鼠径部のしこりが陽和湯1週間で消え、夜間頻尿と生理前の疲れも完治した症例

原因不明の鼠径部しこりが、たった1週間でスッキリ消えた!
しかも、夜間頻尿と生理前のひどい疲れも同時に完治。


漢方『陽和湯』の驚くべき効果を実症例でご紹介します。

目次

そけいぶのしこりは1週間で消え、夜間頻尿・生理前に疲れる症状も同時に治った

土曜日、コロンビア人女性が友だちを連れて来ました。コロンビア人女性は以前から時々治療に来た人です。私がパット見たら、彼女はお腹が大きくなっていたので笑いながら聞きました。

私「妊娠しました?」
彼女も笑いました。
「そうですよ。全部先生のせいですね(it’s all your fault)」

私のせい?
ビックリしましたが、よく考えたら前回の漢方薬を出すとき、「この漢方薬で妊娠しやすくなる」と話したかも。でも、妊娠したのは漢方薬のせいではないですね。

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彼女の友だちは不眠症で治療に来たけど、不眠症は今度また話します。彼女の友だちを覚えているのは、前回来たときの症状が特別だったからです。

私は彼女の友だちに聞きました。
「前回の問題は解決しました?」

彼女の友だち「大丈夫です。もう治りました」

前回の症状は、そけいぶにしこり(出来物)がありました。

ヨガウェアの女性が鼠径部(足の付け根)を両手で触っているクローズアップ画像。リンパ節の腫れをイメージ。
鼠径部にできたしこり(おそらくリンパ節の腫れ)の様子

当時の脈診は微、舌診で舌は薄い舌苔がある。ほかの症状は、以下のとおり。

  • 水を飲むとすぐ尿として出る
  • 夜間頻尿は2回
  • 普段から喉は渇かない
  • 生理になる1週間前から非常に疲れる

西洋医学にいろいろ診てもらったけど、原因不明で放置のまま。

私は陰証だと判断し、陽和湯ようわとうを処方しました。麻黄、白芥子、桂枝、炙甘草、熟地黄、乾姜、附子(トリカブト)、補骨脂。6日分を飲んで完治。

収穫したばかりの湿った附子(加工前のトリカブト根)を手のひらに乗せたクローズアップ画像。漢方薬の陽和湯に使用される生薬。
附子(トリカブト)の生薬。陽和湯で腎陽を強く補う重要な成分

※アメリカの中医師:鄭智城先生の症例、阳和汤:少妇腹股沟处硬块_郑智城_新浪博客(2014-2-25発表)を李哲が完全翻訳しました。

李哲の解釈と説明

処方箋の説明

陽和湯ようわとうの本来の構成は以下のとおり。
麻黄、白芥子、肉桂、甘草、姜炭、熟地黄、鹿角胶。計7種類の生薬です。

鄭智城先生がアレンジしたのは、

  • 甘草→炙甘草。
  • 姜炭→乾姜。
    (上記の2つは主に陽気を強化するため)
  • 肉桂→桂枝
    (これは意図が分かりません)

鹿角膠を削除して、附子(トリカブト)、補骨脂を追加して腎臓の陽気を強化。シンプルな処方だけど、効果バツグンでした。

四角く固めた鹿角膠(鹿の角を煮詰めたゼラチン状生薬)のクローズアップ画像。伝統漢方薬の高価な補陽薬。
鹿角膠(ろっかくきょう)。陽和湯の原処方では使用されるが、本症例では附子で代用

鹿角膠は鹿の角を煎じて、ゼラチン状態にしたもので、高価な生薬部類です。鹿は角以外に、しっぽも漢方薬として使います。頑固な腰痛治療で効果が良いそうです。以下の漢方薬症例で説明しているので、どうぞご覧ください。

鼠径部のしこりは、陽気を強化することで自然に消える

鼠径部のしこりは、おそらくリンパ節の腫れだと思われます。病名はどうでもいいですが、中医学の考え方では陽気が十分回れば、しこり(陰の塊)も消えます。陽気は内臓のパワー、エネルギー。内臓がちゃんと動けば、老廃物の塊もできないわけです。

上記の患者さんの症状を見ると、明らかに陽気が少ないです。

  1. 生理前に非常に疲れる。
  2. 夜間頻尿。
  3. 脈は微。

この3点だけでも、十分な証拠になりますね。

処方箋を見ると、陽が明らかにメインになっています。処方箋の名前も「陽和湯」で、「陰和湯」を使ってないでしょう?冗談です、「陰和湯」という処方箋はありません。

生理前の疲労感、鼠径部のしこりは足つぼ整体・鍼灸でも治せる

生理前になると非常にだるい、疲れる症状は足つぼでも治せます。過去記事があるので、参考にして下さい。

鼠径部のしこりではないですが、腫れて痛いのを数回の鍼で治した例がありました。以下の記事、参考になると幸いです。

原因不明の場合は、中医学治療を受けるべき

上記の患者さん、西洋医学が原因不明だと言って、治療してないのが幸いだったかも知れません。下手な治療より放置したほうが、後々の漢方医が治すのが楽ですから。

いろんな薬を飲んで、何回も手術をした後だと、なかなか治りが悪いです。内臓が毒まみれになり解毒作業が必要だし、経絡がメスで切られ、つなげるのが病気治療よりも大変。

原因不明だと言われた時は、先に中医学の治療を受けるべきです。

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