こんにちは。李哲です。
台湾の鍼灸名医、孫培栄先生1の鍼灸治療例を翻訳しました。参考になると幸いです。
口の中が苦くて、ベロが乾くのが鍼1回で治った
應さん、女性、59歳。
出身は河北。
住まいは永和環河西路四巷。
口の中が苦い、舌が乾く症状は一ヶ月くらい続いています。

治療に来たのは1972年2月1日。
当時鍼をしたのは復溜、関衝、二間、計3つのツボ。
1回で治りました。
李哲の解釈と感想
『鍼灸大成2』(明・楊継州 著作)に載せているのは、「復溜去舌乾口燥之悲」。
直訳すると、舌と口の中が乾くときは、復溜一つで治療できる。
口が苦くてベロが乾くのは、「三焦」の熱が主な原因です。だから、関衝を刺す。二間は上半身の熱に有効。
復溜穴は腎機能を強くする作用があるので、臨床で私もよく使います。私のオジサンに鍼をした時は、叫んで笑うしかなかったです。当時の治療内容はは以下をご覧ください。
舌が乾く人はまだ診たことがないですが、口の中が苦い患者は診たことあります。幸いにも、1回で治りました。病院では何回で治せるか知りませんが、鍼灸の場合は数回で治ります。
(おわり)
孫培栄先生は台湾4大鍼灸名人の一人です。出身は山東省臨沂県。おじさんの銭曽文医師の門下で鍼灸を習い、最終的に台湾でもっとも有名な鍼灸医になりました。孫培栄先生は最期まで40人くらいの弟子を教えました。中で有名な弟子は周左宇、孫宝林、武仲瑛。
著書としては、『孫培栄鍼灸験案』があります。私も勉強していて、中の治療例を翻訳してアップしたりもします。
↩︎『鍼灸大成』は明朝の楊継州の著作。本書は、明代末期に完成した鍼灸書の集大成で、後にも先にも、これを上回る本はないといわれている空前絶後の作品です。明代末(1601年)に刊行されて以来、清代に28回、民国時代に14回、現代中国や台湾になってから何回も刊行されており、六〜八年に一度は新版が出されるという大ベストセラー本です。
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