こんにちは、李哲です。
アメリカの著名な中医学先生、倪海厦(ニハイシャ)先生1の弟子が書いた治療例、頭痛,牙痛,腳痛(網診)を翻訳しました。オンライン診察で頭痛、歯の痛み、足の痛みを10日くらいの漢方薬で治した例です。
漢方薬治療を希望する方は、ニハイシャ先生の弟子たちが集まっている台湾の診療所に問い合わせしてください。私が研修にも行ったところで、信頼できる診療所です。病院の治療よりも副作用なくて、根本的な治療になります。台湾診療所の住所・電話番号などの詳細は、以下をご覧んください。
頭痛が1ヶ月も続く患者さん
患者さんは56歳の女性。
68kg、150cm。肥満体型。
初診日は2008年7月16日。
主訴はこの1ヶ月、頭痛がある。
漢方薬の「脳心舒」を飲んで少し緩和。昨日12時まで寝てあとは、頭痛がひどくて寝れてない。
主に両こめかみ、太陽穴あたりが痛い。
今日、地元の病院に行ってCTと心電図検査をしたら、心電図は正常。CT検査では軽い脳梗塞が疑われるので、入院治療を勧められましたが、患者さんは入院したくないので、漢方薬を試しにきました。
中医学の問診
1.睡眠:
この1ヶ月、毎晩9時に寝て夜中の2~3時に起きた後は朝まで寝れない。
2.食欲:
お腹が空かない。
毎食は茶碗1杯分。
以前は2杯分を食べた。
特に食べたいものはない。
3.大便:
1日1回。
朝方に出る。
4.小便:
薄い黄色で、1日4~5回。
5.喉が渇く:
喉が渇かない。でもちゃんと温かい水は飲む。
6.寒熱:
身体が熱いと感じる。手足は温かい。
でも、娘さんが触ると冷たいと言ってました。
7.汗:
汗が出やすい。
8.体力、精神状態:
体力はある方で、疲れはしない。
9.月経:
今年で56歳。
閉経したのは3~4年前。
1回目の処方
処方箋:
加味温胆湯(カミウンタントウ)
半夏9
柴胡12
竹茹(チクジョ)9
玉竹9
黄芩9
白芍9
勾騰9
甘草3
生姜3切り
ナツメ4個
川窮9
茯苓9
白朮9
(単位はグラム)
7杯の水(1400ml)で、3杯(600ml)になるまで煮詰める。朝昼晩、食後に温めて飲む。3日分を処方しました。
2回目の診察:頭痛は消えて、ご飯が1.5杯食べられるようになった
2008年7月18日。
2回目の診察で、自覚症状の変化は以下の通り。
1.頭痛は消えた。
睡眠は良くなり、夜9時から朝の4時まで寝れる。途中で1回トイレに行くけど、またすぐ寝られる。
2.もともとあった右膝の内側が痛かったけど、今朝見たら右膝後ろの膀胱経に痛みがある。
3.もともと下歯の痛みがあったけど、昼はあまり痛くない、夜寝る時に比較的に痛い
4.右耳の後ろ、胆経の所が昨日の午後たまに痛かったけど、夜になってから今まで痛くなってない。
5.食欲が増えて、1.5杯のご飯が食べられる。
6.水を飲む量が、前より減っている。
7.精神状態は漢方薬を飲む前より良い。
処方箋:
半夏9
柴胡12
竹茹(チクジョ)9
玉竹9
黄芩9
白芍9
勾騰9
甘草3
生姜3切り
ナツメ4個
川窮9
茯苓9
白朮9
牛膝9
桂枝9
(単位はグラム)
7杯の水(1400ml)で、3杯(600ml)になるまで煮詰める。朝昼晩、食後に温めて飲む。5日分を処方しました。
3回目の診察:ご飯が2杯食べられるようになった
三回目の診察、2008年7月24日。
1.右膝の後ろの膀胱経の痛みは、前より増えた。
2.右下の歯の痛みは、変化なし。
3.食欲が更に良くなり、2杯のご飯が食べられる。
問診:
私「膝後ろの痛みはどんな痛みですか?皮膚の痛み?筋肉痛?骨の痛み?筋の痛み?」
患者さん「筋の痛み。」
痛みの場所は具体的に言うと、委中穴から下3寸の所まで。膀胱経の痛みは葛根湯を追加。筋は肝臓が司るので、延胡索で痛みを緩和し、女貞子で肝臓を潤うようにしました。
処方箋は以下の通り。
柴胡12
竹茹(チクジョ)9
黄芩9
勾騰9
白芍30
炙甘草9
生姜3切り
ナツメ4個
葛根20
延胡索9
女貞子9
(単位はグラム)
7杯の水(1400ml)で、3杯(600ml)になるまで煮詰める。朝昼晩、食後に温めて飲む。5日分を処方しました。
4回目の診察:頭痛と歯の痛みは治り、足の痛みも8割治った
患者さんの報告:
頭痛と歯の痛みは消え、足の痛みは8割治った。
続けて同じ漢方薬を2日分処方して、完治しました。
弟子 黒天使 敬書
倪海厦(ニハイシャ)の先生の評価
この学生は人紀クラスのDVDで勉強しただけで、こんなレベルが高いです。弁証法が正確だけではなく、処方箋も百発百中。
彼はまだ中医薬大学の学生で卒業してないけど、将来は必ず素晴らしい経方の先生になるでしょう。
こんな素晴らしい弟子が経方家の列に参加してくれて、とても嬉しいです。将来の成績はきっと計り知れないと思います。
(おわり)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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