こんにちは、李哲です。
鍼治療例ではなくて、漢方薬で私のお母さんを遠隔治療した内容。記事中の漢方薬、参考になると幸いです。
2023/3/15
中国にいる母から、WeChatで音声メッセージがありました。
お父さんの咳が少し改善したら、今度お母さんが咳し出したのです。小青龍湯+桔梗石膏を飲んでも変化なし。仕方なく病院に行って点滴。5日も点滴したのにちっとも変わらない。
そして私に連絡がきました。
ビデオチャットで詳細を聞いたら、乾いた咳が出る、痰は黄色が多い、そして全身が熱い!風邪の発熱ではなくて、熱がりになったというか、ほてりと言うか、とにかく暑いそうです。ほかに体が痛いとか、頭痛、寒気がするなどの症状はなし。
お母さんの症状を分析すると、小青龍湯+桔梗石膏は合わない。ひょっとしたら、咳がひどくなるかも知れない。なぜなら、体内が冷えているとき小青龍湯はいいけど、黄色い痰が出ているときは熱証がメインなので、使うと逆効果になるのです。勝手に飲まないで先に私に聞けば良かったですが…

処方箋は麦門冬湯にしました。
使用量は以下の通り。
麦门冬40
生半夏20
党参15
甘草10
粳米10
大枣10
3日分。
3/18(土曜日)に電話してみたら、4日分を買ったのであと1日分がある。「もうほとんど治ったから、明日まで飲めば完璧でしょう」との話。
以前、私のお父さんがコロナワクチン接種後に見えなくて大変だったけど、そのときも漢方薬で治しましたが、今回も順調に治って良かったです。私のお父さんの症例は以下をご覧ください。
お母さんからまた別の感想がありました。
「数年前から喉に痰が絡むような感覚があり、口を開けて呼吸するときヒューヒューと音がする。市立病院に行って様々な検査をしたけど異常なし。病院の先生は不思議がってた。なんでヒューヒューと音がするんだ?ちょっと聞いてみたいね!と言ってた。今回の煎じ薬は米も入ってるし、すごい飲みやすかった。驚いたのは一杯目を飲んだら、ヒューヒューの音が消えた!」
私はお母さんに説明しました。
「喉の違和感は気が詰まって痰みたいになっているからです。病院の検査で”気”が分かるわけがない。でも、中医学は2千年前から処方箋がありますよ!」
喉の違和感・喉に痰が詰まるような感覚を治した例は、以下の記事でも触れています。良かったら参考にしてください。
本来なら半夏厚朴湯を混ぜるべきだけど、半夏一品だけで、一杯目を飲んだだけで消えました。恐ろしい半夏のパワーに関して面白い物語があるけど、また今度紹介します。
もし半夏が3グラムの量だったら、こんな効果がありません。3日ではなくて、30日で治るかも。1日で20グラム、日本の漢方医はビックリするでしょう。
お母さんがコロナだったかどうか、検査してないので詳細は分かりません。私が今まで治療したコロナ患者さんと違うタイプの咳でした。人それぞれ体質が違うので、みんな同じタイプの症状だとは限らないです。
中医学先生にとって、西洋医学の病名はどうでも良いです。コロナであろうと、肺炎・肺ガンであろうと、漢方薬は症状で処方。鍼灸も症状にもとづいて、関連の経絡・ツボを調整します。
以下、中医学と西洋医学の違いを詳しく説明しました。参考になると幸いです。
(おわり)
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