿と一緒に出て、彼も症状は良くなりとても喜んでました。しかし、その後は攻めても良くならない。そして、私は補う方法を使いました。身体を補ってから、もう一度癌を攻撃する。
このやり方でずっと繰り返し。
諸症状はどんどん良くなって、上記のラケットをくれたのです。
大きな肉組織が出てから、尿の勢いが良くなり、排尿痛も治った
先週、白人男性はまた時間通りに再診察に来ました。基本的に彼は毎週、同じ時間に来ています。ずっと同じ処方箋だったけど、今回はちょっと違いました。
彼が言うのは、「先日、トイレ行ったとき、突然ぽっ!と音がして小指サイズの肉組織が尿道から出ました。硬くてゴムみたいなやつ。見た感じでは、身体の組織から剥がされたようなもので、排尿痛もなかった。その後、何日も大小不均等の肉組織が出て来ました。大きな肉組織が出てきてから、尿の調子はとても良い。」
彼は当時奥さんを呼んで一緒に観察し、奥さんは手でちぎろうとしたけど、硬くてできなかったそうです。
彼の話を聞いて嬉しかった私は質問しました。
「その肉組織はまだありますか?」
彼は頭を振りながら、「ないです。。。」
本当に残念でした。
私「写真でも撮りました?」
彼「撮ってないです。。。」
漢方薬治療して3ヶ月、主力は桃核承気湯をアレンジしたもの
彼は漢方薬を3ヶ月連続で飲んでいます。1週間も休んだことがない。最初の何週間は、最適の処方箋を探すためにいろいろ変えたけど、その後はずっと固定した1~2個の処方箋。桃核承気湯をアレンジしたものでした。
大黄、桃仁、瞿麦(くばく)は主力の生薬。
上焦は熱を下げる生薬を入れてるのは、彼がたばこを吸うからです。
処方箋が固定されてから、徐々に排尿のとき大小不均等のがん組織が出て、急に尿の勢いが良くなる時がありました。でも、大多数の時は尿道がまだ狭い感じ。
この前、大きな肉組織(癌組織)が出てから、尿の勢いは日々良くなりました。尿道付近の癌組織が、なくなったことを証明します。
進歩は遅いけど安定しています。
がん治療は焦るとダメです。彼の身体が攻める漢方薬に耐えられるかどうか配慮しないといけないから。
癌が治る前に、患者は抗がん剤に殺される
西洋医学の猛毒の抗がん剤は、がん細胞が全部死ぬ前に、患者さんが先に死にます。もしくは、癌細胞と患者が同時に殺される。患者さんは治療する前に、いろんな書類にサインするから、治療で死んでも病院側は責任とらないですね。
私は患者さんにサインさせることができない。だから、慎重にやっているのです。
(おわり)
鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。
↩︎倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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