こんにちは、李哲です。
アメリカの中医師、鄭智城先生1の症例、炙甘草汤:马来西亚华妇心悸心慌五剂治愈_郑智城_新浪博客(2011-11-01 発表)を翻訳しました。
炙甘草湯 はどのような仕組みで心臓を治しているのかも解釈しています。動悸・息切れ・不安障害で悩んでいる方は、ぜひ漢方薬を試してください。
常に不安感で怖い、ドキドキするのは心臓が原因
羅大伦さん(李哲説明:中医学の普及に力を入れた有名な作家)は話したことがあります。「中医学を信じ始めたのは、炙甘草湯で自分の動悸が治ったから」
私も臨床で炙甘草湯 を良く使います。
以下は一つの治療例。
ある日、マレーシア生まれの中年婦人が来ました。不安そうな顔で言ったのは、「いつも心臓がドキドキして、常に不安感で怖いです。何を怖がっているのか分かりません」
ちょっとした事で、心臓がドキドキする。
心臓に問題がある人は、いつも不安そうな顔をして、いつも同じ質問を繰り返します。このような人はたくさん診たので、すぐ心臓の問題だと判断しました。
もし、西洋医学の検査を受けたら、西洋医学は不安障害.うつ病だと診断して、精神科医に行くかもしくは抗不安薬.抗うつ薬を飲ませます。
患者さんは西洋薬を飲んでさらに興奮し、尋常ではない理性的ではない行動をとる。尋常ではない行動は、邪悪な西洋薬の副作用です。そして、さらに追加で精神病だと診断します。
「炙甘草湯」が心臓を治す仕組み
炙甘草湯の特徴は、大量の生地黄を使うこと。
『傷寒雑病論』に書いた量はもともと1斤、私は1両以上を使います。
生地黄は血を補います。
生地黄の色は黒で、大量の鉄分を補給できる。これは西洋医学の角度での解釈です。中医学の角度で言うと、生地黄は血の流れを良くする作用もあります。
人参は党参で代用、3銭。作用は気を補給。
火麻子仁は、アメリカで禁止している大麻の種。たくさん食べると、「令人见鬼狂走」(ヒステリックになり、幽霊などが見れる)の副作用がある。しかし、ちゃんとした量を使えば、「主五労七傷,利五臓」の効果があります。
桂枝は動脈血管を広げる作用があります。
4銭の炙甘草と組み合わせすると、安定した心拍数を維持できて、大量の生地黄とアギョウが作った血液を全身に送り出す。
こんな巧妙な設計で、心臓病が治らないわけがない!
動悸、心臓がドキドキするのは、3日の「炙甘草湯」で治った
マレーシア生まれの女性は、5日分の炙甘草湯しか買っていません。3日分だけ飲んで、心臓の動悸・不安・恐怖などが治りました。
彼女は生薬が高いからもったいないと思って、残りの2日分も飲んじゃったそうです。彼女みたいな年齢になると、炙甘草湯はもっと飲んでも構いません。
李哲の解釈と感想
日本には市販の炙甘草湯があります。煎じ薬ではないですが、外出先でも気軽に飲めるのでオススメ。ただし、既製品を飲んでも動悸・息切れが改善できなかったら、煎じ薬にする必要があります。
また、漢方薬以外に鍼灸も動悸に良いです。
今までの経験だと、鍼は即効性に優れている。一つの症例があるのでご覧ください。
八会穴の公孫+内関のセットだけでも心臓がかなり楽になる。強化バージョンとしては心兪、巨闕などを追加するとなお良いです。
漢方薬みたいに5日で治せないかも知れませんが。漢方薬がない時には代用の治療法になります。良い漢方医がいなかったら、鍼灸も試してください。
鍼がダメな人は、足つぼ整体も一つの解決策になります。
以下は過去症例、参考になると幸いです。
鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。
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