眼瞼下垂を鍼3回で完治!複視併発例も6回で回復【孫培栄先生の台湾鍼灸症例】

こんにちは、李哲です。

眼瞼下垂は「手術しかない」と思われがちですが、鍼で改善するケースがあります。

台湾の鍼灸名人・孫培栄先生1が、わずか数回の鍼で眼瞼下垂を改善した症例を紹介します。
鍼灸を学ぶ方、眼瞼下垂で悩む方に役立つ内容です。

目次

眼瞼下垂は鍼で改善できるのか?

眼瞼下垂は、まぶたを持ち上げる筋肉や神経が弱り、視界が塞がる状態です。西洋医学では手術が一般的ですが、東洋医学では胆経の弱り・筋力低下が原因と考えます。

胆経が弱ると、まぶたを持ち上げる力が不足し、眼瞼下垂が起きます。鍼で胆経を補い、筋の働きを回復させることで改善が期待できます。特に、過労・ストレス・薬の副作用などで胆経が弱っている方は、鍼治療の反応が良い傾向があります。

また、眼瞼下垂は「加齢だから仕方ない」と思われがちですが、実際には体質改善で十分に回復するケースが多いです。まぶたは筋肉と経絡の働きで支えられているため、適切なツボを使えば自然に持ち上がる力が戻ってきます。

眼瞼下垂の原因を図解で説明

眼瞼下垂の原因を、鍼灸の視点で図解すると以下のようになります。

眼瞼下垂の原因を鍼灸の視点から図解したイラスト。眼瞼挙筋の弱りや胆経、肝・脾・腎の関係、三陰交・陽陵泉・頭臨泣を示している

【まぶたが下がる原因】
① まぶたを持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)が弱る
② 筋肉を支える「胆経」が弱る
③ 肝・脾・腎のバランスが崩れ、回復力が低下
④ 結果として、まぶたが重くなり視界が塞がる

眼瞼下垂のセルフチェック表

以下の項目に複数当てはまる場合、胆経の弱りや筋力低下による眼瞼下垂の可能性があります。

  • まぶたが重く、夕方になると特に下がる
  • 片目だけでなく両目が下がることがある
  • 視界の上側が見えにくい、黒目が半分隠れる
  • 疲れるとまぶたがさらに下がる
  • 長時間のスマホ・PCで悪化する
  • 薬(特にステロイド・抗生物質)を長期間使っている
  • 肩こり・首こりが強い
  • 足がつりやすい、筋肉が弱いと感じる

これらはすべて「胆経の弱り」「筋力低下」と関連します。鍼治療の適応を判断する参考になります。

鍼治療の回数・期間の目安(初回〜完治までの流れ)

眼瞼下垂は、原因によって改善スピードが大きく変わります。以下は臨床経験からの一般的な目安です。

  • 軽度(疲労・ストレス型):3〜6回で改善することが多い
  • 中度(胆経の弱り・筋力低下):6〜12回が目安
  • 重度(重症筋無力症タイプ):10〜20回以上の持久戦になることも

【初回〜完治までの流れ】

  • 1〜3回目:まぶたの軽さが出る。視界が少し開く。
  • 4〜6回目:まぶたの挙上力が安定。疲れても下がりにくくなる。
  • 7〜10回目:体質改善の段階。胆経・肝脾腎のバランスが整う。
  • 11回目以降:ゆっくり回復する段階。ここで諦めず続けると完治が近づく。

初回〜5回目は変化が大きいですが、10回目以降は「ゆっくり回復する段階」に入ります。ここで多くの方が「治らない」と誤解して治療を中断してしまいます。

眼瞼下垂は長年の疲労や薬の影響が積み重なって起きるため、体質改善を含めた治療が必要です。焦らず続けることで完治の可能性が高まります。

症例1|眼瞼下垂で視界が塞がる状態が鍼3回で改善

女性・連さん(50歳)。台湾・台北市民生路在住。

症状:眼瞼下垂で物が見えない。

1966年8月25日に来院。使用したツボは三陰交・頭臨泣・陽陵泉
わずか3回の鍼治療で視界が回復しました。

三陰交ツボの位置(内くるぶしから指4本分上)
三陰交:肝・脾・腎を調和し、眼瞼の自然回復力を高める基本ツボ

症例2|両目の眼瞼下垂+複視が6回で回復

男性・劉君(34歳)。台湾・台北市新生南路在住。

症状:両目の眼瞼下垂+複視。

1967年6月に来院。使用したツボは症例1と同じ。
合計6回の鍼治療で複視も含めて完治。

使用したツボと治療の狙い(胆経・筋之会・三陰交)

頭臨泣(胆経)

まぶたに近い胆経のツボ。眼瞼の挙上に直接作用します。涙目や目の疲れにも使える万能ツボです。

陽陵泉(筋之会)

「筋之会」と呼ばれ、筋肉のトラブル全般に効果。眼瞼も筋の一部なので有効です。足がつる、ふくらはぎの張りにも使われます。

三陰交(肝・脾・腎の調和)

肝・脾・腎を同時に補い、眼瞼の自然回復力を底上げします。女性の体調不良、冷え、月経痛にも広く使われる重要ツボです。

ツボの応用例(他の症状にも有効)

この3つのツボは単独でも多くの症状に使えます。

▼頭臨泣:涙目の改善
頭臨泣で改善した涙目の症例はこちら

▼陽陵泉:足がつる痛み
陽陵泉が有効だった足のつりの症例はこちら

▼三陰交:子宮内膜症の腹痛
三陰交で子宮内膜症の痛みが緩和した症例はこちら

手術と鍼治療の比較(費用・仕上がり・リスク)

眼瞼下垂の手術費用は、保険適応で両目5万円前後、自由診療では30〜50万円と言われています。

眼瞼下垂手術の費用相場(共立美容外科)

鍼治療なら数回で改善するケースがあり、費用も手術ほど高額にはなりません。
不自然なまぶたになるリスクを避けたい方には、鍼治療という選択肢もあります。

もちろん、すべての眼瞼下垂が鍼で治るわけではありません。しかし、手術を避けたい方や、自然な仕上がりを望む方にとって、鍼治療は「試す価値のある方法」です。特に、体質改善を同時に行える点は東洋医学ならではの強みです。

眼瞼下垂の鍼治療が途中で止まる理由(2025追記)

眼瞼下垂は「重症筋無力症」の一症状として現れることがあります。私が治療した方々は、病院で重症筋無力症と診断されたケースが多く、鍼の効果は非常に良好でした。

しかし、途中で治療をやめてしまう方が多いのが現実です。
5回で大きく改善しても、10回・15回では変化が緩やかになり、「続けても治らない」と誤解してしまうのです。

眼瞼下垂は長年の過労や薬の副作用などが積み重なって起きるため、持久戦が必要です。
鍼は有効ですが、10回で必ず治るわけではありません。諦めずに続けることで完治の可能性が高まります。

  1. 孫培栄先生は台湾の4大鍼灸名人の一人と評価された方です。著書としては、『孫培栄鍼灸験案』があります。もっと詳しい履歴は、孫培栄先生:台湾古法鍼灸の奠基者|戦乱から仁心の継承までをご覧下さい。

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