2025年9月、中国河北省石家荘へ。
目的は親の治療+張静先生の診療所での研修でした。
到着翌日から目にしたのは、想像を遥かに超える患者数とスピード。
ドアが開けっ放し、10床同時鍼治療、問診しながらオンライン診察、30分待ちも当たり前…
これが本場中国の中医学現場です。
張静先生の診療所へ向かう
こんにちは、李哲です。
2025年の9月末、長い休みをとって中国へ行きました。親の治療の面倒を見ながら、ついでに研修を行う為でした。
研修をするところは、いつもブログで翻訳してる張静先生の診療所です。日本から中国の石家荘市までは、3時間45分ぐらいの飛行機。
石家荘市の空港について、親が止まってる民宿まで1時間ぐらいのタクシー。タクシー代は120元(日本円だと2500円くらい)。親が泊まった民宿は、張静先生の診療所まで徒歩10分の距離でした。

石家荘市に着いた翌日から張静先生のところで研修をしました。感想を一言で言うと「衝撃」、「震撼」。チャイナスピードがどんなものか、目からウロコの感じです。
ドア開けっ放しの超オープン診療所
張静先生の診療所は、 20階以上の高層マンションが何個も建ってある所の1階にありました。

診療所のドアは開けっ放しで、入ると目の前に張静先生の診察テーブルが見えます。テーブルの前には両側に椅子が10個ぐらいあって、待ってる患者さんたちが座るものです。
テーブルの左前には薬局があり、薬剤師が生薬を計って、カーテン裏側で大きな鍋を10個くらい並べて煎じている。テーブルの横と後ろの部屋には鍼治療用のベッドがずらっと並んでいて、数えてみたら10台もありました。つまり1回で最大10人の鍼治療ができるということです。
張静先生の診療所は朝8時から始まって午後2時には閉店。でも、2時以後も診察を続けるときがしばしばありました。
診療所にはいちおう番号札があるけど、超多忙な日だけ配り、他のときは特に並ぶこともなく、来たらすぐ診察して治療を始める感じです。患者さんが自分の前の人を覚えているので、みんな順番で診察していました。たまに、緊急患者が来たときは、みんな譲り合う感じ。
これは日本と台湾の予約制とだいぶ違う。
1日数百人規模をさばく驚異の回転率
台湾で研修した時は、15分に一人の患者さんをみる先生たちのスピードにびっくりしたけど、張静先生はもっと凄かったです。
続々とドアから入る患者さん診察して、途中でスマホからビデオチャットの音が鳴ります。オンライン診察を終えて、適切の処方箋をwechatで返す。そして、また座ってる患者さんの診察を続けます。
問診が終わると患者さんは、すぐ後ろの空いているベッドを探して寝転がる。そして、新しい患者さんの問診を始める。問診している間、後ろのベッドには寝て待ってる患者さんがたくさん集まると、ある程度の問診が終わったらすぐ鍼を持って鍼治療を行う。
忙しい時は、針治療を待ってる人は30分ぐらい待たされる時もありました。でも、みんな慣れたのか、スマホを見ながら寝てる人がいれば、隣の知らない患者さんと会話を交わす人もいました。私のお母さんも知らない地元のおばさんとなんかよくしゃべってました(笑)

鍼治療の所はいちおうカーテンが付いているけど、ほぼオープン式なので、日本と違います。みんな着替えなしで普通にお腹、肘膝を出して、張静先生が来るのを待っている。出せない人は、そのまま服の上からプスプス刺していました。これは台湾で見たのと同じですね。
奥のベッドのカーテン、何回か閉まったのを見ましたが、それは女性の乳房とか検査するときでした。
診察は電子カルテを出して10個の問診を行った後、脈診・舌診・眼診をしてから、すぐパソコンで処方箋を書いて送信。左前にいる薬剤師はプリントアウトされた処方箋をもらったら、すぐ生薬を計って煎じる。
煎じ終わるまで、患者さんは鍼を受けながら待つか、もしくは一旦帰宅して1時間半後に戻る。煎じ薬は配達もしてくれるので、患者さんは楽です。
イメージ的には鍼が補助的な手段で、漢方薬がメイン。だから、鍼の本数もそれほどない。多い人は20本くらい、少ない人は数本しかなかったです。もちろん漢方薬を飲まないで、鍼だけする方は鍼の本数も多かったです。
私が突然『鍼抜き助手』に任命された日
何日か滞在して研修したとき、一日だけめっちゃくちゃ混んだ日がありました。はっきり覚えてないですが、2時間ぐらいで70~80人の鍼治療の患者さんがいました。それ以外に、問診して漢方薬の処方もあり、wechatからのオンライン診察も入る。目が回るほどでした。これは、もはや戦場です。
張静先生は患者さんの症状を聞いて素早く針を刺して、次から次へと一気に10人の鍼をするのです。20分経ったら助手さんが針を取りに行きます。
その日はあまりにも混んでいたので、張静先生が突然後ろに立っている私に話しました。
「リーさん、リーさん、あなたが鍼を抜いて!」
「えっ?私ですか?!」
「そう!あなただよ!早く取って」

マジかよー
大混雑する診療所で、私はひとりひとりの鍼を取りました。こんなにたくさんの人に一気に針を刺したのは初めて見るので、最初はめちゃくちゃ混乱しました。誰を先に刺したのか、私は覚えてないのです。幸いにも助手さんが覚えていて、教えてくれたので助かりました。
その後、私も教訓を得て、誰々が先に鍼したのか覚えるようにしました。でも、患者さんが多いので、覚え間違えるときもあったのです。そうすると、患者さんが自らいいます。「私はあと〇〇分後ですよ」(笑)
張静先生はあとで笑いながら私に話しました。
「悪いですね。研修に来たのに無料の労働力になってもらって。」
鍼を抜くとき、刺し方・角度が分かるし、なぜこのツボを選んだのかも推測できるチャンス。だから、私にも勉強になる一環でした。無料のバイトではないですね。
(後篇はもっと長いので、しばらくお待ち下さい。)

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