風邪後の背中痛が2日間のツボ按摩で完治!気血流注理論の正確性

赤いセーターを着た女性が背中の痛みで肩を押さえている様子
風邪後に発症した背中の痛み。足通谷のツボ按摩で2日で完治!

こんにちは、李哲です。
風邪をひいた後に背中の痛みに悩まされたことはありませんか?

今回は中国河南省石家荘市の有能な女医、張静先生1の症例「怀疑是心脏病但是不是心脏病的一种病(2024-10-30発表)」を翻訳しました。

風邪後に発症した背部痛を、ツボ「足通谷」の按摩でわずか2日で完治させた内容。中医学の気血流注理論を活かした治療の秘密と、なぜ特定の時間に痛みが現れるのかをわかりやすく解説します。

目次

症例:風邪後の背中痛と心臓不調の治療

ある午後、広西在住の患者から微信で2つのメッセージが届きました。彼女は過去に当診療所を数回訪れ、心臓病、不眠症、腰椎間盤突出による腰痛の治療を受けていました。そのため、彼女の健康状態はよく把握しています。彼女の微信の音声メッセージを文字に起こすと、次の内容でした:

「数日前、風邪をひいて少し発熱しました。熱は下がったんですが、咳が少し出ました。咳も治まったんですが、今度は心臓が不調に。この1年間、心臓はずっと調子が良く、問題もなかったんですが、風邪をひいた後、心臓の状態が以前と違ってきました。心臓自体は特に不快ではないんですが、背中のあたり、ちょうど手のひら1枚分くらいの範囲が痛むんです。すごく痛くて、心臓の痛みと同じくらいつらいです。」

「しかも、毎日午後4時頃から背中の痛みが始まり、2~3時間続きます。薬を飲んでも心臓は不快にならないのに、背中のその一部分だけが痛むんです。毎日午後4時過ぎから痛み始めて、すごく不快でイライラします。この症状は何ですか?心臓が原因ですか?」

李哲の説明:
たまたまですが、張静先生にはすごく似ている症例がありました。同じように背中が痛い患者さん、でも上記の患者さんと違って、これは本気の心臓発作。詳細は以下をご覧下さい。心臓発作には背中が痛い症状もある。漢方薬と鍼で諸症状を治した例。

治療:足通谷のツボ按摩で背中痛が2日で完治

私は彼女に、午後3時までに足の少陽胆経にあるツボ「足通谷」を按摩するよう指示しました。このツボは、特定の時間帯に発症する症状に効果的です。

彼女は指示通り、足通谷を2回按摩。1回目の按摩後、翌日の午後4時過ぎの背中痛が大幅に軽減し、2回目の按摩後、症状は完全に消えました。彼女は「まるで魔法のよう!」と喜んでました。

李哲の説明:
「まるで魔法使い!」
このような感想は私もよく聞きます。たとえば、以下の記事。
胸焼け・胃もたれを1回の鍼治療で解消!逆流性食道炎の症状改善事例

中医学的考察:気血流注と膀胱経の関連

この患者の背中痛は、風邪・発熱・咳の後に膀胱経が傷つき、毎日午後4時頃に発症するパターンでした。中医学の「気血流注理論」では、経絡の異常が特定の時間帯に症状を引き起こすとされています。このケースでは、膀胱経の乱れが「風邪 背中痛い」の原因と考えられます。中医学の古典『黄帝内経』には、次の記述があります:

「変于色者、取之荥;病時間時甚者、取之輸;病変于音者、取之経;経満而血者、病在胃;及以飲食不節得病者、取之于合、故命曰味主合。是謂五変也。」

出典: 『黄帝内経・素問・玉機真蔵論篇』


(訳:顔色に変化がある場合は荥穴、時間帯に症状が強まる場合は輸穴、音声に変化がある場合は経穴、経脈が充実して血が滞る場合は胃が原因、飲食不節による場合は合穴を取る。これを五変と呼ぶ。)

この症例では、時間帯に症状が強まるため、輸穴である「束骨」が理論的に適している可能性があります。しかし、私は習慣的に荥穴の「足通谷」を選択しました。

李哲の説明:束骨は腰痛のときによく使います。以下は一つの症例、参考になると幸いです。二人の腰痛、鍼1回でその場でだいぶ良くなり、翌日には完全に治った。別々のツボで治した理由も説明します

束骨との比較と実践的検証

同僚と症例を共有した際、膀胱経の輸穴である「束骨」がより効果的ではないかという意見が出ました。気血流注理論に基づけば、時間帯発病には輸穴が適しているため、束骨の選択は合理的です。ただし、実践ではツボの異常を直接確認し、反応のあるツボを使うのが最も正確です。

今後、類似の「風邪 背中痛い」症例で束骨を試し、足通谷との効果を比較することで、治療の精度をさらに高めたいと考えています。

まとめ(李哲の感想)

気血流注理論に基づくツボ治療の効果この症例は、風邪後の背中痛が足通谷のツボ按摩で2日で完治した例です。気血流注理論を活用し、膀胱経の異常を特定することで、迅速な症状緩和を実現しました。

束骨との比較を通じて、さらなる治療法の最適化が期待されます。中医学のツボ治療は、「風邪 背中痛い」といった症状に簡単かつ効果的にアプローチできる可能性を示しています。

気血流注理論はどんなものか?詳細を以下をご覧ください。

また、気血流注理論に基づいて治療した例が最近ありました(2025年8月)。奇妙な症例だとも言えます。記事が出来上がり次第、公表します。しばらくお待ち下さい。

  1. 張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

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