六十年の頭痛は鍼と柴胡桂枝湯で治り、便秘は小承気湯ですぐ治った。

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こんにちは、李哲です。
中国河北省の有能な女医(中医師)、張静先生の症例を翻訳しました。びっくりするくらい頭痛歴が長い患者を治した内容です。

60年も治してもらえてない。
現代医療は発達したと言うけど、なぜ頭痛すら治せないでしょうかね?

头痛60年
...

45年の頭痛例が最長だと思ったら、60年の患者さんがいた

今回の症例を記録したのは、誰か本記録を突破する人がいないかを見るためです。

数年前、45年も頭痛に襲われた患者さんを治療した事がありました。当時、私が思ったのは、45年もある頭痛は超えられない記録でしょう。思いの外、今日この記録は破られました。

頭痛45年の患者さんは今でも鮮明に覚えています。患者さんはたくさんのMRIを撮ったら瘀血がありました。彼女が言うのは、「瘀血は治さなくていいです。あまりにも痛いから壁に頭突きしたのが原因です。頭痛だけ治療してくれれば良いのです。」

彼女は最後、 半夏秫米湯で治りました。

頭痛歴60年の患者さんは「柴胡桂枝湯」で治った

次は頭痛60年の患者さんの治療経験を話します。

2021-10-18
1回目の診察。

患者さんが言うのは9歳から頭痛があって、現在は69歳。つまり、頭痛歴が60年です。

9歳のとき腎炎になってから、風に当たると頭痛が発作しました。頭の天辺が痛くなるので、毎日帽子をかぶって、一刻も帽子を取ることができません。

60年も頭痛が治らない老人

60年も頭痛が治らない老人

大便は最初は硬くてその後は下痢、1日1回便通がある。ほかの症状は、だいたい正常。舌苔が少し白くて、脈は少し弦脈。

処方箋は柴胡桂枝湯さいこけいしとうをアレンジしました。

2021ー10ー29
再診察に来るはずですが、コロナの影響で彼は外出ができず、宅配便も現地に入れなくなりました。コロナが解除され、彼はやっと診療所に来られたのです。

処方箋は前回同様。10日分。

彼は自宅が天津で、帰らないといけないかも知れないので、鍼灸も併用する事を薦めました。治りが早くなるから。そして彼は鍼灸も同時に受けました。

頭痛は完治したけど、便秘の症状が出た

2021-11-28
3回目の診察。

頭痛はすでに治り、新しく便秘の症状が出ました。たくさんの冷たい水を飲むと楽だそうです。

処方箋:小承気湯しょうじょうきとうのアレンジ。

便秘は小承気湯で治った

2021-12-9
4回目の診察。

頭痛は確かに治っている。でも、頭痛が再発するのが怖いからもう一度飲んで治療効果を定める事にしました。彼は今度天津に帰るので、私は漢方薬を宅配便で送りました。

彼の病気は、「三陽」にあります。だから、こんなに長い間の頭痛があっても、軽い処方箋で背中を押すだけで済んだのです。特に3回目の処方箋で、病気はすべて「陽明」に転移しました。彼の自己調整機能は本当に素晴らしかったです。

李哲の説明:
「三陽」が指すのは、太陽・少陽・陽明です。病気がどの段階にあるのかを示す名称。以下の記事で詳しく説明しているので、どうぞご参考にしてください。

風邪薬の副作用:だるい、吐き気、めまい、下痢はなぜ起きるのか?中医学の理論では、薬で風邪が悪化したからです

李哲の解釈と説明

半夏秫米湯は頭痛以外、不眠症にも良く使われる

半夏秫米湯の構成は、半夏と秫米(小米)だけです。処方箋の紹介は以下の外部サイトをご覧ください。日本語で解釈したサイト、これ1個しかないのはビックリ!日本の漢方医たちは、全く使わないことですね。

不眠に半夏秫米湯 - 漢方まんだら
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半夏秫米湯は私も使ったことがないので、興味津々です。張静先生は頭痛を治したと言うし、中国ネット上では不眠症を治せると多く記載されています。頭痛と不眠症は全く違う症状だけど、同じ処方箋で治せるみたいです。

柴胡桂枝湯の解釈

柴胡桂枝湯さいこけいしとうの構成は小柴胡湯+桂枝湯です。
一般的に小柴胡湯だけでも治せるけど、桂枝湯を追加したのは頭痛歴が60年もあるから。小柴胡湯を入れた理由は、脈診が弦脈だからだと思います。

小柴胡湯と桂枝湯は、たくさんの処方箋のベースになっているもので、様々な不調を治せます。

以下は小柴胡湯の一つの症例。気持ち悪い、生理が来ない、背中と脇腹が痛いなどの症状、小柴胡湯1日で治りました。病院に行ったら、何日で治るでしょう?

小承気湯以外、便秘を治す処方はあと6種類もある

小承気湯しょうじょうきとうは便秘を治す処方箋です。組み合わせと比例は大黄4:厚朴2:枳実3(もしくは2)。大黄が1番多い。

中医学の聖典、『傷寒雑病論しょうかんざつびょうろん』には便秘の処方が7つも記載されています。小承気湯しょうじょうきとう以外の処方箋は大柴胡湯、大承気湯、調胃承気湯、大黄附子細辛湯、厚朴三物湯、麻子仁丸など。

なぜ7つもあるのか?皆さんは不思議だと思うでしょう。

ざっくり説明すると、大まかに「性質が寒い便秘」「性質が熱い便秘」に分けて、温める生薬と冷やす生薬を使い分けます。その後は、大便が十二指腸あたりに、小腸、大腸、肛門あたりにつまったか?場所によって処方箋も変わります。

昔の中医学はレントゲン・CTもなかったのに、どうやって小腸につまった便秘と大腸につまった便秘を区別できるのか?簡単です。患者さんの症状が違うから。患者さんが訴える自覚症状は、任意のハイテクノロジー医療機器よりも正確です。

鍼灸で頭痛を治すときの治療原則

漢方薬は気血不足など考えますが、鍼灸でもっとも考えているのは、どの経絡が患部とつながっているかです。したがって、頭痛の部位によって治療するツボ・補瀉方法が変わります。

たとえばオデコの痛み。頭頂部の痛み。偏頭痛。後頭部の痛みなどはみんな治療するツボが違う。以下、数件の鍼治療例を貼りますので、参考になると幸いです。(1つだけほかの鍼灸医の症例)

上記の患者さんみたいに60年も頭痛を患った方は、まだ診たことないですが、おそらく1~2回で治らないと思います。病歴が長いので、必ずほかの経絡・臓器にも悪影響が出ているはず。

最初から漢方薬・鍼灸治療を受ければさっさと治ったのに、病院でたらい回しされて60年も治ったないまま…お気の毒だとしか言えません。

幸いにも張静先生に出会えたこと。もし張静先生がいなかったら、死ぬ日まで頭痛に襲われ、毎日帽子を取ることができないでしょう。

(おわり)

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