こんにちは、李哲です。
アメリカの中医師、鄭智城先生1の漢方薬治療例、睡觉时身体四肢总是不自觉的乱舞是怎么回事?_郑智城を翻訳しました。
頻尿(夜間頻尿)と寝相が悪くて動き回る患者が、3日だけの五苓散で著しく改善した例です。同じ症状を抱えている方へ、参考になると幸いです。
漢方薬の大ファンになったヨガ先生
最近、私の診療所にはたくさんの白人男女が来ています。きっかけは、一人の白人女性がこちらに来てから。この白人女性は不妊症が治った友人が紹介してきたけど、最初はやはり半信半疑でした。しかし、漢方薬を飲んでから効果を実感し、彼女は漢方薬の大ファンになりました。
彼女の職業はヨガの先生。
しょっちゅう生徒さんを連れてきています。
喉が非常に乾く・頻尿・寝相が悪いヨガ先生の主人
ある日、彼女は漢方薬を待っている時、残念な顔で私に話しました。
「主人こそ漢方薬が必要な人です。でも、主人は漢方薬をあまり信じない」
私「なぜご主人は漢方薬が必要ですか?」
彼女「主人は喉が渇くのがすごいです。毎日大量の水を飲まないといけない。そして、頻尿。トイレの回数が頻繁すぎて、恥ずかしいくらいです。外食する時、少しの間でもすぐトイレに走ります。ウンザリじゃないですか?」
私は聞いてすぐ興味を持ちました。
聞いた感じでは、八味地黄丸か五苓散の症状っぽい。
中医学の問診と診断
彼女「主人のまた泌尿器の問題があります。尿がチョロチョロで、うまく出ないそうです」私はすぐ「小便不利」の文字を思い出しました。
彼女「主人は睡眠中に動き回って、私の布団まで全部持っていくので良く眠れません。文句を言っても主人は知らない顔をしているし」
『假令瘦人,臍下有悸,吐涎沫而癫眩、此水也。五苓散主之』。私はまた『傷寒雑病論』の文字を思い出して、すぐ彼女に質問しました。
私「ご主人は太っていますか?」
彼女「いやいや、主人は標準体型、細長いです。運動と筋トレを良くしています」
ハッハッハ、これを聞いて十中八九は五苓散であるのが分かりました。でも、ちょっと待って。もう一つ確認しないと。
私「ご主人は汗かきですか?」
彼女「あいや!たくさん汗をかきます」
『傷寒雑病論』に書いたのは、『傷寒,汗出而渴,五苓散主之』。
もう一つのビンゴ。
私はすぐ3日分の五苓散を処方しました。
五苓散を3日飲んでから寝相が悪い・夜間頻尿はだいぶ減った
1週間後、彼女はまた再診察に来ました。
私が質問する前に、彼女がご主人の状況を話してました。
「この漢方薬は飲みやすいそうです。でも、主人は特に変化がないそうです。」
私「睡眠中の手足が踊りだすのは減りました?」
彼女は目が光って、「だいぶ減りましたよ。でも、主人は分からないですね。知っているのは私だけ。おう、そうだ、主人の夜中のトイレの回数も減りました」
たくさんの患者さんは変化に気づいていません。だから再診察の時、一つ一つの症状を確認して、漢方薬が有効であることを伝えないといけない。
五苓散は粉薬タイプが一番良い
五苓散は粉薬を温かい水で飲むのが一番効果的です。
煎じ薬になると逆に効果が落ちる。
たくさんの伝統的な散と丸薬は、今やっているメーカーが少ないけど、とても惜しいです。例えば烏梅丸、煎じ薬になると胃を冷やす可能性があるけど、丸薬にすると胃を冷やしません。
李哲の解釈と感想
漢方薬の製剤は様々
先に説明しますが、烏梅丸の材料には梅があります。中医学では一番酸っぱい梅を選んで、しかもお酢に何日か漬けてから生薬に入れます。どのくらい酸っぱいかは、考えてみれば分かるでしょう。
こんな酸っぱいものを煎じ薬にしたら、貴方は飲み込めますか?
無理です。
誰でも飲んだら、気持ち悪くてすぐ吐いてしまう。
だから、昔の聖人たちは丸薬にしている。外側に蜂蜜の膜があるので、胃の中に入っても吐いたりはしません。
漢方薬の組み合わせと作り方は、その実用性と効能を考えてから配合されているのです。詳しくは以下の記事をご覧ください。
睡眠中に動き回る≠五苓散ではない
上記の男性、睡眠中に手足が無意識に踊りだすのは、皮膚の下に水が溜まっているからです。解決する漢方薬は鄭先生が処方した五苓散。
一つ注意しないと行けないのは、睡眠中に動き回る=五苓散ではないのです。水毒が原因で寝相が悪いので、水毒を治す五苓散が功を奏する。水毒以外の原因で寝相が悪い場合、五苓散を飲んでも効きません。
寝相が悪い・寝汗をかくのは鍼でも治せる
鍼治療の場合は、漢方薬と考え方が違ってシンプルです。
合谷、太衝で安神作用を果たし。
中脘で五臓六腑の腑の働きを良くする。
そして、陰郗と後渓で寝汗・汗をかきすぎるのを治す。臨床では心兪と内閣、巨闕だけでも寝汗を止める時があったので、どのツボを選ぶかは臨機応変。
寝相が悪くて動き回る鍼治療例が一つあるので、以下の記事が参考になると幸いです。
水毒が原因なのか、胃腸が原因なのか、もしくはほかの内臓が原因なのか、中医学は原因を分析してから関連の治療をします。
(おわり)
鄭智城先生はアメリカで開業している漢方医。様々な面白い症例があったので、翻訳させていただきました。人物紹介と診療所情報は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外)をご覧ください。
コメント