残酷なお知らせですが、先週私の人生の恩師:倪海厦(ニハイシャ)先生が睡眠中でお亡くなりました。
享年59歳。
ニハイシャ先生は、アメリカフロリダ州鍼灸中医薬管理局の委員長を務め、中医師の公認資格発行を管理し、漢唐中医学院の院長を務めながら学生さんを育て、数え切れない重症の患者を救ってきて、易経と中医学の普及の為に一生の力を尽くしてきました。
ニハイシャ先生の家族が発表した追悼文を見た時、私の頭の中は真っ白でした。とても信じられなかったです。
きっと嘘だ!嘘だ!
ニハイシャ先生はまだ書き終わってない作品がある。
ニハイシャ先生は、中国伝統文化の真髄:易経にも詳しい。漢方にも詳しい。占いにも詳しい。
病気で死ぬことは有り得ない。
運命で決められた屍神が来ても、避けることができるはずだ。
しかし、弟子たちの書いたメッセージを見て、先生は本当にこの世から去ったな…と分かり、連日涙が止まりませんでした。
10何年前に、先生はすでに自分の寿命を分かってました。今年はどうしても屍神を避けることができないことを。
そして、先生は死ぬ前に、自分の臨床経験と知識を全部教えるために、全ての力を絞り出しました。
朝9時から午後5時までは、洪水みたいに入る患者の為に診察。診察しながら、周りの研修医師に診断と漢方処方の根拠を説明する。
診療所が終わって家に帰ってあとは、学生と親戚の病気をネットで診る。その後、パソコンでたくさんの学生さんたちの質問に答える。
そして、「人紀」と「天紀」の教科書の為に夜遅くまで文章を書く。
何ヶ月に1回は、アメリカで中医学普及の為に講演会を開く。
弟子たちはMSNで、先生が夜中3時まで寝てないのを見て、早く寝なさいと言っても、先生は「まだ書き終わってないのがあるから仕方ない!」と肩をそびやかすだけでした。
ニハイシャ先生が書いた「人紀」と「天紀」。
正規の作品、私は全部持っています。
同時の価格は1万2千ドルで、ケチな中国人には高すぎると言われてますが、私はそう思ってません。
ニハイシャ先生の40年の臨床経験と知識。
それはお金で数えるものではありません。
「人紀」は神農本草経(一冊)、鍼灸(一冊)、傷寒雑病論(二冊)、黄帝内経(一冊)に分かれて、一冊の教科書には20枚くらいのDVDが入ってます。何れにしても、中医学の古典名作ばかり。漢方.鍼灸を習う人であれば、誰でも読まないといけない名作。
「天紀」は二冊の教科書と30枚くらいのDVD撮影が入ってます。主な内容は、中国伝統文化の真髄:易経の解釈。あと面相.方位学などを利用して占いをする(一つの国の運勢、或いは1人の将来を占う)。
これは全部教室で学生さんに教えたときの本人の撮影です。
こんな膨大な量の撮影と教科書。
どれだけの意力があれば書けるでしょうか!
またどれだけの神経を使ったでしょうか!
毎回DVDでニハイシャ先生の冗談話とか聞くとき、面白くて笑ってました。アメリカに行って、臨床研修に参加するのが今までの唯一の夢でした。
しかし、夢は実現できず、会いに行けるのはお墓参りしかない。
先生にたくさん話したいことがあるのに、先生の顔と声を聞きたかったのに…今はもうお墓で話すしかない...
何で才能がある、たくさんの患者に愛されてる先生を、神様は見逃してくれないか。私は神様を憎んだことまでありました。
ニハイシャ先生が患者によく言うのは、“あなたの病気は私に任せて下さい。あなたはお金払っているから、病気は私が治してあげます。あなたは、普通に仕事をして家族と楽しく遊んで下さい。病気のことは忘れて。”
このような先生、嫌いになる患者はいるでしょうか?
今まで自分の人生で影響がある人を言うと、親以外にニハイシャ先生しかいません。
私が中医薬大学で勉強したのを捨てた時、また自信を持つように教えてくれて、漢方の力がどれだけ強いかを実感させてくれて、残りの人生を中医学に貢献するように変わったのです。
中医学の勉強よりも、先生の易経の解釈を通じて、人生に対する考え方まで変わったのがもっと大きい変化です。
なぜ話したこともない人に憧れるか。
なぜ会ったこともない人の話を信じているか。
これはキリスト教の信者に、なんでイエスに会ったこともないのに、信じているかを聞くのと同じです。
先生が書いた文章。
先生が話した内容。
隅々の所で、その人の性格と品が分かる。
その人の理論を実践すると、正しいかどうかが検証される。
だから、私はニハイシャ先生を信じているのです。
ニハイシャ先生のHPに出会って、自分の人生が変わったことを、とても光栄だと思います。
人生は長くて100年くらい。
ある人の人生は短いけど、とても輝く一生です。
ある人たちは、長生きしても子孫の為に残したものはありません。
ニハイシャ先生は中医学の普及の為にたくさんの弟子を育て、患者の為に全てを尽くし、子孫の為に数々の作品を残しました。これは見えない財産、お金で数えれらないものです。
ニハイシャ先生の名前は、永遠に中医学の歴史に残るはず。
ニハイシャ先生の魂は、永遠に輝く夜空の星になるはずです。
先生から教わったたくさんの弟子。
そして、「人紀」教科書を習っている学生さんたち。
きっとその精神を心に刻んで、先生のやり残した医学革命を続けるはずです。
中医学が世の中に普及された時、先生はきっとほかの世界で喜んで笑ってくれるでしょう。
微力の自分ですが、先生の遺志を継ぎて、中医学
の普及の為に全てを尽くす。これが唯一の先生への恩返しだと思いました。
さよなら~先生。
今までいろいろ教えてくれて、本当にありがとう。
もし生まれ変われたら、また先生から教わってもらって、先生の本当の弟子になりたい!
先生はこの世から去ったけど、その魂は永遠に私の心の中に住んでいます。
2012年3月6日 夜中
学生 李哲 叩頭
コメント