こんにちは。李哲です。
アメリカの中医師:鄭智城先生*1の記事を翻訳しました。様々な「精神病」は漢方薬で治せることを知ってもらえると嬉しいです。
中国語本文のリンク先は、中医治疗一个高中生的精神病的一点体会_郑智城_新浪博客 (2011-06-14 発表)
うつで自殺したい高校生、入院させると廃人になるから、入院治療はダメ!
患者さんは高校2年生の子。
勉強のプレッシャーが強すぎたのか、徹夜勉強で睡眠不足で精神がおかしくなったのか、「自分はとてもうつで自殺したい」と言いました。
子供のお母さんは驚いて、すぐ心療内科の先生に電話して相談。心療内科の先生のアドバイスは、息子さんをすぐ入院させること。
お母さんは迷っていました。
「万が一入院して、退院できなくなったらどうしよう?」
そして、私にアドバイスを聞きに来たのです。
私はお母さんに言いました。
「絶対入院させないで!一旦入院したら、めちゃくちゃになります。病院は必ずいろんな薬を飲ませて、息子さんはバカになり、何もする興味がなくなります。入院して死んでないだけで幸いだと思ってください。治療結果がどうなるか、病院側は気にしてないから。」
息子さんはおそらく長期的な睡眠不足と勉強のプレッシャーで、精神が崩壊しそうになったでしょう。大事なのは、彼を寝かせる事。
警察も犯人を審問する時、寝かせないでしょう?十中八九は精神が崩壊しそうになり、全部白状します。
▼李哲の説明:以下の記事には、足ツボ整体が痛すぎて、中国では拷問に使わないのか?と質問したおじいちゃんがいます。まあ、拷問は冗談ですが、施術が痛いのは事実。ただし、患者さんは帰ったと、とても良く眠れます。
病院の治療はレスキュー、もしくはあなたを殺す(Kill)ところ
私の一人の外国人患者。
彼女のお父さんは退職した歯科医だけど、入院してからベッドに拘束され精神が朦朧とした状態です。「病院の治療」をされてから、骨と皮しかないくらい痩せました。
彼女は2週間に1回、飛行機でニューヨークに行って、お父さんの介護をしている。彼女の留守が多くて、ご主人と子供たちは不満が出たそうです。疲れきった彼女は私に言いました。
「必ずお父さんを退院させます!
病院は人間がいる所ではない。病院はレスキュー(Rescue)、もしくはあなたを殺す(kill)ところ。中間のものはありません!」
言い換えると、病院は消防隊みたいにあなたの部屋を壊して車を潰し、あなたを救って来られるけど、あなたの車と部屋がどうなるのか、病院は気にしてない。
▼李哲の説明:「治療は成功したけど、患者さんは病気で死んだ」。このセリフは西洋医学が良く話す言葉。
本当に病気で死んだのか?
治療が有効なら、なぜ癌治療医たちは自分が癌になったとき、抗がん剤を選ばないと言うんですか?
情緒不安定・よく泣く症状は、2日の漢方薬で治った
彼女の息子さんは顔に暗いニキビがあり、唇と耳が赤い。喉は渇いて、たくさんの水を飲みたがる。舌は腫れて大きい、舌苔は白。
処方箋は「小柴胡湯」+石膏、2日で情緒不安定は治りました。
以前、彼はよく勉強の途中で大泣きし、下校後も家でグズグズ泣いてましたが、漢方薬を飲んでからは正常になりました。
試行錯誤で、やっとベストの処方箋が見つかり諸症状が治った
情緒不安定が収まった後、彼が長期的に向精神薬などの麻薬を飲んだので、肝臓と腎臓が比較的に弱いと判断し、黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)+附子(トリカブト)を処方しました。
なんと、この処方は間違い!
彼は何回か飲んだあと、「飲みたくない。身体が調子悪いです。」と言ってました。(feeling not myself)
そして、処方箋を変えました。彼は以前、「柴胡竜骨牡蛎湯」を飲んだことがあって、この漢方薬は自分にとても合う気がすると言ってました。feels genetically right。ただし、この漢方薬を飲むと、睡眠時間が長くなりすぎて困る。
「柴胡竜骨牡蛎湯」は精神的にダメージを受けた人、驚きで病気になった人のためにある処方箋です。しかも、実証の時だけ使う。
彼みたいな虚証には合わない。私は少し考えてから、処方箋を「柴胡桂枝乾姜湯」にしました。
今度は効き目があっただけではなく、予想外の治療効果もありました。
▼李哲の説明:「柴胡桂枝乾姜湯」は以下のように全然違う病気でも治せます。なぜなら、病気の原因は同じだからです。中医学では、これを「異病同治」だといいます。
うつ病が治るついでに、パニック障害まで治った
彼はもともとひどいパニック障害があって、夜寝る時はドア.窓など全部ガッチリ閉めないと眠れないそうです。真夏でも閉めるので、部屋中はとても臭い。
もし、無理してドアを開けた時、彼は必ず点灯したまま寝る。電気を消すのを怖がるそうです。もっとビックリしたのは、彼はいつもベッドの隣に木の棒を置いている。
1回、彼のお母さんが彼が眠った後部屋に入ったら、彼は急に目覚めてすぐ隣の木の棒を握って殺気立って、お母さんはとても怖かったそうです。
今度の柴胡桂枝乾姜湯を飲んでから、彼は11時前に寝るだけではなく、ドアも閉めなくなりました。まるで、彼の頭の中のつながってないケーブルが、急に正しくつながった感じですね。
「精神病」は脳の病気ではなくて、五臓六腑が原因である
西洋医学の定義で「精神病」だと診断される人は、山ほどいます。私の診療所にもよく「自分が精神病、今何々薬を飲んでいる」という人がいます。患者さんが自ら言わなかったら、あなたは絶対に精神病患者だと分からない。これは西洋医学が市場開拓するために、精神病の定義を広めたせいが大きいです。
この話はあとにして、精神病は中医学の治療では、先に五臓六腑の治療から始めます。
精神病は脳の問題ではなくて、五臓六腑が原因です。
大原則は、
- 心臓は喜びを司る。
- 肝臓は怒りを司る。
- 肺は鬱を司る。
- 脾は思を司る。
- 腎は恐を司る。
この理論に従えば、精神病を治すのは難しくないです。唯一に必要なのは強い根気.細心と自信。
▼李哲の補足説明:五臓六腑と感情の関連は、過去記事で詳しく説明しました。参考になると幸いです。
李哲の解釈と感想
うつ病、躁うつ病などの治療には化学薬品しかないイメージですが、漢方薬のほうがもっと良い治療効果があることを証明した記事です。
中医学ではよく「肝気鬱結」(かんきうっけつ)と言いますが、強いストレス.プレッシャー.思い込みで生じた自覚症状の一部が、現代医学でいううつ病.躁うつ病に似ている。詰まった気の流れを良くすれば、精神状態も良くなります。
内臓のバランスが崩れたから、精神状態にも影響を与える。だから、五臓六腑を治せば精神疾患も良くなります。脳内の〇〇成分を補うことでは、精神病が治りません。
数年前、足ツボ整体でうつ病・躁うつ病を治した例があります。詳細な施術記録と私の感想も書いてるので、読んだことがない方はどうぞご覧ください。
鍼灸治療の場合は、冷え症があったら重点的に関元などにお灸をすえる。冷え症がなかったら、合谷、太衝、三間、百会などで鎮静作用があるツボを選ぶ。ほかには具体的な症状によってツボを選んだほうが良いです。
鍼の鎮静、催眠作用は、あなたの想像以上です。
以下は一つの症例。ドライアイが1回で治っただけではなくて、鍼した日はとても良く眠れると報告した女性の例です。睡眠導入薬よりもすごい報告は、しょっちゅう聞いているので全然驚きません。
3~4日連続で不眠症が治ってよく寝れる人もいるし、1回で良くなっている方もいます。頑固な不眠症は数回かかりますが、少なくとも1~2回だけでも効果は現れます。
精神科の薬の副作用は、自殺願望が増えるので十分気をつけてください。なぜ自殺行為に走るかは、当院の患者さんから聞きました。とても貴重な体験話なので、ぜひ目を通してください。
*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。
コメント