2週間で血圧・血糖値は下がり、「こんなに体が軽いのは何年ぶり!」と喜ぶおじいちゃん。顔を見ただけで腎機能障害が診断できて、治療方法もわかる中医学。

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こんにちは、李哲です。
アメリカの著名な中医師、倪海厦(ニハイシャ)先生1の症例、2005-6-6治療日記を翻訳しました。

糖尿病、高血圧は漢方で簡単に治り、子供の腎機能障害はどのように診断しているのかが書かれています。中医学の奥深さがわかる記事だとも言えます。参考にしてください。

2週間で血圧・血糖値は下がり、「こんなに体が軽いのは何年ぶり!」と喜ぶおじいちゃん

06/06/2005、雨。
おじいちゃんから孫まで3人、全員私の患者さんです。

おじいちゃんは高血圧と糖尿病、過度の肥満症で治療に来ました。今日で3週目の診察。漢方薬を飲んでから、体力が回復して血圧・血糖値は下がり、「こんなに体が軽いのは何年ぶり!」と喜んでました。

2回目の診察に来とき、ちょうど欧州旅行があったので、煎じられなくて粉薬にしました。そしたら、今度戻ってきて「煎じ薬を下さい」と言ってました。なぜなら、煎じ薬の方が効き目がすごいからです。

とてもマズイ漢方薬ですが、彼らは文句言ってない。逆に「漢方薬はすごい!」と驚いています。

▼李哲の補足説明:
漢方薬には煎じ薬、丸薬などの種類があるのは、具体的な理由があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

漢方を煎じ薬、散剤、丸薬に使い分ける理由

皆さんは知らないでしょう。中国から来た漢方医は自分の学生さんに、「アメリカ人は煎じ薬をマズイと嫌がるからあまり使わない」と言います。本当の理由は、アメリカ人が彼らの漢方薬を飲んで変化がないから、煎じ薬を拒否するわけ

私のたくさんの患者さんは、「ずっと煎じ薬を下さい」と言ってます。どんなに不味くても飲んでいます。効果があるから。

この例を書いたのは、皆さんに説明したかったから。
患者さんが煎じ薬を欲しがるかどうかは、まずさが原因ではありません。

▼李哲の補足説明:
ニハイシャ先生の患者には、どんなに不味くても飲む人が多いです。なぜなら、効果があるからです。以下の記事に書いた乳がん女性がその一人。

乳がんステージ4、肺と骨に転移した女性は、西洋医学の治療を受けてないけど4年以上生きて元気。手足が熱すぎる子供は、3日の漢方薬で半分良くなった。

顔を見ただけで腎機能障害が診断できて、治療方法もわかる

おじいちゃんの娘さんは、6歳の子供を連れてきました。もともとおじいちゃんの娘が予約した患者で、6歳の子供ではありません。子供はただの付き添い。

娘さんの診察をする時、6歳の子供は外で待ってもらうようにしました。ちょうど子供が前をすれ違った時、顔を少し見ただけで、すぐ子供を止めて話しかけました。

「喉を見せていい?」
ドアの隣に立っていたお母さんは、「少しだけだから見せてごらん」と子供に言いました。

私はチラッと見てから、お母さんに話しました。
「お子さんは腎臓に問題があります。しかも、右の腎臓。眼の下が赤黒いし、少し腫れているからすぐ分かります。お子さんの喉を見たのは、扁桃腺があるかないかをチェックしただけ。もし、扁桃腺を切除したら、私でも腎機能を回復する事ができません

この時、お母さんとおじいちゃんは、目が点になってました。

▼李哲の補足説明:
ニハイシャ先生が中医学の望診法を極めた症例は、ほかにもあります。たとえば、舌癌は見ただけで原因と治療方法が分かる。

舌がんの原因は心臓が弱すぎ。腫瘍が黄色いのは、「三焦」の属性が黄色だからです。舌がんが治る時期は「立夏」。

今日子供は予約した患者さんではありません。おじいちゃんとお母さんも、「子供の為に診てください」と言ってない。ただ縁があって、私に出会っただけです。

おじいちゃんが先に子供の病状を話しました。
「孫が3歳の時、排尿痛で検査に行ったら、輸尿管が線維化されたものに圧迫されたのが原因だと言われました。手術が終わって先生が言うのは、子供の右腎臓は25%の機能しか残ってない、治すのは無理だと言ってました。」

李哲の説明:
腎機能障害、腎不全などは中医学治療にとって不治の病ではありません。治るチャンスがあるのです。以下はニハイシャ先生のほかの症例、参考になると幸いです。

腎不全のむくみ、腹水、下痢は2ヶ月の漢方薬で治り、体力・食欲が回復して一気に10kmも歩けるようになった。腎不全を治す薬膳も紹介します。

なぜ私がこんな事を知ってるか、おじいちゃんと母は驚いていました。

私は彼らに説明しました。
「我々中医学は5000年の治療経験があります。中医学の目を騙すことはできない。私は中医学業界でレベルが低い方だけど、子供の病気の原因が分かるし、治療もできます。将来、子供がアメリカのミス・キャンパスの優勝者になるように育てて下さい。」

おじいちゃんたちは、すぐ話しました。
「どうぞ漢方薬を処方してください。先生を信じてます。」

処方したのは診療所で使っている「漢唐46号」。市販の「六味地黄丸ろくみじおうがん」に似てるけど、成分の割合は違う。私は地黄をたくさん入れています。一般市販の「六味地黄丸」は成分量が違うので、腎機能を回復する事ができません。

本治療例を書いたのは、ただ中国伝統文化の素晴らしさを宣伝するためです。(アメリカに移住した中国人。自分たちの伝統文化を差別する中国人を叱るところは省略)

李哲の解釈

アメリカ人は太っているレベルが違うのか、30kgもダイエットした患者がいますね。以下はニハイシャ先生の症例、参考にしてください。

上で話した「六味丸」(六味地黄丸とも言う)は、中国にも日本にも市販の完成品があります。

私も昔飲んで事あるけど、正直に言って効き目がよく分かりません。その原因は、ニハイシャ先生の知識を勉強して分かりました。

古代の作り方と違って、成分の量が変わっているから、飲んでも期待した効き目が出ない。

この問題は、他の処方にもあります。

漢方の没落は、処方量を勝手に変えたのが一つの原因。もう一つの原因は、間違った理論を普及した「温病派」のおかげです。

「六味丸」とか「八味丸」などは、伝説のように効き目が出ないけど、西洋薬よりは安全で効き目があります。何ヶ月飲めば、体調が変わるかも知れません。ただし、伝説のような効き目を期待してはいけないですね。

(おわり)

  1. 倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。

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