こんにちは。李哲です。
今日はNHKスペシャル「人体」シリーズを見た感想と評論です。
私がテレビで見たのは以下のみ。
以下は番組HPで見た内容に関して、評論したいと思います。
個人的見解なので、間違いがあるかも知れません。その時はどうぞご教授ください。
人体 神秘な巨大ネットワーク
テレビを見て最初に感心したのは、西洋医学はやっと臓器同士の会話を認めた事です。以前は単独で肝臓は何の役割、腎臓は何の役割とか研究したのに、今はちょっとレベルアップしています。
中医学を少し触れている方は分かると思いますが、中医学には陰陽五行論があります。
昔々から中医学は、五臓六腑は別々の存在ではなくて、お互いに繋がりがあってお互いに牽制している事を知っていました。だから、病気治療の時に治すのは一つの臓器だけではありません。周りの関連する臓器も同時に治療します。
例えば肝炎・肝臓がんなど治療する時は、肝臓だけではなくて肝臓を制覇する大腸・肺も同時に治療。肝臓に制覇される脾胃も同時に強化して、肝臓の悪影響が脾胃にまで届かないように予防します。
この治療方針は、2000年前の『難経』と『傷寒雑病論』などに書いてあります。私が尊敬するニハイシャ先生も古典理論を熟用して、C型肝炎など治していたのです。
中医学治療は全体像を見ているので、必ず関連する臓器も同時に治さないといけないと認識してます。
西洋医学が今回分かったのは、ごく一部の中医学内容ですね。
これが新しい発見ですか… …
心臓からの”メッセージ”で「がん転移予防」
西洋医学は心臓から出す物質『ANP』が癌の転移を防げると言ってます。
それでは、中医学では心臓と癌の関係を、どのように考えているのか話します。
心臓は中医学で言うと、役割は『君主』で五行説では『火』です。
国の君主なので病気になったりしません。
皆さんは大腸がん、肺がん、腎臓癌、乳がん、悪性脳腫瘍、リンパ癌、骨ガンなど聞いても心臓癌は聞いたことありますか?
心臓が病気にならない理由は、以前の記事で書いたことがあります。
体の中の熱(エネルギー)は心臓が提供しています。
簡単な理屈ですが、心臓って筋肉で作られている。
心臓は死ぬ日まで、すごく摩擦している。
摩擦すると熱が生じるのは物理的な現象で、皆さんも理解できると思います。
ネットを見たら、人の一生の間の心拍数はざっと計算して15~20億回。すごい数です。だから、心臓はすごい熱いわけ。中医学ではこの熱い現象を『火』と言います。
体内の臓器が正常に働くためには、適切な温度が必要。
外側の体温を測ると、正常な体温というものがあるわけ。
すべての臓器がちゃんと動く時は、老廃物・毒素がたまりません。老廃物・毒素の塊は大きくなると、西洋医学で言う腫瘍・癌です。
言い換えると
心臓が元気に働いている→→体内の温度はいつも熱い→→各臓器はちゃんと働いている→→老廃物・有毒物質が貯まらない→→癌・腫瘍ができない。
中医学の考え方からすると、心臓が何々のメッセージ物質を出して癌転移の予防をするのではない。
心臓がめちゃくちゃ熱い状態をキープするから、癌ができないだけです。
ニハイシャ先生は話しましたが、心臓を治せない先生は癌も治せない。
西洋医学は心臓の一つの成分の役割しか分かってない。
心臓自体の役割を分かるまで、さらに何百年かかるかも知れません。
腎臓が寿命を決める
中医学にはこんな理論があります。
- 『精者、生之本也』。
- 『腎蔵精』。
- 『腎者主水、受五臓六腑之精而藏之』。
(以上は『黄帝内経』より)
この文字で分かりますが、腎臓は生きるか死ぬかと関わる一番大事な臓器。2千年前の『黄帝内経』では、すでに腎臓と寿命の関連性を説明しています。
中医学にはもう一つ有名な理論があります。
『脾胃乃後天之本、腎乃先天之本』
脾胃は後天のものなので、鍛えて養う事ができます。
腎臓は生まれつきなので、もとを変えることはできません。(よく補腎の話はありますが、あくまでも少数を補うだけで先天の本質を変えることはできない)
人間を作った神様は公平です。
先天のものは変えられないけど、後天の物を強化することで、先天不足を補う事ができるのです。
中医学の治療法則には、どうしても原因が分からない・どうしても治せない時は一律脾胃と腎臓を強化する方法を使います。
脾胃と腎臓の気さえ残れば、人は死なないから。
食べられるし、大小便が出るので死なない。
西洋医学は腎臓が寿命を決めると言うけど、話は半分しか合っていません。寿命は腎機能で決められているけど、後天の脾胃を強化することで、寿命を伸ばす事は可能です。
100歳まで生きた年寄りを見てください。
みんな食欲が良くて、たくさん食べられます。
豚角煮を好む年寄りも少なくありません。
中医学の観点では、
食欲さえあれば死なない。
食べられなくなったら死ぬ日も遠くない。
と言います。
ここで臨床での不思議な事を話したいです。
西洋医学の抗がん剤は打った日から髪が抜けて、食欲がなくなり激しい嘔吐が続きます。食べられないからステロイド剤を飲ませて、むりやり食欲を維持する。それでもダメだったら、外部からの栄養点滴で生命を維持します。
西洋医学はがん細胞が小さくなった。
手術で腫瘍が取れた、大成功!など言います。
患者さんが治療後に食欲があるかないかは、どうでも良い。
なぜこんな常識がないのか?
中医学の観点から見ると、これは死ぬしかない”治療法”です。
“脂肪と筋肉”が命を守る
脂肪と筋肉の正体はなんだろう?
中医学の観点では、筋肉は脾臓が生み出します。
中医学の言葉で、『脾主肌肉』と言います。
(中国語の”肌肉”は、日本語の”筋肉”の意味)
だから脾臓の摘出術後に、患者さんは全身倦怠感に襲われ、食欲がないしどんどん痩せます。
脾臓のもう一つの大きな役割は、上に書いたように『後天之本』。長生きできるかどうかは、脾臓の機能とも関連しています。
脂肪は現代の言葉で、昔の本には書いていません。しかし、昔の人達はほかの言葉で定義を出しています。それが、”三焦”というもの。
歴代、この三焦が存在するかどうかで、中医学の先生たちは議論が多かったです。心臓・肺・肝臓などは解剖で目に見える。しかし、三焦はどこにあるんだ?
『黄帝内経』にはハッキリ書いてないけど、三焦は存在するものです。
豚肉、鶏肉を食べる時、内臓の外側に薄い黄色い膜・脂肪を見たことあるでしょう?その薄い膜と油(脂肪)が、中医学でいう”三焦“ です。
内臓と内臓の間に挟まれている部分(脂肪も含め)が、全部三焦の範囲。つまり、三焦は頭から足の指先まで幅広い範囲にあります。
三焦は心臓みたいに実質的な形がないので無視されがちですが、全身を含めているので、その作用はとても大きい。
中医学では、三焦は陽気を走らせる道だと言います。
『難経・ 六十二难』に書いてるのは、『三焦行諸陽,故置一输名曰原』。
陽気が足りない・陽気が詰まる場合、三焦の所に老廃物がいっぱい溜まって、いわゆる脂肪が増えてメタボリック。水がたまって、むくみます。
メタボリックの解決には、もちろん運動が必要。あとは、ファーストフードなどゴミ食品を食べないこと。
三焦の流れを良くするためには、漢方薬・鍼灸治療が有効です。
三焦の概念があるのは、中医学しかないから。
まとめ
- 人体は巨大なネットワーク。
- 臓器同士がメッセージ物質を分泌してお互いに会話をしている。
以上の発見は西洋医学の進歩だと思います。
しかし、私は心配する事もあります:メッセージ物質の乱用。
また何の薬を発明して、これは何のメッセージ分泌に良いとか言い出すのではないか?
食品も同じだったでしょう。
乳酸菌が良いから関連食品が発売され。
酵素が良いから関連食品が発売され。
悪玉菌を減らす効果があるから… …
ファッションみたいに次から次へ。
また泡みたいにすぐ消える。
本来は内臓が自分で分泌するメッセージ物質を、外から注入して内臓の働きの代わりにする行動。果たしてその副作用はないのか?
残念ですが、
化学薬品であれば、必ず副作用がある!
身体の足りないのを外から入れるのではなくて、身体を刺激して身体自分でその物質を作り出すことが大事。
体の働きを良くするのは、自然療法が王道です。自然療法では、漢方薬・鍼灸が特にオススメ。
もちろん、ほかの足裏マッサージ・整体・気功・太極拳・薬膳・ヨガなど、自然療法はいろいろあります。
この辺は皆さんの好みなので、自分が納得する療法を見つけて、元気に長生きすることを願います。
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