知覚過敏、歯がしみるのは「真武湯」で治り、歯が丈夫になった同時に、低血圧とめまいも治った。

「歯がしみて食事がつらい」
「冷たい物が痛い」——
そんな知覚過敏が、漢方の真武湯で改善した症例です。

歯の強さは腎と深く関係し、治療後は低血圧・めまいまで同時に良くなりました。歯科で改善しない方に知ってほしい中医学の視点です。

※中国河北省の有能な女医(中医師):張静先生1の治療例、牙齿为何会磨损如此严重?(2021-3-29発表)を李哲が完全翻訳しました

目次

症例|知覚過敏と歯の摩耗がつらい53歳女性

主訴(歯の摩損・知覚過敏)

患者さんは53歳の女性。
最近、歯の摩損がひどくて豆腐を食べるのも辛い。冷たい熱い酸っぱい食べ物でも、知覚過敏になるそうです。

右ほほの痛みで顔をゆがめる女性が頬を押さえている様子
右ほほの痛みでつらい表情を見せる女性

私が見ても、どこの歯が削られているか分かりませんでした。

私「本当に歯が削られていますか?食べるのが普通になり、歯が削られた感じがなくなるのは、自分で分かりますか?」

彼女「もちろん分かります」

私「では、体の感覚を信じて下さい。私の目では本当に分かりません」

その他の症状(低血圧・めまい・腰痛など)

彼女のほかの症状は以下の通りです。

  • 腰痛、過労とともにひどくなる。
  • 低血圧、よくめまいがする。
  • 以前は歯の痛みがよくあったけど、今は痛みではなくて、重だるい。
  • 寝起きは手足の腫れる感じがする
  • よくゲップが出る
  • 食欲と睡眠は良い
  • 舌は腫れて、水分が多く見られる。

治療|真武湯アレンジで歯のしみが改善

処方の狙い(腎陽虚の改善)

処方箋は真武湯しんぶとうをアレンジしたもの。

🔎真武湯しんぶとうのほかの症例:長年のしゃっくりが真武湯で治った症例

2回の服用で現れた変化

2回処方したあと、彼女が言うのは「歯が硬くなった感じで、食べても知覚過敏になりません。」

私「歯が削られている感じはどうですか?」
彼女「大分楽になりました。歯が強く硬くなった感じです

同時に、めまいと低血圧も治りました。

その後、彼女が健康診断に行ったとき、頸動脈エコでつまりがあるのが見つかって、ちょっと心配していました。

私は彼女を慰めました。
「もとの処方箋に少し生薬を追加すれば治るので、心配しないで下さい。」

🔎合わせた読みたい:めまいと嘔吐を漢方薬・鍼治療で劇的改善!80歳女性の症例

中医学の解説|歯と腎の深い関係

彼女の主な問題は、腎臓の陽気が足りないのが原因です。

最初私は、もし1~2回処方して歯が重だるい・力がない感じだったら、カルシウム補給になる生薬を追加しようと思いました。結果的に、追加もせずに歯が硬く強くなってきました。

今回の治療例は、私たちに一つの暗示があります。

骨粗しょう症の患者さんは、長期的にカルシウム補給剤を飲んでいるけど、骨密度は低いままです。カルシウム補給剤は、飲み続ける必要があるでしょうか?

🔎合わせた読みたい:骨粗しょう症と食事の関係

李哲の解釈と感想

古典に見る「腎は骨を主る」

中医学理論で歯は腎臓が生み出すものです。つまり、腎臓が強ければ歯も強い。腎臓が弱くなったら、歯ももろくなります。

以下は中医学理論の根拠になる古文の引用、参考になると幸いです。

歯者,骨之所终也。故苦入而走骨,故入而复出,知其走骨也。

引用先:『黄帝内経・灵枢・五味論第六十三篇』より

足少陰気絶、則骨枯。
(李哲の説明:足少陰は足少陰腎経のこと)

黄帝内経・霊柩・経脈第十篇』より

心主脉,肺主皮,肝主筋,脾主肉,肾主骨,是谓五主。

黄帝内経・素問・宣明五気篇第二十三篇』より

歯肉と脾胃の関係

また、歯を支えている歯肉は「土」に属して脾胃との関連性が大きい。言い換えると、脾胃が弱いと歯がガタガタになりやすい、歯が浮いてしまう…などの問題が出ます。

臨床で見てると、腎臓と関連しているのが多い気がします。脾胃とは関連性があるけど、私が診た患者さんの中ではとても少なかったです。ほかの漢方医の症例、宿便と歯の痛みの関連性に触れています。

🔎合わせた読みたい:歯が痛いのは漢方で百発百中!

真武湯が多くの病に効く理由

真武湯しんぶとうは『傷寒雑病論』に乗せている有名な処方箋です。主に利尿作用があって、腹水・全身のむくみ・尿閉などに使います。もちろん、ほかの生薬を少し足すと、また別の作用があります。以下は真武湯を使った様々な症例、参考になると幸いです。

真武湯しんぶとう当帰四逆湯とうきしぎゃくとう
めまいで歩行補助車がないと歩けない乳がん女性、漢方薬飲んでから一人で歩いて診療所に来ました。

真武湯+当帰四逆湯で肝臓がん+乳がんが改善した例

真武湯しんぶとう生脈散しょうみゃくさんで血の塊を吐いた女性。
漢方薬で瘀血を出したから、こんな反応があるわけです。

真武湯+生脈散の好転反応例

なぜ、西洋医学の病名は違うのに、中医学では同じ処方箋で治せるのか?

原因は簡単です。
中医学理論で、その病気らの根本は同じだから。これを中医学では異病同治いびょうどうじだと言います。関連の症例は以下をご覧ください。

カルシウム補給では歯や骨が強くならない理由

よく骨粗しょう症のために、カルシウム補給剤を飲む方がいます。また、牛乳にカルシウムが豊富だから、牛乳は骨の強化ができると信じている方も多い。

残念ながら、カルシウム補給剤を7年も飲んだのに、まだカルシウムが足りない患者さんがいます。詳細は以下をご覧ください。

一つの常識を忘れないで下さい。
西洋医学理論で言うのは、カルシウムの吸収にはビタミンDが必要ビタミンDは日光を浴びないと活性化しません。

言い換えると、あなたがカルシウム補給剤ばかり飲んで、ビタミンDが豊富な食べ物を取らない、日焼けが嫌いだから外出もしない。そうすると、カルシウム補給剤は、何百kg飲んでも効きません。

更に一つ、人工的なビタミンDと自然の食べ物にあるビタミンDは、全く違うもの。サプリメントでビタミンDを補給するのは間違いです。

🔎合わせた読みたい:サプリと食品中のビタミンDは、まったく違う

鍼灸でも歯の痛み・しみは改善できる

鍼治療の症例

上記は漢方薬の症例ですが、実は鍼灸でも歯の諸症状を治せます。漢方薬ほど早く治せないかも知れませんが、数回で緩和もしくは完治ができます。腕が良い鍼灸師だったら、もっと速く治せるでしょう。

以下は私の鍼治療例2つ、参考になると幸いです。

 →かぶせた歯が噛むと痛いのを鍼4日で治した例

 →歯茎の痛みが鍼3回で治った例

歯科だけに頼らない選択肢

歯科医院に駆け込む人が多いですが、なんで歯のトラブル=漢方医・鍼灸医じゃないでしょうか?これは皆さんの頭に植え付けられた固定観念:歯の病気=歯科医院があるからです。

本記事を含め、今後も歯の症例をアップして、皆さんに漢方薬・鍼灸も素晴らしい歯科医であることを知ってもらいです。

西洋医学以外に漢方薬・鍼灸治療もあることを覚えて下さい。ある日、中医学治療を選択したおかげで、歯を抜く必要がなくなるかも知れません。

🔎合わせた読みたい:歯がしみる・痛いのを鍼1回で改善し、神経を抜く手術も要らなくなった

  1. 張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)

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