こんにちは、李哲です。
今月、一人常連の女性から面白い感想を頂いたので、記事にしました。この女性は、以前の記事で書いたことがあります。
鍼治療をする前、彼女が話しました。
「風邪を引いたのか、喉がイガイガして咳が出そうで出ない。ほかに熱、頭痛などはないです」
いつもの鍼治療をする以外に、尺沢穴を一つ追加しました。
右を刺して、ぐるっと回って左を刺そうとする時、彼女に聞いてみました。
私「喉は今どんな感じですか?」
彼女「イガイガするのは、もう治りました」
右の尺沢穴を刺してから、1分くらい経っただけ。
鍼治療の効果は、西洋薬より遥かに速いです。
以前、尺沢穴と列缺穴を刺して、どのツボの効果なのか分からないと書いたのがありました。以下の記事、どうぞご参考に。
今回は確認が取れました。
尺沢穴1つで足りる。
尺沢穴は肺経の子穴で、肺経の実証を治します。
そして、風邪の初期症状に有効。
風邪は肺の問題なので、初期症状は実証として治すのです。
風邪が長引いて「虚証」になった場合は、太淵(肺経の母穴)を使いますね。

肺経の母穴:太淵(たいえん)
もちろん、実証と虚証を区別するのは、風邪が長引いたか短いかだけではありません。風邪が長引いても、咳き込むのが激しい場合は、同じように実証として判断し、尺沢穴を刺すと即効性が見られます。
鍼は不思議なもので、鍼灸理論は西洋医学みたいに簡単に、「○○ウィルスにはこの薬。」「○○細菌感染にはこの薬」ではないです。様々な応用原則があるので、実際に治療するときは臨機応変が必要。
鍼治療はなぜ効くのかは、過去記事で詳しい説明していますので、どうぞご参考に。
今日はウンチクばかり語っているようで、面白みが足りなかったらごめんなさい。私が話したいのは、風邪の症状に鍼治療は有効であることです。誰でも1回で治るとは保証できませんが、少なくとも1回で風邪の症状が改善・緩和できます。
ところで、海外の鍼灸に関する論文には、鍼治療はプラセボ効果で、実際の治療効果がないと言うのがありました。
うん…
どんな論文なのか、3つの疑問があります。
- 本物の鍼で刺したのか?
今はレーザー鍼よ、わけわからん鍼があるから。 - ツボを正確に刺して、手技を行ったのか?
- 大昔から伝わってきた応用原則を正しく利用し、ツボの組み合わせは大丈夫か?
間違ったツボを刺したら、効果は出ません。
補瀉の手技がないと、効果が薄いもしくはない。
間違ったツボの組み合わせにしても、効果は出ません。
このとき、鍼治療はプラセボ効果だと言われたら、どう思いますか?
「鍼灸がプラセボ効果だ」という論文があるから、鍼灸に詳しくない方はきっと「そうだね!」と思うでしょう。しかし、鍼灸師から見ると、この論文はいろいろ抜け穴があり、イジワルな名誉毀損です。
鍼灸が効果なかったら、数千年の歴史の間、中国人はなにで治療したでしょうか?神様に祈るだけ?論文を書いた人は、最低限の常識すら持っていません。
鍼治療で正しいツボを選んで、正確に刺す大事さは、以下の記事で詳しい議論したので、読んだことがない方はどうぞご覧ください。
100年前、日本人の有名な鍼灸師がいました。
本間祥白 – Wikipedia先生。
以下は、本間先生が書いた鍼灸の本。とても役に立つので、鍼灸師だったらぜひ一度みてください。私が応用している原則、本間祥白先生も書いてあります。
いい鍼灸師を探すとき、本間先生の弟子だったら間違いないと思います。どうぞ探してみてください。
(おわり)
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