こんにちは、李哲です。
ニハイシャ先生の弟子、楊貞先生の治療例6を翻訳しました。前回の記事は以下をご覧んください。
患者さんは43歳の女性、体型は中。
症状は半年前から胸が苦しい。この2日は、毎日2回発作。1回発作すると、だいたい30分持続する。
両乳房には大小不均等の硬いしこりがあり、押しても痛みがない。
生理前は胸が張って痛い。
生理の周期は30日、出血は3日で終わる、出血量は少ない、色は暗くて血の塊がある。同時に下腹部痛が半日ある。
睡眠はこの1年悪い、夢が多くてたまには眠れない。
汗が出にくい。
昼間の気力はまだ良いほう。
水を飲みたがらない。たまに冷たい水を飲むとお腹が痛くなる。
食欲は良くて、お腹が空く。ただし、お腹が空いた時にすぐ何かを食べないと落ち着かなくて、パンとかお菓子を食べる。
便秘、硬い便が2~3日に1回に出る。
尿の色は中の黄色。
体は寒がり、手足は触ると冷たいけど、手足のひらは灼熱感がある。
舌苔は薄い赤、脈は微細、手は冷たくてしっとり。胸椎5番には圧痛がある。
診断:
●裏寒
●陽明病
●心臓の気が上がらない
漢方薬と鍼治療:
①鍼で刺したのは公孫、内関、天突、巨闕、関元。鍼したら胸が苦しいのはすぐ減り、その夜に飛行機で帰りました。
②処方箋:
大黄3、加工したトリカブト(附子)6、細辛7、石膏40、炙甘草3、桂枝3、厚朴3、◯◯3、◯◯3、◯◯3、茯苓5、白朮3、防已3、◯◯3、◯◯2◯◯2、◯◯3、◯◯3、◯◯5、◯◯3、生姜2切り。
2週間後、電話で以下の報告がありました。
「胸が苦しいのはなくなり、お腹が空くと動悸がするのがだいぶ減りました。生理痛が消えて、生理の量が増えたけど、血の塊はまだあります。睡眠の質が良くなり、手足は暖かくなりました。汗も正常に出ている。乳房のしこりは減って柔らかくなってきました」(患者本人がいうのは、50%減った感じ)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
コメント