こんにちは。李哲です。
今日は私の簡単な鍼治療例。
一人の男性。
主訴は飲み過ぎて、後頭部が痛い。
普通に歩く分には頭痛がないけど、しゃがむ時と頭を左右に振った時に、後頭部に水が溜まっているようで、重い痛みが生じるそうです。
あと、たまに脈動によって波みたいにガンガン痛みが来る。
ほかにある症状は、食欲があまりない。
これは二日酔いによくある症状ですね。
治療のツボは太衝、公孫、束骨、中脘にしました。
中脘と公孫は気持ち悪い・食欲不振を治すため。
太衝は肝臓の解毒作業を助けるため。
束骨は後頭部の痛みを治すため。
束骨を刺した時、面白い感想がありました。
刺して響いた瞬間に、後頭部が楽になるのが分かる。左右に頭を振ってみても、ガンガンくる痛みがないそうです。
これは初めての経験です。
一般的に首コリと後頭部の痛みに束骨をよく使いますが、二日酔いの頭痛にも良いなんて。
原因と関係なしで、同じ所が痛いから効き目があります。
針を置いている間に、胃腸がゴロゴロなり始め、その後は少しお腹が空いてきたそうです。
針を全部取ったあと、まだ足がじんじんしている。
でも、そのかわり食欲不振がなくなり、後頭部の痛みは半分以下になりました。残りの痛みは、よく寝れば治るでしょう。
2回めの針も要らないです。
二日酔いにも針が効くんだ!
と思う方がいるかも知れません。
以前の記事に書いたけど、鍼で治せるのは二日酔いだけではない。
つらい自覚症状であれば、なんでも相談できます。
二日酔いで頭痛がするのは、水が後頭部に詰まっているからです。足太陽膀胱経のところに。
だから、膀胱経の湿気を取る束骨(兪穴)だけで十分。
この束骨に関して、ほかの鍼灸師の経験話を見たことがあります。
友人の子が高熱でけいれんし、背骨が後ろに曲がって弓状みたいになりました。
その鍼灸師はすぐアイデアを思い出して、その場で束骨を刺したら、刺した瞬間に弓状に曲がっていた背中がだらんと戻ったのです。
高熱でけいれんする以外、てんかん発作にも有効。
とても印象深かったので、ずっとこのストーリーを覚えています。
いつか使うつもりだったけど、高熱でけいれんする患者さん・てんかん患者さんには会ってないですね。
患者さんが高熱、癲癇(てんかん)だったら、病院に行くでしょう。
最初から鍼灸師に診てもらうのは、「変人」かも知れません。
群れない、独自の考え方を持つ「変人」は良いですよ。
健康で長生きしますから(笑)
追記:
後日、報告がありました。
前回針をした翌日の朝には、二日酔いの頭痛が消えたそうです。
やっぱり2回目の鍼は要らなかった。
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