全身の皮膚かゆみが漢方薬3日で大幅改善!不眠と乾燥肌の症例(火神派処方)

数年前、アメリカ在住の痩せ型女性が「全身の皮膚が耐えられないほど痒い…」と来院。不眠症も長年続き、皮膚のツヤも失われていました。

火神派の漢方処方(黄耆・当帰・乾姜・五味子・蜂蜜)で、わずか3日で痒みが劇的に改善!

血虚による乾燥肌の根本解決例を、李哲が翻訳・解説します。

目次

全身かゆい女性、漢方薬3日で著しく改善された

数年前、ある痩せ型の中国女性が治療に来ました。彼女の主訴は、全身の皮膚が痒い皮膚のツヤもなくなっていました。

白いタオルを巻いた女性が首周辺の皮膚を掻いている様子。全身のかゆみを表現。
尿毒症のような激しい全身かゆみと乾燥肌に悩む女性のイメージ(症例写真)

私は当時、どう解決したら良いのか分かりませんでした。彼女が言うのは、数年前から不眠症で眠れないそうです。若い時、出産後にまったく眠れなくて、看護師が驚いて質問しました。「なぜ寝ないのですか?」彼女の答えは、「なぜ寝られないのか、私も知りません」

あとで火神派の鄭钦安の本を見てから、「陰虚証」であることが分かりました。「陰虚証」だから皮膚が乾燥して、陽気が陰の中に入れなくて眠れない

鄭钦安の処方箋を真似して出しました。

木の皿に盛られた黄耆(おうぎ)の乾燥スライス。漢方薬の主薬。
皮膚病に効果抜群の黄耆。気と皮膚を補い、再生を促す生薬
  • 黄耆
  • 乾姜
  • 当帰
  • ハチミツ
  • 五味子

患者さんが教えてくれたのは、すぐ効果が現れ、皮膚の痒みが著しく減りました

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この処方箋は、陰虚証と関連性がないように見えます。黄耆、当帰、乾姜、炙甘草、五味子など皆熱い生薬だから。しかし、鄭钦安の解釈は納得いくものでした。

●当帰+黄耆は「当帰活血湯」。比例は黄耆4:当帰1

●乾姜と炙甘草は苦甘化陰。乾姜は苦い、甘草は甘い。

●五味子の作用は収斂(しゅうれん)。陰虚証で咳が出るときに最適な生薬です。

●ハチミツの肺を潤い、陰を補う作用は言うまでもない。しかし、たくさんの人は、ハチミツに消炎解毒作用があるのを忘れています。この処方箋で、ハチミツは肝の役割だと言っても良いでしょう。

木のディッパーから透明なガラス容器に蜂蜜が垂れている様子。
陰を補い消炎作用もある蜂蜜。この処方で肝の役割を果たす

※アメリカの中医師:鄭智城先生1の症例、、疑似尿毒症老妇皮肤瘙痒_郑智城_新浪博客(2013-10-19 発表)を李哲が完全翻訳しました。

李哲の解釈と説明

処方箋の解釈

生薬の作用を分析します。

●黄耆、五味子は気を補う。特に黄耆は皮膚病に効果バツグンで有名。新しい皮膚を再生してくれる作用があります。以下は黄耆が入った処方箋で皮膚病を治した例。参考になると幸いです。

●ハチミツは五臓六腑の陰液・血を補う。
●当帰は血を補う。
●乾姜は胃腸の働きを強化する。

全体的の傾向は、気を補う同時に陰液・血を補って、皮膚を潤う感じです。患者さんは痩せ型なので、胃腸の働きが弱いのが予測できます。だから、乾姜はうってつけの生薬。

乾姜を応用した処方箋で、体温を上げた例があります。以下の記事、参考にして下さい。

陰虚証は温病派がメインに使う病名

「陰虚証」は傷寒雑病論しょうかんざつびょうろんで言及してない言葉です。「陰虚証」は後世の漢方医たちが作り出したもの。もっとも多く引用しているのは、「温病派」の先生たち。どんな患者さんを見ても、陰液・血が足りないと判断し、補う生薬ばかり使います。結局、患者さんは治らず、将来的に悪化する種をまくのです。

上記の温病派に関しては、ほかの記事で詳しく説明しました。以下の記事、参考になると幸いです。

胃腸障害は鍼灸、漢方薬の得意分野

胃腸が弱い場合は、お腹の中脘、足の足三里など有効です。刺したあとは、食欲が湧いてきてご飯を食べる量が増えます。ご飯さえ食べてくれれば、自然に筋肉がついてきて、皮膚の調子も良くなる。

鍼灸もしくは漢方薬、どちらも食欲不振を治せます。以下はご飯が美味しくなり食べる量が増えた症例、参考にして下さい。

皮膚の痒みには鍼灸も同じように効く

上記の女性患者、記述が少なくて判断しにくいですが、おそらく血が足りなくて皮膚を潤うのが少ないから皮膚の痒みが出たと思います。血が足りない原因は、不眠症、寝てないからです。

鍼灸治療の場合、漢方薬より即効性があるかも知れません。今までの経験だと、鍼を刺して間もなく痒みが止まります。1回で完治するとは言えませんが、少なくとも数日間はよく眠れます。一つの症例があるので、参考にしてください。

不眠症、皮膚のかゆみなどは中医学治療を受けるべき!

不眠症であろうと全身かゆい症状であろうと、血がたりないのか気がたりないのか、原因を突き止めれば自然に治ります。かゆいから痒み止め、眠れないから強制的に寝かせる睡眠導入剤…これでは病気が治りません。いずれか、薬の毒素がある程度まで溜まったとき、また新しい病気がたずねて来る!

不眠症、皮膚のかゆみは漢方薬もしくは鍼治療で、すぐ良い結果が見られます。しかも、内臓を治す根本的治療法で、副作用もありません。病院の薬に頼りたくない方は、ぜひ試して下さい。

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  1. 鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。

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