こんばんは、李哲です。
「不妊治療を補う自然なケアがしたい…」
「生理不順や生理痛がつらい…」
「婦人科疾患を自宅で改善したい…」
こんなお悩みはありませんか?
ご安心ください。三陰交と血海は、古典「鍼灸甲乙経」「鍼灸大成」「霊枢」「難経」で婦人科疾患の特効ツボとして高く評価されています。自宅でお灸やマッサージで不妊、生理不順、生理痛を効果的にケアできます。この記事では、古典の詳細な記述と現代のセルフケア方法を徹底解説します。
三陰交と血海のツボ:位置と探し方
不妊や生理不順など婦人科疾患のケアに欠かせない三陰交と血海。初心者でも簡単に見つけられます。
三陰交の探し方
- 場所: 内くるぶしの中心から指4本分(約5~6cm)上、すねの骨(脛骨)の内側のくぼみ。
- 特徴: 強く押すと足首まで響く「痛気持ちいい」感覚。
三陰交の位置(簡易図面)

血海の探し方
- 場所: 膝のお皿の上縁から指3本分(約4~5cm)上、太ももの内側。
- 特徴: 強く押すと「痛気持ちいい」感覚。
血海の位置

古典に学ぶ:三陰交が不妊・生理不順・婦人科疾患に効く理由
三陰交は、古代中国の鍼灸古典で婦人科疾患の中心的なツボとして詳細に記述されています。以下、主要な古典を深掘りし、不妊・生理不順・生理痛との関連を解説します。
1. 「鍼灸甲乙経」(3世紀、皇甫謐)
原文(巻第六・足太陰脾経):
「三陰交,在内踝上三寸,骨際陷中,主脾胃虚弱,腹脹滿,心腹痛,泄瀉,水腫,婦人血崩,月水不調,小腹痛,難産。」
(訳:三陰交は内くるぶしの上3寸、骨の際に窪んだところにあり、脾胃の虚弱、腹部の脹満、心腹の痛み、下痢、むくみ、婦人の不正出血、月経不順、腹痛、難産を主る。)
深掘り解説:
- 背景: 「鍼灸甲乙経」は、鍼灸のツボを体系化した最古の文献。皇甫謐は黄帝内経を基に実践的な効能を整理しました。三陰交は脾経の要穴として、気血の流れを整える役割が強調されています。
- 婦人科疾患との関連: 「月水不調」は現代の生理不順、「婦人血崩」は不正出血、「小腹痛」は生理痛や子宮関連の痛みに相当。「難産」は出産時のトラブルや、広い意味で不妊(妊娠維持の困難)にもつながります。
- 現代とのつながり: 脾胃の虚弱が血や気の不足を引き起こし、月経不順や不妊の原因になると考えられ、三陰交がこれを調整する点は、現代の鍼灸でも応用されています。
2. 「鍼灸大成」(1624年、楊継洲)
原文(巻之四・経穴篇):
「三陰交,在足内踝上三寸,脛骨後縁,主治婦人諸病,月經不調,赤白帯下,崩漏,胎産諸疾,腹脹,泄瀉,足脛腫痛,心腹刺痛。」
(訳:三陰交は足の内くるぶしの上3寸、脛骨の後縁にあり、婦人のあらゆる病気、月経不順、赤白帯下(おりものの異常)、不正出血、妊娠・出産の諸疾患、腹脹、下痢、足や脛の腫れと痛み、心腹の刺すような痛みを主治する。)
深掘り解説:
- 背景: 「鍼灸大成」は、明代に過去の古典(黄帝内経、鍼灸甲乙経など)を集大成した実践書。楊継洲は臨床経験を基に、ツボの効能を具体的に記述しました。
- 婦人科疾患との関連: 「婦人諸病」は婦人科疾患全般を指し、特に「月經不調」(生理不順)、「崩漏」(不正出血)、「胎産諸疾」(不妊や出産トラブル)が強調されています。「赤白帯下」は異常なおりものに相当し、婦人科の炎症や不調にも効果的。
- 現代とのつながり: 「胎産諸疾」は不妊治療の補助や妊娠中の不調(例:むくみ、腹痛)に適用可能。記事の「不妊」や「むくみ」への言及と一致します。
3. 「霊枢」(黄帝内経、紀元前2世紀頃)
原文(霊枢・経脈篇):
「足太陰之脈…入腹屬脾絡胃…其病則腹脹,婦人則月事不調,血氣不和,胎孕不利。」
(訳:足の太陰脾経は…腹に入り脾に属し胃に絡む…その病は腹脹、婦人では月経不順、血気(けっき)の不調、妊娠の不利となる。)
関連記述(霊枢・五音五味篇):
「脾主血,肝主疏泄,腎主生殖,三陰交匯於此,調血氣,利生化。」
(訳:脾は血を主り、肝は疏泄(流れをスムーズに)を主り、腎は生殖を主る。三陰交はこれらが交わり、血気を調え、生殖機能を整える。)
深掘り解説:
- 背景: 「霊枢」は黄帝内経の一部で、経絡とツボの理論を詳述。脾経全体の役割を説明し、三陰交を脾・肝・腎の交差点として位置づけます。
- 婦人科疾患との関連: 「月事不調」は生理不順、「胎孕不利」は不妊や妊娠トラブルを指す。脾経の不調が血気の乱れを引き起こし、月経や生殖に影響すると考えられ、三陰交がこれを調整。「調血氣,利生化」は、子宮環境の改善や妊娠力の向上(不妊ケア)に直結。
- 現代とのつながり: 三陰交が血と気の流れを整える点は、現代の鍼灸で不妊治療やPMS(月経前症候群)の緩和に用いられる理論と一致。記事の「生理痛」「不妊」への効果を裏付け。
4. 「難経」(紀元前1世紀頃)
原文(難経・二十九難):
「三陰交,足太陰脾経之穴,三陰之脈交會,治婦人之病,調經脈,助胎孕,利水道。」
(訳:三陰交は足の太陰脾経のツボで、三陰の経脈(脾・肝・腎)が交わる。婦人病を治し、経脈を調え、妊娠を助け、水道(むくみや排尿)を利す。)
深掘り解説:
- 背景: 「難経」は黄帝内経を補完する理論書で、ツボや経絡の役割を簡潔に解説。三陰交を「三陰の交わり」として、婦人科と生殖に特化したツボと定義。
- 婦人科疾患との関連: 「治婦人之病」は婦人科疾患全般、「調經脈」は生理不順や生理痛、「助胎孕」は不妊や妊娠維持を指す。「利水道」はむくみや体内の水分代謝の改善に有効で、記事の「足のむくみ」と一致。
- 現代とのつながり: 「助胎孕」は不妊治療の補助や妊娠中の体調管理に適用可能。現代の鍼灸では、三陰交がホルモンバランスや子宮血流の改善に用いられ、不妊クリニックでも注目されています。
総合的な古典の意義:
- これら古典は、三陰交が脾・肝・腎の調和を通じて気血を整え、婦人科疾患(特に不妊、生理不順、生理痛)を改善すると一貫して記述。脾経が血を主り、肝が気を流し、腎が生殖を司る理論は、現代の「ホルモンバランス」「血流改善」に通じます。
- 「難産」「胎産諸疾」「助胎孕」は、不妊や妊娠トラブルへの効果を強調し、記事の「不妊」訴求を強力に補強。「月水不調」「小腹痛」は、生理不順や生理痛のケアに直結。
私が鍼灸学校で見た例では、生理痛で倒れた女性が三陰交を2~3分揉むだけで痛みが消えたのです。古典の知恵は今も生き、臨床でも即効性を発揮します!
手術後の癒着による腹痛を三陰交中心の鍼で軽減した例も:手術後の婦人科疾患の治療例
三陰交と血海が効く婦人科疾患
古典と現代の知見から、三陰交と血海は以下の婦人科疾患に特に効果的です:
- 不妊(古典:胎産諸疾、助胎孕)
- 生理不順(古典:月水不調、調經脈)
- 生理痛(古典:小腹痛)
- 足のむくみ(古典:水腫、利水道)
- 冷え性
- 不正出血(古典:血崩、崩漏)
- 陰部の痒みや湿疹
- 生理前後のじんましん
- 生理前のイライラ、だるさ、頭痛
不妊や生理不順でお悩みなら、この2つのツボにお灸を!
三陰交:不妊・生理不順に効く一石三鳥のツボ
鍼灸の先生が言いました:
「婦人科疾患、特に不妊や生理不順なら、まず三陰交を!必ず楽になる。」
三陰交は肝臓・脾臓・腎臓の3つの経絡が交わるツボ。1つで3つの臓器を整え、血と気を調える「一石三鳥」の効果があります。「霊枢」や「難経」では、妊娠を助け、月経を調えるとされ、不妊治療や生理不順のケアに最適です。
さらにすごいツボ「関元」は4つの経絡が集まる「一石四鳥」。詳しくは:関元の効果
婦人科疾患以外にも!三陰交と血海の効果
三陰交と血海は婦人科疾患以外にも役立ちます:
- 血海: 膝の痛み、じんましん、ニキビなどの皮膚トラブル。
例:血海で皮膚トラブル改善 - 三陰交: 出産時の鎮痛効果、子宮を動かしスムーズな分娩をサポート(古典:難産)。
- 血海: 皮膚の痒みや湿疹を軽減。
- 三陰交: 滋養強壮効果で、婦人科疾患がない人にも。
妊娠中の鉄剤副作用によるむくみを三陰交のお灸1回で改善した例:妊娠中のむくみ改善
自宅でお灸:不妊・生理不順ケアのやり方と注意点
自宅で三陰交と血海にお灸をして、婦人科疾患をケアするポイントです。
- せんねん灸の選び方
- 生姜入りタイプを。レギュラータイプは火力が弱く効果が低い。
- やけど防止
- 熱くなったらすぐ取り、新しいお灸を続けて。
- お茶の禁止
- お灸後3日間は緑茶、ウーロン茶、紅茶、プーアル茶を避ける(効果が落ちる)。
- OK:麦茶、トウモロコシ茶、水。
お灸が難しいならマッサージでも効果的
お灸ができない場合は、三陰交と血海を強く揉むだけでも不妊や生理不順に効果があります。ただし、お灸が最も効果的です。
症状が改善しない場合は、鍼灸院での診察を検討してください。
お灸の回数はこちらを参考に:冷え症に効く大都穴
婦人科疾患の治療例:合わせて読みたい
私が治療した婦人科疾患の症例です:
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