こんにちは、李哲です。
中国・石家荘市の女医、張静先生1の漢方薬+鍼治療例、急性心梗(2022/10/8発表)を翻訳しました。心筋梗塞だとほとんどの人は救急車・救急病院しか思い出すでしょう。実際には、漢方薬・鍼治療の効果は西洋医学よりも素晴らしいです。今日紹介するのが一つの症例、参考になると幸いです。
胸が痛い、呼吸困難、両腕がだるくて上がらない男性
一人の患者さんから突然電話きました。
「胸が詰まったように痛いです。そして呼吸困難、頭からは汗が吹き出て、両腕はだるくて上がらないです!」
私「もう話さなくて良いです。現在あなたには2つ選択があります。一つ目は病院に駆け込んで、心筋梗塞の可能性があると告げること。二つ目は私の診療所にくる事」
彼「先生のどこに行きます!」
鍼をして呼吸困難はすぐ改善
彼はすぐ来て、手振り身振りで病状を説明しました。一生懸命、自分は規則正しい生活を送り、身体を鍛えてるのに、心筋梗塞になるなんて不可能だとアピールしていました。
私は彼のみ話を真剣に聞きながら、眉毛間の気色と話すときに気が足りてるかどうかを確認して、彼に話しました。「もう良いから早く鍼して下さい」
鍼を刺したら、彼の呼吸は楽になりました。その後、粉薬を渡して飲み方を教えました。本来だったら、煎じ薬がもっと効果的だけど、彼か心筋梗塞であることをずっと認めないので、とりあえず鍼して粉薬を渡し、明日また話す事にしたのです。
自分が心筋梗塞だと認めない患者
翌日、彼は喜んで来て話ました。
「張先生が正しいです。昨日鍼してからずっと調子良いです。私は本当に心筋梗塞でしょうか?バイパス手術をした友人に聞いて見たけど、みんな私が心筋梗塞になるなんてあり得ないと言ってます。でも、先生は心筋梗塞の治療をして。だから、先生… 」
彼は会社の最高責任者。聞いた人たちも病院の先生ではありません。部下はもちろん上司は心臓病だと言わないし、媚びを売るのが普通です。
また、心臓発作した時の症状は人それぞれです。歯が痛い、腕が辛い、高血圧になる、心臓が痛いなどなど十人十色。
彼はまだ完全に信じてなかったけど、私は言い切りました。「あなたは心臓病です。続けて治療をしてください」。私の指示とおり彼はちゃんと治療を続けて、鍼もやりました。
心臓の痛みなどの諸症状は、7日間の漢方薬と鍼でほぼ治った
3日目。
彼からの報告:
「昨晩の9時頃、1時間くらいすごい辛かったです。胸が押し付けられて苦しんで、汗が出て、腕がだるくて上がれなかったです。辛いから先生がくれた丸薬を飲んだら、すぐ改善しました。でも、まだ汗が出て動けない、息がうまく吸えません」
私「今日は煎じ薬にします。治りがもっと早くなるから」
処方箋は以下のとおり。
桂枝、炙甘草、当归、川芎、丹皮、桃仁、炮附子(加工したトリカブト)、细辛、木通、瓜蒌、薤白、枳实、黄连( 7日分)
4日目。
彼の報告:
朝5時、PCR検査を催促するラッパーの音がうるさくて目が覚めたら、心筋梗塞がまた発作。でも程度は軽め。1番困ったのは、うでの内側がだるくて上がれない、胸周りが少し重い痛みがある、発作時間も短かったです。
5日目。
彼の報告:
お昼12時は痛みがなくて、夜9時になっても朝起きても痛みがない、あいや?!なんで痛くないんだ?今になっても痛くないんだよ?
6日目。
彼はまた鍼に来ました。
痛みはずっとないので、自分はもう大丈夫だと言ってました。
私は非常に嬉しくなって親指を立てて、頑張って治療を続けた彼を褒めました。彼も喜んで頭を振りながら帰りました。
7日目。
彼は来ていません。
ほぼ治ったので大したことないと思ったのもあるし、忙しいから煎じ薬だけにしていました。
急性心筋梗塞を治せると判断した理由
彼が忙しいのは私も知っています。ここ数年、彼の病気はずっと私が治してました。体調が良くなってから何年も来ていません。今回来たのは久しぶり。彼の体質が良く分かるので、今回の治療もすぐ効果が出たのです。
心筋梗塞は足腰の痛みと違うので、一般的に急性症状の患者さんは受付しません。彼を治せると判断したので、来てくださいと言ったのです。でも、改善は完治の意味ではない。改善した後でも、しばらく漢方薬が必要です。心筋梗塞が治ったかどうか、私は中医学理論で判断します。
中医学治療が間に合わなくなった例2つ
急性症状は間に合わない時があります。
私の一人の友人、以前から漢方薬をすすめたけど、彼は特に辛くないし自分の体は丈夫だと思い、いつも言い訳して漢方薬を拒否しました。また、彼は私の診療所から近いので安心したでしょう。
ある日、彼は突然電話して来て、心臓が痛くて動けない。声まで出なくなりました。私は彼に救急車を呼ぶことを勧めました。診療所から遠いからではなくて、病状がひどいからです。結局、病院検査で心臓の血管が99%つまっていました。だから、すべての急性症状が治せるとは言えないのです。
すべての病気は同じです。顔色、声、普段の状態の異常から全体的に判断します。このような急性疾患を見たとき、中医学の威力もアピールしたいけど、ある時はダメです。
去年、40代の男性を治療したことがあります。左胸がチクチク痛い、病院の検査では急性心筋梗塞。しかし、彼は周囲からのプレッシャーに反抗してバイパス手術をしていません。wechatで私を連絡しました。彼は石家荘市ではなくて外省に住んでいます。
急性疾患に対して、私は一般的に漢方薬と鍼を併用します。彼がバイパス手術を拒否しているけど、すでに3日間も痛みで苦しんでいる。私は漢方薬だけで治せる自信がなかったです。鍼もできないし、石家荘市まで来る途中で異変が起きるのも心配なので、「つまりがひどかったら先にバイパス手術をして、命を取ってからまた話しましょう」と勧めました。
実際に、私は彼が退院したあと、漢方薬で養生を助けようと思いました。ところで、彼はその後連絡がありません。スマホを変えてチャット履歴が残ってないのもあるし、一所懸命探して私と連絡取ったのに、助けることができなかったから失望したのもあったでしょう。
今になっても、住まいが遠い心筋梗塞の患者さんに対して慎重に対応しています。鍼治療の効果は1番素早い。ほぼ鍼を刺した瞬間から痛みが消えます。漢方薬はこんなに早く治りません。
だから、私は彼を失望させても先に命を取ることを選びます。
(おわり)
張静先生は中国・河北省石家庄市の中医師です。『傷寒雑病論』の処方箋で様々な病気を治す若者実力派。本ブログでは彼女の症例を数多く翻訳しました。張静先生の診療所住所・電話番号などは以下の記事をご覧ください。オススメの漢方医・鍼灸医(海外)
倪海厦(ニハイシャ)先生(1954—2012)はアメリカの著名な中医学先生。漢方・鍼灸・風水・占いに精通した天才。「傷寒雑病論」をもとに様々な癌・指定難病を治し、LAST HOPE(最後の希望)だと患者さんに言われました。また、臨床治療を行いながら、たくさんの優秀な中医学先生を育成し、中医学伝授のために努めました。倪海厦(ニハイシャ)先生の生涯を紹介しますで詳しく書きましたので、よかったらご覧ください。
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