【※本記事は2020-01-29更新しました】
こんにちは。李哲です。
アメリカの中医師:鄭智城先生*1の記事を翻訳しました。
精器のヘルペス、陰部のかゆみなどは漢方薬・鍼灸で治せる事を知ってください。
中国語本文のリンク先は、
(2012-5-1発表)
翻訳文
この前、カメラマンのアメリカ人が突然来て、「兄さん兄さん」と呼びながら中国式の挨拶をしていました。
私「今日はどんな症状ですか?」
彼「最近前立腺が腫れている感じで、尿の出が悪いです。」
尿の出が悪いなどの前立腺問題は、漢方薬で簡単に治ります。以下は一つの治療例、どうぞご参考に。
脈診してみたら、軟。
舌は淡、腫、湿気がある。舌苔は少ない。
眼診したら生殖器の1~2箇所に詰まりがある。
ほかの症状を聞いてみたら、
- 鼻のアレルギーがあり
- 同時に動悸もある
- 前立腺の腫れが原因なのか、大便も順調ではない
処方は真武湯+五苓散+生脈散+桂枝茯苓丸。
たくさんの生薬に見えますが、実は小さな処方です。(重複する生薬があるので)
五苓散の症例は以下の記事もあります。どうぞご参考に。
診察が終わってから、私は彼の症状を思い出して聞きました。
「以前の精器がヘルペスになったのは、どうなりましたか?」
「良いです。良いです。ずっと再発してないです。」
「本当に?この3年間ずっと再発してないですか?」
「そうです。先生の漢方薬は効きますね。精器ヘルペスはずっと再発してないです!再発したら私がまた漢方薬をもらいに来たはずですよ。」
このアメリカ人は、お世辞がうまいですね。
私は3年前の処方箋を見ました。
- 淫羊霍5
- 補骨脂5
- 黄耆6
- 海藻5
- 牡蛎5
- 丹参5
- 芍薬5
- 紅花3
- 桃仁3
当時処方したのは3日分だけ。
次の診察の時に、王不留行3を追加。これも3日分。
6日分の生薬で、精器のヘルペスは3年も再発してないのです。
王不留行は母乳が出なくて胸が痛いのを治す時、効果バツグンの生薬です。以下の記事があるので、どうぞご参考に。
1~2週間くらい経ってから、私は彼にメールしました。
「今度の漢方薬はどんな感じですか?」
彼の答えは、「以前と同じで、先生の漢方薬は私にとても効きます。(works the usual magic)」
私は彼に返事しました。
「If the magic becomes too usual, then it’s no longer called the Magic」
李哲の感想:
精器のヘルペスを治した処方箋を分析します。
淫羊霍、補骨脂、黄耆、海藻、牡蛎、丹参、芍薬,紅花、桃仁、王不留行。
- 淫羊霍、補骨脂:腎臓を養う補腎薬。
- 黄耆:気力を増加する補気薬。
- 海藻、牡蛎:性器のデキモノ・腫瘍などを溶かす。
- 丹参:熱を下げ、抗炎症作用がある。
- 芍薬,紅花、桃仁、王不留行:瘀血を溶かす。
これで分かりますが、患者さんは腎虚証で気力が足りない症状があり、少し炎症があって瘀血の現象もあったと推測できます。6日の漢方薬で治ったのは素晴らしい。
鍼灸治療は6日で治ると保証ができません。ただし、漢方薬みたいに毎日施術ができたら、6日で治るかも知れない。
生殖系には肝経しか通らないので、肝経のツボで熱を下げて瘀血を溶かせば良いです。
例えば行間、太衝、中都、蠡溝など。
お腹では曲骨、中極などが考えられます。
以前の治療例。女性ですが治し方は同じです。病名は関係なしで、生殖器系の問題であれば治療法も同じ。
*1:鄭智城先生の紹介は、オススメの漢方医・鍼灸医(海外) をご覧ください。
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